昨年の夏ごろ玉川上水の新小川橋近くで、緑道に面している9坪ほどの土地がロープで囲われました。狭い土地だから人の住む家を建てられるはずがありません。不思議な思いのまま、その場所のことをすっかり忘れていました。ところが2ヶ月ほど前、そこに突然青空ギャラりーが出現したのです。東側に3枚、西側に2枚のパネルが打ち立てられました。掲示物を風雨から守ることのできる、あく色の頑丈なパネルです。
パネルには玉川上水付近の野鳥や草花などの写真約15点やその他が展示されています。散策やランニングで通りがかった人が足を止めます。写真はなかなかの出来栄えです。この付近で撮影したものばかりですから大いに興味も沸きます。野鳥や草花などの自然観察について、私などはいかに甘いか反省する気持ちにさせられる写真です。我が家と駅の途中にありますから、これからは頻繁に立ち寄ることになるでしょう。
これが私設のものとは思いませんでした。新聞の地域欄などにも取り上げられるようになって、いろいろと分かって来ました。あの狭い土地を購入して 「玉川上水オープンギャラリー」 を始めたのは、元小平市職員の鈴木忠司さん(68歳)でした。長くグリーンロードの仕事に関わっていた方です。趣味がそのまま仕事だったのでしょう。退職後も毎日のように玉川上水を回り、カメラ撮影やスケッチを楽しんでいるそうです。鉛筆画の達人でもあるといいます。
二十四節気ごとに作品は入れ替わります。自分のテーマは玉川上水の四季を追いかけることで、それは無限にあるといいます。通常日曜日の午前10時から午後3時頃はギャラリーにいて野鳥の生態などを説明してくれるそうです。3月5日から3月19日の啓蟄の期間のテーマは 「玉川上水の野鳥(留鳥)」 でした。コゲラ、シジュウカラ、メジロ、ヤマガラ、オナガ、カワラヒワ、ヒヨドリ、カワセミ、ムクドリ、コサギ、ウグイス、エナガなどのカラー写真が掲示されていました。