退屈し切った2才児がソウ叫んだ。ムリもない。連続13時間の空の長旅。乗り継ぎを含めると15時間に及んだ。母親は5ヶ月のBabyの世話に専念し、ヤンチャ盛りのお守は丸ごと私の仕事となった。ソレは事前の覚悟を越えた労働で体力と気力を要した。
普段からスイッチ、ボタン、ネジ、ビンと手当たり次第に押しひねくり廻していた。飛行機の中はそのスイッチ、ボタン以外は何も無い。私が手を出せば真似る。周りに迷惑を掛けるから自制も強いられた。
気分転換の為何度もダッコ歩行したが、食事カートが納めてある空間の窓から見える眼下が海から大陸に変わって来ていた。窓から尾翼の一部と雄大なロッキー山脈を見下しながら、「飛行機に乗ったんだったねぇ。いつも飛行機はお空の上を飛んでいるよねぇ。今飛行機の中にいて、一緒に高~いお空を飛んでいるの。お空にある雲さんを突き抜けて、ほ~ら雲さんがあ~んなに下でモクモクしている。お山もあ~んなに下に見える。すごいねぇ。高~いねぇ」ジ~ッと聞き入っていたがどう理解したか。次いで”飛行機ブ~ンブン、飛行機ブ~ンブン”と両手を広げながら私と一緒に唱和し始めた。