玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*さよなら

2008年06月03日 | 捨て猫の独り言

 また一人だけの生活が始まる。約3年ぶりだ。前回は3ヶ月あまりで、今回は2週間ほどである。今回は同居人がその娘と孫に付き添ってアメリカのノースカロナイナまで行くことになったのだ。2歳と0歳の孫との2ヶ月のあわただしくも楽しい身の痩せる生活が終わった。それにしても何かしら不安定な気分の旅立ちである。先に帰国した婿殿の就職先が今のアメリカの厳しい経済状況では決まるかどうか不明であった。若い家族の生活の拠点は果たして何処になるのか。

 孫娘の2人は出発の前日まで保育園に預けられ、その母親も前日まで勤務していた。なんともあわただしいことである。まさかと思っていたが、アメリカ行きの一週間前に孫の曽祖父と曾祖母が鹿児島からやって来た。よちよち歩きの91歳と84歳である。5月30日の雨がぱらつく肌寒いなかをその二人に見送られて玄関を出た。成田空港には乳母車とリュック姿で向かった。総勢5人のうち一人私だけが見送りということだ。

 アメリカ東部のアトランタで乗り継いで13時間のフライトという。2歳の孫は空港でのさよならを理解している様子もない。これまで寝る時起きる時の世話はいつも私がしていた。これからはどのようにして眠りに落ち、どのようにして目覚めるのだろうか。つぎはいつ会えるだろうか。なんだかんだと考えたりしているのはどうやら私だけらしいので拍子抜けもはなはだしい。

 ウェブカメラというものがある。両方がリアルタイムの映像を見ることができてキーボードで会話するのである。離れ離れの娘夫婦がこの2ヶ月の間に利用していたのを傍らで見て感心していた。そして31日の朝に合図があり私はおそるおそる操作してみた。とりあえず寄宿している婿殿の父親の家に無事に着いてくつろいでいる映像が写し出されていた。そしてにわかに信じがたいことだが、着いたその日に第一志望に就職が決まり、さっそくこの月曜日から出勤するという。それでノースカロライナのローリーに家を探すことになりそうだという。私は何だかサーカスの離れ業を見ているような心地である。そして鹿児島に帰る2人をお見送りして6月1日の夜から一人だけの生活が始まった。

コメント (3)
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