玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*生命ある限り

2007年04月16日 | 捨て猫の独り言

 いい番組に出会った。15日の日曜日の夕方に放送されたドキュメンタリー番組TBSテレビの 「報道特集」 がそれだ。JR福知山線脱線事故に会い、死の宣告を受けながらも奇跡的に回復を見せつつある32歳の女性についての記録である。2両目に乗っていた鈴木順子さんは脳のダメージがひどく5ヵ月後にやっと意識が戻る。あれから2年だ。父母や姉などの介護のもとで自分の名前を漢字で書けるまでに回復した。

 人体に備わる自然治癒力は驚異である。そして治癒力が発揮されるためには、それなりの環境も必要だった。鈴木さん家族は自宅を改造して、早い時期に病院から自宅での介護に切り替えた。この番組で私は事故の背景などよりも回復する生命に圧倒されていた。

 ところで最近の自分の体はどうか。スポーツで汗を流した後での爽快感など忘れたに等しい。慢性疲労をなかなか脱却できないというもどかしさの中にいる。かろうじて湯船の中で温まったり、浮力を感じたりして何事かを錯覚したりしている。このままの体力状態を続けていくことは駄目だと感じてはいるのだが、なかなか転換できない。

 父が大病してから11年が経過した。血圧をコントロールしつつ生き生きてまもなく卒寿を迎える。なんとその節制ぶりは私には真似できそうにもない。この4月の4泊5日の帰省で、0歳の女の子のひ孫と、私の父母との初めての対面が実現した。帰京する日に、0歳と90歳がおでこを合わせてにらめっこしていた。その光景が目に焼きついている。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする