高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

高尾山のジャコウソウ

2009-09-10 07:42:34 | 四季

高尾山のジャコウソウ(麝香草)も以前にくらべると、自生地は随分少なくなり、なかなか目に付かなくなった。数年後にはこの植物も、高尾から姿を消すのであろうか。
ジャコウソウは見た感じでは草本(そうほん)であるが、正しくは木本(もくほん)とのことである。形成層を持ち肥大成長するのが木本であるが、ジャコウソウの地上部は成長しないで、花後には枯れているように思える。
木本と草本の区別は厳密でないとする説もある。上のジャコウソウのリンク先でも草本に分類してあるが、どうも訂正する気にはなれない。今後の経過観察で納得できたら、木本に移ってもらおうと思っている。
毎年数が減っているが、来年も高尾でジャコウソウが、見れることを祈るしかない。

 
(今年も咲いていた高尾山のジャコウソウ)

(高尾山)
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キジョラン

2009-09-09 00:43:27 | 山野草
前日の予想は少し雨が降るとのことだったが、朝から晴れていたので、友人と高尾山を歩いてきた。いつもの高尾山はハイカーで混み合うが、昨日は嘘のように人に会わなかった。雨の天気予報で中止した人が多かったのであろう。
7月に花と果実の中間報告をしたキジョラン(鬼女蘭)の現状報告である。
この時、青い果実の隣に蕾が確認できたが、やっと花が開き始めた。下向きの白い花で、筒状の花弁が先端で5弁に分かれている。花の数は14個も付いているが、翌年にはほとんどの実が1個になっているので、かなり生存競争が厳しそうである。
今年は手の届くところに、昨年の青い果実が10数個なっているが、2つ付いているのが1箇所あった。
見やすい場所に、花と前年の果実があるので、花後の果実の成長と、果実が割れて毛の付いた種子が飛び出すまで経過観察ができそうである。

 
(双子のキジョランの果実)  (7月初めの果実と左に蕾)

鬼女蘭/ガガイモ科/キジョラン属。
林内に生える蔓性の常緑多年草。
葉は卵円形で対生し、葉腋から花序を出し釣鐘状の花を付ける。袋果は約15cmで楕円形で、冬が近づくとはじけて中から綿毛が飛び出す。
葉は長距離移動することで知られるアサギマダラの幼虫の食草になる。
名前の由来:飛び出した綿毛の姿が鬼女が髪を振り乱しているように見えることからこの名が付いた。
花期8~9月。
(高尾山)
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初秋の南高尾

2009-09-08 07:06:30 | 四季
9月に入ったら急に秋らしくなり、ここ数日は良い天気が続いている。きょうも天気予報では傘のマークもあったが、朝から太陽がのぞいている。
先日、町田の大地沢青少年センターから町田市の最高地の草戸山を経由して、草戸峠、梅ノ木平、三沢峠を歩いてきた。この付近は昨年の豪雨で、土砂崩れが発生しかなりの被害が出た。この日も工事のショベルカーなどが数台入っていた。
梅ノ木平が豪雨で被害を受けるまでは、アケボノソウ(曙草)の開花でこの季節は賑わったが、今は工事車両以外はひっそりとしている。
少し白いキバナアキギリ(黄花秋桐)が咲き始め、他にもヤマホトトギス(山杜鵑草)キンミズヒキ(金水引)マツカゼソウ(松風草)キツリフネ(黄釣船)ノブキ(野蕗)などが目立つ花であった。
最後は大地沢に戻ったが、ここでは昆虫類が夏に別れを告げていた。


(梅ノ木平のキバナアキギリ)

 
(ヤマホトトギス)        (キンミズヒキ)

 
(マツカゼソウ)        (キツリフネ)

 
(オニヤンマの産卵)    (鳴かなくなったミンミンゼミ)

(南高尾)
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アイ

2009-09-07 01:32:39 | 山野草

大河ドラマ「天地人」の物語も、いよいよ関が原の戦いが近づいき、「愛」の旗印の直江兼続と上杉家が、最も困難な事態を迎えている。
きょうは、同じアイでも「愛」ではなく「藍」である。「青は藍よりいでて藍よりも青し」のことわざはよく知られている。昔からの人間の知恵で、アイ(藍)の葉を発酵させて藍色の染料を造ってきた。
薬用植物園では植物の脇に表示してあるので、この植物がアイだとわかるが、他の場所に数本生えていても、アイとは気付かずイヌタデ(犬蓼)と勘違いしそうである。

藍/タデ科/タデ属。
東南アジアの原産で、古い時代に中国から伝わったタデ科の1年草。別名タデアイ(蓼藍)。
葉は広皮針形や長楕円形から卵形など多様で、短い柄と鞘状の托葉があり互生する。秋に花穂を出し、紅色の小花を穂状に付ける。葉を発酵させて藍色の染料にする。
名前の由来:藍の原料になることからこの名が付いた。
花期9~10月。
(東京都薬用植物園)
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ミヤマフユイチゴ

2009-09-06 13:59:28 | 樹木
南高尾を歩いていると、三角錐の蕾と、数個の咲き始めた白い花が見られる。葉はかなり厚く、表面がやや光り、茎や葉柄の棘に触ると痛い。
よく似たフユイチゴ( 冬苺)より葉の先端が尖っていて、どちらも食べられる。
冬場に赤く熟したミヤマフユイチゴの実は、高尾では良く見るので、こんど出合ったら数個失敬するのも悪くはない。

 

深山冬苺/バラ科/キイチゴ属。
山地に生えるつる性の常緑小低木。
茎や葉柄に細い棘が付き、葉は卵形で先端は尖る。葉腋から出る短枝に、白い花を数個付ける。果実(集合果)は球形で、冬に赤く熟し食べられる。
名前の由来:フユイチゴの仲間で山地に生えることからこの名が付いた。
花期:9~10月。
(南高尾)
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モミジガサ

2009-09-05 00:58:13 | 山野草
春先に傘のような可愛い芽を出すのはヤブレガサ(破れ傘)であるが、よく似た植物で葉がモミジ(紅葉)の形をしているのが、モミジガサ(紅葉傘)である。
南高尾では生えている数も少ないので、ヤブレガサと勘違いして見落すこともあるが、葉の形を見れば違いは一目瞭然である。
キク科で一つの花のように見えるが、5つの花の集まりである。

 

紅葉傘/キク科/コウモウリソウ属。
山地の林の中に生える多年草。
葉には長い柄がありモミジ状に裂け互生する。茎の先に細い円錐花序を作り、白色の頭花を付ける。若芽はシドケまたはシトギの名で山菜として知られる。
名前の由来:葉の形が紅葉に似て、芽出しが傘状をしていることからこの名が付いた。
花期:8~9月。
(南高尾)
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ハナツクバネウツギ

2009-09-04 06:27:44 | 樹木
公園や民家の生垣などどこにでも見られる。ツクバネの名前は追羽根の羽根であるが、この名前が付く樹木では、ツクバネウツギ(衝羽根空木)やベニバナツクバネウツギ(紅花衝羽根空木)が山野に自生している。
花の咲く期間が極めて長く、雄しべも雌しべもあるが種子はできないというから、花を人に見せると同時に、昆虫には蜜をサービスしているようである。この日もクマバチ(熊蜂)が、忙しく飛び回っていた。大きな体重を支えるのに少し羽根が小さいようで、秋のクマバチの羽根はかなり擦り切れていた。
クマバチは口が花の奥の蜜腺に届かないと、花の付け根を突き破って蜜を吸うというが、確かに頭を花の中には入れてなかった。この蜂の性格はクマンバチ(スズメバチの別名)と違っておとなしいので、次回は顔を近づけて、じっくり観察することにしよう。

 

花衝羽根空木/スイカズラ科/ツクバネウツギ属。
タイワンツクバネウツギ(台湾羽根空木)とユニフローラとの園芸交配種。別名ハナゾノツクバネウツギ(花園花衝羽根空木)、アベリア。
葉は楕円形~卵形で対生し、葉縁に粗い鋸歯がある。枝先や葉腋に円錐花序を付け、花は漏斗形で先は5裂する。花後にプロペラのような萼が5枚残る。
名前の由来:花が多く、実の形が追羽根の羽根に、木の姿がウツギ(空木)に似ていることからこの名が付いた。
花期:6~11月。
(多摩丘陵)
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ゴジカ

2009-09-03 09:26:56 | 山野草
江戸時代の時刻の単位は「一時(いっとき)」で、これは2時間にあたる。そして干支の十二支をあてている。ヒツジグサ(未草)は未の刻(午後2時)頃に咲き、このゴジカ(午時花)は午(うま)の刻に開花する。
現代風に時刻を付けたものもあり、サンジソウ(三時草)はハゼランで、ヨジソウ(四時草)はオシロイバナ(御白粉花)の別名である。
関東と関西は遅刻が少し異なるのか、ハゼランは関東ではサンジソウ、 関西ではヨジソウと呼ぶのも面白い。

 

午時花/アオギリ科/ゴジカ属。
インド原産で江戸時代に薬用植物として渡来した1年草。別名ヤラクキンセンカ(夜落金銭花)。
葉は披針形で鋸歯があり互生する。葉腋に直径 3cmほどの赤い花を付ける。
名前の由来:午の刻(うまのこく:午前11時~午後1時)の頃だけ咲くことからこの名が付いた。
花期7~10月。
(東京都薬用植物園)
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ウマノスズクサ

2009-09-02 11:05:51 | 山野草

この植物は野山にありそうで、なかなか会うことはない。植物の分布が関東から西の地方に偏っているからかも知れない。
高尾山にあるものはオオバウマノスズクサ(大葉馬の鈴草)で、花の形は少し似ているが、果実は球形でなく、長楕円形である。

 


(秋に見られるウマノスズクサの実)

馬の鈴草/ウマノスズクサ科/ウマノスズクサ属。
川の土手や林の縁などに生える多年草。毒草。
つる性植物で葉は有柄互生し、三角状卵形で基部は心形である。葉の脇から花柄を出し、花は横向きに開く。
がくは筒状で湾曲し、基部は球形にふくらむ。果実は球形のさく果で熟すと6裂する。
名前の由来:諸説あるが葉が馬の顔の形に似ていて、球形の果実の形態が馬に懸ける鈴に似ていることからこの名が付いた。
花期7~9月。
(東京都薬用植物園)
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ヨモギ

2009-09-01 18:53:00 | 山野草
昔はヨモギの若葉を餅に混ぜてヨモギ餅を作ったり、お灸の材料になったのであろうが、今は各種の栄養素を豊富に含んでいてもほとんど使わなくなった。
かろうじてヨモギの名残を残すのは「笹だんご」であろうか。

蓬/キク科/ヨモギ属。
野山の道端や土手に生える多年草。別名クサモチ(草餅)。
茎の上部で細かく円錐形に枝を出し、小さな花をたくさん付ける。
名前の由来:よく燃えるため善燃草(よくもえぐさ)やどこにも繁殖するので四方草(ヨモギ)など諸説がある。
花期:8~10月。
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