高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

ヒメシャラ

2008-06-30 11:58:43 | 樹木
昨日のナツツバキ(夏椿)の別名はシャラノキ(沙羅の木)で、これよりも葉や花が小さいことからヒメシャラ(姫沙羅)の名が付いた。
仏教の「聖なる木」に、インド原産のサラソウジュ(沙羅双樹)という木があるが、シャラノキはこのサラソウジュと勘違いして名前が付いたと言われている。
従ってナツツバキをシャラノキというのは間違っているという説もあり、これに姫を付け正式な和名としたから余計にややこしくなった。


姫沙羅 /ツバキ科/ナツツバキ属。
山地に生える落葉高木。別名コナツツバキ(小夏椿)。
葉は長楕円形で先は尖り、縁には低い鋸歯がある。円形をなし、先は尖り、縁には低い鋸歯がある。葉の脇から柄を出し、白い花を咲かせる。
名前の由来:ナツツバキをシャラノキと呼ぶが、ナツツバキより葉と花が小さいのでヒメシャラという名が付いた。
花期:6~7月。
(多摩丘陵)
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ナツツバキ

2008-06-29 06:25:53 | 樹木
この季節に咲く樹木は少ないからか、タツツバキ(夏椿)は近くの民家に庭にはかなり植えられている。
秋から冬に見られるナツツバキの実は実に面白い形をしていて、5個の殻に裂開して中から種がでてくる。


 

夏椿/ツバキ科/ナツツバキ属。
日本原産の山に生える落葉高木。別名シャラノキ(娑羅樹)。
葉は長楕円形で互生し、葉腋に単生する花の花弁は白色の5枚で、基部で合着する。落葉後も果実は枝に残る。
名前の由来:夏に椿に似た花を咲かせるところからこの名が付いた。
花期:6~8月。
(多摩丘陵)
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マタタビ

2008-06-28 00:33:27 | 樹木
高尾山を歩くと、マタタビ(木天蓼、「もくてんりょう」とも読むようだ)の一部が白く変色した葉がいたる所で目立つ時期である。
しかし、たいていは遠くの高い木に巻きついていて、じっくり観察ができないことが多い。
南高尾で手の届く所に、数本生えているのが確認できていたので、花の咲いている頃だろうと行ってみた。
咲いている花はほとんどが雄花であるが、わずかだが雄しべの中央から雌しべがのぞいている両性花が見つかった。
むかしから「猫にマタタビ」と言われてきた樹木で、猫はマタタビの臭いで恍惚の世界に入ると言う。
猫だけでなく、ライオン、トラなどもマタタビに酔うようだが、猛獣にマタタビの効力を試す機会はない。
寅太はマタタビには反応せず、酔うのはアルコール類である。

 
(杉に巻きついた白い葉、城山湖と奥は八王子市街)

 
(マタタビの雄花と、右は雌しべを持った両性花)

又旅、木天蓼/マタタビ科/マタタビ属。
山地に生える落葉つる性植物。
葉は有柄の卵形から楕円形で互生し、蔓の先端部の葉は花期に葉緑素が抜けて白化する。
花は白色の5弁花で雄花の咲く雄株と、雌花および両性花の咲く雌株がある。
果実は長さが約3cmの長楕円形で先が尖り、秋に黄緑色に熟す。
名前の由来:疲れた時に甘い果実を食すると「再び旅ができる」などの説がある。
花期:6~7月。
(南高尾)
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イブキジャコウソウ

2008-06-27 06:45:18 | 山野草
東京都薬用植物園で、イブキトラノオ(伊吹虎の尾)の近くに同じ地名が付けたイブキジャコウソウ(伊吹麝香草)が植えてあった。
これも滋賀県の伊吹山に多く生え、見た感じでは草で有るが、植物学的には常緑の小低木のようである。
名前からは高尾山のジャコウソウ(麝香草)を連想するが、花の形や大きさは全く異なる。
(花の色が白いのでシロバナイブキジャコウソウかもしれない)

伊吹麝香草/シソ科/イブキジャコウソウ属。
伊吹山に生える常緑の小低木。
葉は卵形から狭卵形で対生し、紅紫色から淡紅色の唇形花を咲かせる。
名前の由来:滋賀県の伊吹山に多く、よい香りがあることからこの名が付いた。
花期7~8月。
(東京都薬用植物園)
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イブキトラノオ

2008-06-26 05:57:45 | 山野草
滋賀県と岐阜県の境にある伊吹山に見られる虎の尾が、このイブキトラノオ(伊吹虎の尾)である。
トラノオの名前が付いていても、オカトラノオ(岡虎の尾)はサクラソウ科、クガイソウ(九蓋草)の別名のトラノオ(虎の尾)はゴマノハグサ科、そしてイブキトラノオはタデ科である。
イブキトラノオはタデに似た円柱形の花序をしているが、寅太と名乗りながら本物の虎のしっぽはどんな形をしていたか忘れてしまった。
ネットで確認すると、虎のしっぽに近いのは、形はイブキトラノオで曲がり方はオカトラノオのようである。

 

伊吹虎の尾/タデ科/タデ属。
山地などの日当たりのよい草地に生える多年草。
葉は卵状長楕円形から披針形で互生し、葉の基部が茎を包む。
茎頂に円柱形の総状花序をだし、白色から淡紅色の花を咲かせる。
名前の由来:トラノオに似て滋賀県の伊吹山に多く見られることからこの名が付いた。
花期7~8月。
(東京都薬用植物園)
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クガイソウ

2008-06-25 06:14:55 | 山野草

むかし、初夏の頃に近くの野山を歩くと、周りの草から一段高く、青紫色の穂を出しているクガイソウ(九蓋草、九階草)をよく見た。
漢字の「蓋」は現代では難しい文字で、僧侶などに従者がさしかける柄の大きな傘のことで、九蓋よりは九階のほうが理解し易い。
また「九」は数が多いことを現しているが、クガイソウは輪生する葉の段数は9つが多いとのことである。
特に珍しい山野草ではないが、最近は会う機会がなくなった。
高尾山でもこれに似た白いオカトラノオ(岡虎の尾)は目立つが、クガイソウは少ないのだろうか。
今年はじっくり周りを見渡して歩こうと思う。

 
(クガイソウに集まる昆虫たち、右は偶然写っていた)

九蓋草、九階草/ゴマノハグサ科/クガイソウ属。
山地や深山などに生える多年草。別名トラノオ(虎の尾)。
葉は狭楕円状披針形で縁に鋸歯がある。
茎の先端に長い総状花序を出し、淡紫色の花を多数付ける。
名前の由来:葉が4~8枚輪生し、これが九層ぐらいになることからこの名が付いた。
花期7~8月。
(東京都薬用植物園)
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コゴメウツギ

2008-06-24 06:13:55 | 樹木
近くの多摩丘陵にはコゴメウツギ(小米空木)がたくさん生えている。
「ウツギ」の名前が付いているがバラ科の植物で、枝や葉はウツギ(空木)よりもモミジイチゴ(紅葉苺)に似ているように感じる。

 

小米空木/バラ科/コゴメウツギ属。
山地に生えるバラ科の落葉低木。
葉は三角形状広卵形で互生する。枝の先または葉の脇から円錐状または散房状の花序を出し小さな白い花を付ける。
名前の由来:ウツギに似た小さな白い花を小米にみたてこの名が付いた。
花期:5~6月。
(多摩丘陵)
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ニワナナカマド

2008-06-23 11:09:47 | 樹木
近くの民家に庭に植えてあるが、葉の形からはナナカマド(七竈)と思っていたが、他のナナカマドの花が終わっているのにいっこうに咲かない。
遅れて花序を出したが、ナナカマドと違って円錐花序である。
これがチンシバイ(珍珠梅)の別名を持つニワナナカマド(庭七竈)らしい。
よく似た樹木にホザキナナカマド(穂咲七竈)があり、樹高が高いことと、小葉の先端が尾状に長く伸びることが相違点のようであるが、ここまで分類できる力はない。


庭七竈/バラ科/ホザキナナカマド属。
丘陵t地に生える落葉低木。別名チンシバイ(珍珠梅)。
葉は奇数羽状複葉で披針形の小葉が7~11対付く。初夏に円錐花序を出し白い花を多数咲かせる。
名前の由来:ナナカマドに似て、主に庭に植えられることからこの名が付いた。
花期:6~7月。
(多摩丘陵)

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ベニバナ

2008-06-22 06:47:40 | 山野草
きのうは朝まで雨が降っていたが、昼前にはどうやら上がった。
一日得した気分になり、見ておきたい花があったので久しぶりに薬用植物園を訪れた。
目当ての花は源氏物語でスエツムハナ(末摘花)で知られたベニバナ(紅花)である。
綺麗な鮮黄色からほとんどの花が紅黄色に変わっているが、蕾から花の変化が観察できる面白さがある。
この植物園でケシ(芥子)に次ぐ栽培面積を持つ重要な花だけに、来年を待つことなく十分に堪能できた。

ベニバナは山形県の県花として知られているが、化学染料の普及などで紅花生産は急速に衰退し、現在では紅花染めや観光用などにわずかに栽培される程度と言われる。

 

 

紅花/キク科/ベニバナ属。
地中海沿岸などを原産地とし、日本にはシルクロードを経て渡来したキク科の一年草または越年草。別名スエツムハナ(末摘花)。
葉は長楕円形から広披針形で鋭い鋸歯があり、鮮黄色から紅黄色の変わる花を咲かせる。古くから油料、染料、口紅などに利用されてきた。
名前の由来: 紅色をした花の色からこの名が付いた。
花期:5~6月。
(東京都薬用植物園)
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ノアザミ

2008-06-21 06:52:05 | 山野草
アザミの仲間はいろいろあって分類が難しい。
高尾山のガイドブックに春先から初夏に咲くアザミはノアザミ(野薊)しかないと書かれている。
このアザミによく似たノハラアザミ(野原薊)は総苞片がやや反り返り、触っても粘らない。
鋭い刺に圧倒されて、確認するのを忘れてしまった。次回には刺に注意し触ってみよう。

野薊/キク科/アザミ属。
野山で咲く多年草。
葉は互生し鋭く裂け、葉の真ん中には白い筋模様が入り先が鋭く尖る。赤紫色の花を包む総苞片は反り返らず、粘液をだしてべたつく。
名前の由来:野に咲くアザミからこの名が付いた。
花期:5~9月。
(高尾山)
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