むかしからジュニキランソウ(十二金瘡小草)の名前は知っていたが、数日前に花の色と付き方はキランソウ(金瘡小草)、茎の立ち上がった様子はジュウニヒトエ(十二単)の特徴を持った個体に出会った。十二金瘡小草/シソ科/キランソウ属。ジュウニヒトエとキランソウの自然交雑種。葉は長楕円形で鋸歯があり、裏面には毛が生える。茎は斜めに立ち上がり、花は茎の上部の葉腋に数段付け、長さ約1cmの紫色の唇形花を数個付ける。名前の由来:ジュウニヒトエとキランソウからこの名が付いた。花期:3~5月。(多摩丘陵)【山野草の索引(2)へ】
ガンクビソウ(雁首草)の変種のノッポロガンクビソウ(野幌雁首草)はノーマークだった。名前のノッポロは札幌郊外の現江別市野幌のことである。幕末の戊辰戦争で敗れた長岡藩は極度に困窮し、北越殖民社を設立して北海道の原野の開拓をはじめた。昨年「北海道越後村開拓団北越殖民社設立150周年記念式典」があり、長岡からは旧長岡藩主牧野忠昌さまが出席され、開拓団の末裔と交流された。野幌雁首草/キク科/ヤブタバコ属。山地の木陰に生える多年草。下部および中部の葉は広卵形で、上部の葉はしだいに小型となり広披針形となる。頭花は上部の枝に頂生し、総苞は半球形。名前の由来:ガンクビソウの変種で、北海道の野幌で見つかったのでこの名が付いた。花期:8~10月。(高尾山)【山野草の索引(2)へ】
1週間ほど前にに多摩丘陵で、ヤマホオズキ(山酸漿)に似た果実を付けた植物に出会った。調べると帰化植物のセンナリホオズキ(千成酸漿)で、その数日後に津久井湖畔でたくさんのセンナリホオズキを見つけた。果実はヤマホオズキより一回り大きく、花の中心部に黒紫色の斑紋がある。千成酸漿/ナス科/ホオズキ属。熱帯アメリカ原産の1年草で、空き地や畑などに自生する。葉は卵形~広卵形で荒い鋸歯がある。葉腋から花柄をだし淡黄色の花を1個下向きに付ける。花冠は先がわずかに5裂し、中心部には黒紫色の斑紋がある。萼は短筒状で花後に果実を包んで袋状になる。名前の由来:ホオズキに比べ果実がたくさんなることからこの名が付いた。花期:7~10月。(津久井湖畔)【山野草の索引(2)へ】
群生する 淡紅紫色の花を付けたキツネノマゴ(狐の孫)の中に、何本もの白い花を見つけた。調べるとシロバナキツネノマゴ(白花狐の孫)で登録されていることがわかった。白花狐の孫/キツネノマゴ科/キツネノマゴ属。野原や道端に生える一年草。キツネノマゴの白い花をつける変種。名前の由来:白い花が付くキツネノマゴの変種からこの名がついた。花期:8~10月。(高尾山)【山野草の索引(2)へ】
ガガイモの花は普通淡いピンク色であるが、今年はやけに白いガガイモ(蘿摩、鏡芋)の花に出会う。調べてみるとシロバナガガイモの名で、正式に登録されていることがわかった。白花蘿摩、白花鏡芋/キョウチクトウ科/ガガイモ属。日当たりのよい山野や道端などに生えるつる性多年草。ガガイモの白花品種。花期:6~9月。(多摩丘陵)【山野草の索引(2)へ】
周りの草に埋もれそうに小さいクワガタソウ(鍬形草)に似た花を見つけた。調べるとヨーロッパ原産で日本に帰化したコテングクワガタ(小天狗鍬形)である。亜種に全体に大型で花軸や花柄に長い腺毛があるテングクワガタ(天狗鍬形)がある が、まだ出会ったことがない。小天狗鍬形/ゴマノハグサ科/クワガタソウ属。ヨーロッパ原産で、やや湿った道端や芝生に生える多年草。茎は分枝し上向きの短毛がある。葉は披針形~卵形で互生し、縁にごく浅い鋸歯がある。茎の上部に総状花序を付け、花冠は深く4裂し、白色に淡青紫色の条線がある。花期:5~8月。(多摩丘陵)【山野草の索引(2)へ】
子供のころにサツマイモ(薩摩芋)の花を見た記憶がある。そんなことから畑にサツマイモが植えてあると、自然に花がないか観察する習慣になっている。先日多摩丘陵で数個の花があるのを見つけた。ネットによれば日本では通常の条件では開花はなく、気温、養分や日照などさまざまな条件を満たさないと開花しないため、熱帯・亜熱帯地域以外で花が咲くのは非常に珍しいとある。今年は裏高尾でサトイモ科のコンニャク(蒟蒻)の花を見ているので、子供のころに見たので残すはサトイモ(里芋)の花である。薩摩芋/ヒルガオ科/サツマイモ属。中央アメリカ原産の蔓性植物で、塊根を食用にするのに栽培する。別名カンショ(甘藷)。名前の由来:薩摩国(現・鹿児島県)に伝わったことからこの名が付いた。花期:8~9月。(多摩丘陵)【山野草の索引(2)へ】
高尾山の麓でツユクサ(露草)に似ているが、花の直径が半分くらいの植物に出会った。調べると西日本に多く帰化しているマルバツユクサ(丸葉露草)と判明した。出会ったのは曇りの日の11時過ぎで、午後2時前には花は閉じていた。快晴の翌日同じ時刻に行ったら花は開花せず、翌々日にはまた開花していた。謎を持った不思議な植物である。高尾山で外国人に会うことは多いが、この植物も山を登りはじめるのであろうか。
(左の画像はマルバツユクサで、右の画像はツユクサと花の大きさ比較)