高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

ツバメオモトの果実

2011-09-30 03:02:00 | 山野草
鹿沢園地で秋の花を楽しんだ後で、となりの針葉樹林に入ると、濃藍色の可愛い実の植物に出会った。葉はオモト(万年青)のように幅広である。
帰って調べると、やはりツバメオモト(燕万年青)であった。名前の由来となる濃藍色の果実に出会えたのは幸運である。


(濃藍色の果実がツバメに似ることからツバメオモト)

燕万年青/ユリ科/ツバメオモト属。
亜高山帯の針葉樹林内に生える多年草。
葉は倒卵状長楕円形で、下部に重なり合って付き、肉質が厚く、縁に軟毛がある。散房状総状花序に白色の花が数個付く。果実は球形の液果で、初め濃藍色で熟すると黒色となる。
名前の由来:葉が観葉植物のオモトに似て、濃藍色の果実を燕の頭に見立てこの名が付いた。
花期:5~7月。
(鹿沢園地)
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アオイロフジバカマ

2011-09-29 01:23:33 | 山野草
アオイロフジガカマ(青色藤袴)は、淡い青色の花が優しい感じで、近所の庭でよく見かけるようになった。軽井沢の植物園にもあったが、秋の七草のフジバカマ(藤袴)に劣らない和風の雰囲気を持っている。


(和風の雰囲気を持つアオイロフジガカマ

 

青色藤袴/キク科/ヒヨドリバナ属。
米国とヨーロッパ原産で奈良時代に渡来した多年草。別名ユーパトリウム、セイヨウフジバカマ(西洋藤袴)など。
葉は卵形で対生し、縁には粗い鋸歯がある。淡い青色の小花を多数咲かせる。
名前の由来:花の色が青色で、花の形がフジバカマに似ているところからこの名が付いた。
花期:6~9月。
(軽井沢町植物園)
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ウスユキソウ

2011-09-28 05:38:22 | 山野草
秋の池の平湿原には、ヤマハハコ(山母子)と、これに似た白いウスユキソウ(薄雪草)がかなり生えていた。
先日、富士山に初冠雪があったので、あと1か月もすれば、ウスユキソウも雪に埋もれるのであろう。


(薄く雪が積もったようなのでウスユキソウ)

 

薄雪草/キク科/ウスユキソウ属。
山地の岩場や草原に生える多年草。
葉は披針形で、表面は緑色で多少綿毛があり、裏面は綿毛を密生する。白い苞葉の上に灰白色の頭花を付ける。
名前の由来:淡い白色の苞葉を薄く積もった雪にたとえこの名が付いた。
花期:7~9月。
(池の平湿原)
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モウセンゴケ

2011-09-27 05:05:04 | 山野草
モウセン(毛氈)とは難しい言葉であるが、獣毛をフェルト化した敷物の一種である。戊辰戦争で会津藩が敗れたとき、緋毛氈の上で降伏の儀式が行われ、藩士はこの日を忘れないように、緋毛氈を小片に刻み持ち帰ったといわれる。
草津白根山の弓池は、白根山の火口湖の一つであるが、モウセンゴケ(毛氈苔)などの湿性植物が生えていた。


(毛氈のように見えることからモウセンゴケ)

  
(残念ながら花は終わっている)

毛氈苔/モウセンゴケ科/モウセンゴケ属。
高山帯の日当たりのよい湿原に生える多年草。食虫植物。
葉はロゼット状に根生し、倒卵状円形で、多数の紅紫色の長い腺毛が生え、その先から粘液を出し虫を捕える。総状花序に5弁の白い花を付ける。
名前の由来:真っ赤な線毛が密生し、コケのように群生している様子が、毛氈のように見えることからこの名が付いた。
花期:6~8月。
(草津白根山弓池)
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アサマフウロ

2011-09-26 08:56:47 | 山野草
浅間山の周辺にきているのであるから、代表的な植物はアサマフウロ(浅間風露)である。池の平湿原にはかなり生えていた。

 

浅間風露/フウロソウ科/フウロソウ属。
湿り気のある高原の草地に生える多年草。
葉は掌状に深裂し、裂片はさらに細裂する。花は濃い紅紫色で、花弁と萼片は5枚で、花後にできる実はさく果である。
名前の由来:浅間高原に多く生えていることからこの名が付いた。
花期:8~9月。
(池の平湿原)
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コケモモの実

2011-09-25 05:03:58 | 樹木
湿原の岩場で、丸く赤い球形の可愛い実を見つけた。見るのが初めてでも、赤い実の形から、高山帯に生えるコケモモ(苔桃)だとわかる。熟した実は食べられるというが、近くには猛毒のヤマトリカブト(山鳥兜)も生えているので、口に入れる勇気はない。
隣によく似た赤い実で、切れ込みのある実を見つけた。これは調べるとイワハゼ(岩櫨:別名アカモノ)のようである。そしてコケモモの赤い実と並んでいる白い実は、シラタマノキ(白玉の木:別名シロモノ)である。アカモノ、シロモノの紅白が並んだところで、最後に見つけた黒い実はガンコウラン(岩高蘭)であった。


(可愛いコケモモの実)

 

 
(赤い実はイワハゼ)         (白はシラタマノキ)


(黒い実はガンコウラン)

苔桃/ツツジ科/スノキ属。
高山帯の林内に生えるツツジ科の常緑小低木。
茎は地面を這い、細かく枝分かれする。枝先に白色または淡紅色の花を下向きに数個付ける。葉は楕円形で厚く、光沢があり全縁で互生する。花冠は鐘形で先は浅く4裂し、裂片の先は外側にやや反り返る。
名前の由来:小さな姿を苔に、丸く赤い実を桃に見立てこの名が付いた。
花期:8~9月。
(池の平湿原)
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イワインチン

2011-09-24 06:46:57 | 山野草
名前を聞いても、もう一度訪ねるような面白い名前の植物に出会った。黄色の花でイワインチン(岩茵蔯)である。高山の岩場に自生し、カワラヨモギ(河原艾:別名インチンヨモギ)に似ているので、イワインチン(岩茵蔯)の名が付いたというのである。カワラヨモギは薬用になり、生薬名はインチンコウ(茵蔯蒿)というらしい。
秋の池の平湿原で群生しているのは、濃青紫色はエゾリンドウ(蝦夷竜胆)、白はヤマハハコ(山母子)、そして黄色のイワインチンが代表的な植物である。

 
(葉はカワラヨモギに似る)

岩茵蔯/キク科/キク属。
高山帯のた草地に生える多年草。
葉は羽状に深裂し、裂片は線形になる。葉裏には銀白色の綿毛を密生する。茎の上部に黄色の頭花を散房状に付ける。
名前の由来:カワラヨモギ(河原艾:別名インチンヨモギ)に似て、岩場に生えるのでこの名が付いた。
花期:8~9月。
(池の平)
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シャジクソウ

2011-09-23 06:10:42 | 山野草
前回のトモエシオガマ(巴塩竃)に、花の色が似ているが、花は巴状ではなく扇状に付いている。花の形が車軸に似ているから、この名前が付いたと思ったら、放射状に並んだ小葉から名前が付いたようである。
残念ながら花にカメラが向いて、小葉には関心がなく写していない。


(トモエシオガマと同じ花の色)

 

車軸草/マメ科/シャジクソウ属。
高原の草地などに生える多年草。
葉が3~5枚の小葉からなる掌状複葉で、葉柄が短い。頭状花序に淡紅ないし紅紫色の蝶形花を付ける。
名前の由来:小葉が車輪のように輪生していることからこの名が付いた。
花期:6~9月。
(鹿沢園地)
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トモエシオガマ

2011-09-22 06:03:23 | 山野草
ねじれたこの花を見た時に、名前に「トモエ(巴)」が付くと思った。今年は高尾でトモエソウ(巴草)に出会っているので予備知識があった。
名前はトモエシオガマ(巴塩竃)で、塩竃は塩を煮詰め塩をつくるかまどのことで、塩竃は「浜で美しい」から「葉まで美しい」となったと山渓ハンディ図鑑に載っている。山地に生えるシオガマギク(塩竃菊)はがあるが、シオガマギクは茎の上だけでなく葉腋まで花が付き、トモエシオガマはこの変種とされる。
きのう大型の台風が本州を縦断し、首都圏の交通機関は大混乱したが、トモエシオガマの渦は台風と同じ左巻きで、トモエソウは右巻きなのも面白い。


(茎の上に花が付き、巴状に花弁が並ぶ)

 

巴塩竃/ゴマノハグサ科/トモエシオガマ属。
高山帯の草地に生える多年草。
葉は三角状披針形で、羽状に浅く切れ込む。花は紅紫色で茎の上に付き、上から見ると花冠が巴状に並ぶ。
名前の由来:花弁が上から見ると巴状に見えることからこの名前が付いた。
花期:7~9月。
(鹿沢園地、池の平湿原)
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エゾリンドウ

2011-09-21 05:13:47 | 山野草
軽井沢町植物園は園芸種もかなり多いが、本日からは高山帯の湿原に自生する植物を中心にとりあげる。
まず最初は上信越高原国立公園の鹿沢(かざわ)園地や池の平湿原に多く生えているエゾリンドウ(蝦夷竜胆)である。上向きに花を付けるが、朝は閉じたままで、日が当たると少しだけ花を開いた。高尾山などで見られるリンドウ(竜胆)とは、花の付き方や花の開き方が違う。また湿原帯にはやや小さな花のオヤマリンドウ(御山竜胆)が生えているというが、見分けることはできなかった。


(数段に濃青紫色の花を付ける)

 
(日が当たると少しだけ花が開く)  (群生したエゾリンドウが見ごろ)

蝦夷竜胆/リンドウ科/リンドウ属。
山地や亜高山帯の湿った草地に生える多年草。
葉は披針形で対生し、茎頂や上部の葉腋に濃青紫色の花を数個づつ付ける。
名前の由来:北海道や本州の中部以北に生えることからこの名が付いた。
花期:9~10月。
(鹿沢園地、池の平湿原)
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