高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

センブリ

2007-10-31 06:42:09 | 山野草
一昨日、富士山麓のムラサキセンブリを取り上げたので、きょうは高尾山のセンブリである。
ジャコウソウアケボノソウと並んでセンブリは、高尾山の特定の場所でしか見られず、可憐なのでカメラ愛好者には人気がある。
いつもは画像を縮小するが、小さくするのが惜しくなり少し大きめにしよう。

 

千振/リンドウ科/センブリ属。
山野の日当たりのよい場所に生えるリンドウ科の2年草。
草丈は5~30cm。茎の断面は四角で直立して分枝し、細長い線形の葉が対生する。花は五弁で白く縦に紫色の線が入る。
名前の由来:煎じて服用ときに、千回振り出してもまだ苦いという意味でこの名が付いた。
花期9~11月。
(高尾山)
【山野草の索引(2)へ】
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イワヒバ

2007-10-30 00:14:37 | 樹木
岩にしがみつくように生え、乾燥すると丸まって水分の蒸発から身を守る術を知っている。
むかしは親父のカミナリにじっと耐える子供のようだと思ったが、最近は女房の小言から身を守る夫のほうがイワヒバに似ているように思える。
丸くなったイワヒバはじっと耐えて水を待っている。



岩檜葉/イワヒバ科/イワヒバ属。
山地や渓流の岩場などに生える常緑性の多年草。
枝は放射状に分枝し、葉も羽状に分かれ、表が濃緑色、裏が淡緑色である。
乾くとくるくると丸まり、水分を与えると再び開く。
名前の由来:岩場に生え外観がヒバの葉に似ていることからこの名が付いた。
【山野草の索引(樹木)へ】
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムラサキセンブリ

2007-10-29 06:39:14 | 山野草
友人のブログに高尾山のセンブリが載ったので、こちらは富士山で出あったムラサキセンブリを取り上げる。
画像を並べると両者はかなり似ていて、ムラサキセンブリだという自信がなくなってくる。
アケボノソウにも負けない可愛い花で、場所によっては絶滅危惧種にも指定されている。この花もだんだん見れなくなるのは残念である。


(富士山山麓に咲くムラサキセンブリ)

 

紫千振/リンドウ科/センブリ属。
日当たりのよい草地に生える2年草。
センブリに似るが、茎は太く、暗紫色を帯びる。葉は線状披針形で対生し、花はセンブリよりは大きく淡紫色で濃紫色の筋が入る。
名前の由来:紫色の花をつけるセンブリからこの名が付いた。
花期:10~11月。
(富士山麓)
【山野草の索引(2)へ】
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハナキリン

2007-10-28 06:40:50 | 樹木
昨夜の台風も去り朝から雲ひとつない良い天気である。きょうは青空のようにぱっとした花を取り上げる。
多摩市のグリーンライブセンターには赤の花が、小平市の薬用植物園には白の綺麗なハナキリンが咲いていた。
すこしのっぺりして花に見えるのが苞で、中央部に小さく密集しているのが本当の花である。
やや多肉質の葉と綺麗な苞の陰に隠れているが、茎には鋭いトゲがあり、うかつに手で触れることを拒んでいる。しかも内部には毒を忍ばせているとのことである。
可愛い花にはトゲがある。

 

花麒麟/トウダイグサ科/ユーフォルビア属。
マダガスカル原産のトウダイグサ科の植物。
茎には刺があり、多くの枝を付ける。葉は長卵形で、赤、黄、白などの総苞を持った花が中央部に密生する。
名前の由来:花茎の形をキリンの首に見立ててこの名が付いた。
花期:6~10月。
(多摩市グリーンライブセンター他)
【山野草の索引(樹木)へ】

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オオモクゲンジ

2007-10-27 06:26:04 | 樹木
1ヶ月ほど前に家の近くで、黄色の花がたくさん咲いた樹木を見つけ、調べたが名前は分からなかった。
今回同じ木を見たら袋果がたくさん付いていた。この季節に高尾山口駅の近くで目立つオオモクゲンジであった。
高尾山では花が分からず、家の近くでは樹木の名前が分からなかったが、やっと両者が結びついた。球形の果実は数珠に使われる。

 
(高尾山の袋果)            (自宅近くの花)

大木欒子/ムクロジ科/モクゲンジ属。
中国原産の落葉高木。
初秋に円錐花序をだし黄色い花を咲かせる。花が終わると袋果が成長し赤く色付く。袋の中には硬い黒い実を付ける。似た仲間にモクゲンジがあるが花期が早いことと、葉がオオモクゲンジは鋸歯がないことで見分けが付く。
名前の由来:ムクロジも中国名である木患子をモクゲンジと読み、モクゲンジより大きいことからこの名が付いた。
花期:8~9月。
(多摩丘陵)
【山野草の索引(樹木)へ】

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セキヤノアキチョウジ

2007-10-26 06:48:17 | 山野草
秋にふさわしい青紫色の優しい花で、イラク特別措置法にも似た長い名前の植物である。
セキヤ(関屋)は関所役人が見張る小屋や関守の住む建物を示す言葉で、この花は箱根の関所の近くに多く咲いていたという。
優しい花だがもの悲しく感じるのはこんなところからくるのだろうか。

 

関屋の秋丁字/シソ科/ヤマハッカ属。
山地に生えるシソ科の多年草。茎は四角形で、柄の短い長楕円形で葉は先が尖り縁に鋸歯があり対生する。長い花茎の先に青紫色の唇形花を付ける。
名前の由来:箱根の関所の番小屋付近に見られ、秋に丁字形の花をつけるところからこの名が付いた。
花期:9~10月。
【山野草の索引へ】
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シコンノボタン

2007-10-25 06:51:33 | 樹木
紫紺の文字は普段は使わないが、高校野球の優勝旗を形容し「紫紺の優勝旗」の表現によく使われる。紫紺色をした鮮やかな花と100円の安さに誘われて園芸店で買った。
一日花だが次々に咲いて充分楽しませてくれる。
冬は室内に入れる予定ではあるが、来年も紫紺の花を咲かせてくれるか少し心配である。

紫紺野牡丹/ノボタン科/ノボタン属。
中南米原産の常緑低木で日本では鉢植えとして出回る。
葉は楕円で対生し、葉や茎が産毛で被われている。花は紫色で五弁で大きな一日花で、オシベが長く飛び出している。
名前の由来:紫紺色をした野に咲くボタンからこの名が付いた。
花期:7~10月。
(寅太の庭)
【山野草の索引(樹木)へ】

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アケボノソウ

2007-10-24 06:50:49 | 山野草
「あけぼの」は文学好きなら清少納言の「春はあけぼの」の枕草子を、スポーツ好きなら横綱曙を思い浮かべる。
あけぼのの心地よい響きと、華麗な花の形からアケボノソウは人気がある。
高尾山でもこの季節になると、数少ないこの花を求めて散策する人も多い。
生えている場所は盗掘を恐れてか、あまり知られていないようだが、それでも近年大幅に減少したといわれる。

 

曙草/リンドウ科/センブリ属。
湿原の周辺などに生える2年草。
1年目は根生葉だけのロゼットで、2年目には地上茎を出して花を咲かせる。
葉身は卵形から披針形で対生し、茎頂や葉腋から花柄をだし白色の花を付ける。
名前の由来:花の色を「明け方の空」(曙)に、花びらにある斑点を星に見立ててこの名が付いた。
花期:9~10月。
(高尾山)
【山野草の索引(2)へ】
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カリガネソウ

2007-10-23 06:57:25 | 山野草
近所の庭先で優雅な花を見つけた。「雁」の文字を古い名前の「かりがね」と読ませて雁草(カリガネソウ)という。
雁(かり)のことを「かりがね」というのは、寅太のホームページの中で、伊那谷の人々が放浪の詩人 「井上井月(いのうえせいげつ)」を偲んで、井月の故郷長岡に向けて建てた歌碑の中に出てくる。
雁がねに忘れぬ空や越の浦(井月)
きょうで中越地震から3年目になるが、幕末の時代に地震で人生が変わった長岡藩士である、井上井月ゆかりの「かりがね」に中越の復興を願う。

 

雁草/クマツヅラ科/カリガネソウ属。
山地の林縁などに生える多年草。別名ホカケソウ(帆掛草)。
茎は四角形で直立し、葉は鋸歯を持った広卵形で対生し、葉腋から長い柄を持った集散る花序を出す。
花冠は5裂し、下の1個が大きく、雄しべは湾曲して長く突き出している。
名前の由来:花の形が雁(かりがね)が首を伸ばし羽を広げた姿に見えることからこの名がついた。
花期:8~10月。
(多摩丘陵)
【山野草の索引(2)へ】
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

富士山とススキ

2007-10-22 06:58:44 | 四季
富士山の初冠雪が伝わってきたが、急に富士の裾野のススキが見たくなった。
幸いにも多摩地方ではきのうから富士山が見えるようになった。
山中湖のインターを降りるときまでは、富士山の頂上付近には雲もなく冠雪が確認できた。裾野に近づくにつれ、雲がでてきたが、秋の陽光を受けたあたり一面はススキの平原である。
この季節の代表的な花は、ヤマラッキョウ、ウメバチソウ、リンドウそしてマツムシソウである。この花が終わる頃には、富士山の裾野にも冬が訪れる。

  
(山中湖インターの富士)   (一面のススキの大平原) 

  
(ススキの向こうに山中湖)    (満開のヤマラッキョウ)

  
(リンドウも満開)            (ヤマトリカブト)

「今回見た山野草」(あいうえお順)
アカツメクサ、アキノキリンソウ、イタドリ、ウメバチソウ、オケラ、オミナエシ、テンニンソウ、ノコンギク、フジアザミ、マツカゼソウ、マツムシソウ、ムラサキセンブリ、ヤマラッキョウ、ヤマトリカブト、ヨモギ、リンドウ、ワレモコウ

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする