遠くから見ると枝の上に雪が積もったように見える樹木がある。高尾山系ではあまり見ないユクノキ(雪の木)で、少しの風で花弁が桜が散るように地面に降りそそぎ、地面が真っ白になっていた。開花するのが数年に一度という神秘的な花で、今年は幸運にも見ることができた。雪の木/マメ科フジキ属山地ににやや稀に自生する落葉高木。別名ミヤマフジキ。葉は奇数羽状複葉で互生し、小葉は4~6対あり互生する。枝先きに長さ15〜30cmの円錐状の花序をだし、白色の蝶形花をつける。名前の由来:「雪の木」がなまってユクノキになったなど諸説ある。花期:6~8月。(高尾山)【山野草の索引(樹木)へ】コメント欄は都合により閉じてます
この樹木に出会ったのは2年以上前の冬であった。青い空に真っ白な実が印象的であった。調べると中国原産のナンキンハゼ(南京櫨)と判明した。南京櫨/トウダイグサ科/ナンキンハゼ属。中国原産の落葉高木。花は雌雄同株。各地で植栽され野生化している。葉は菱形状卵形で互生する。葉の先は尾状に長くとがり、基部は広いくさび形または切形で縁は全縁。雌雄同株で付け根の方に数個の雌花、先の方に多数の雄花が付く。実はさく果で、緑の実が熟すと茶色になり、はぜて白い実が現れる。名前の由来:中国原産のハゼからこの名が付いた。花期:7~8月。(多摩丘陵)【山野草の索引(樹木)へ】
盆栽の材料として馴染みが深い樹木であるが、多摩丘陵の一角に生えているのを見つけた。
小葉の髄菜/ズイナ科/ズイナ属。北米原産の落葉性低木。日本には明治時代に渡来し、庭木や盆栽、生け花の花材として利用される。葉は互生し倒卵状長楕円形〜楕円形。枝先に総状花序を出し、小さな花を多数付ける。名前の由来:日本に自生しているズイナより葉が小さいことからこの名が付いた。花期:5~6月。(多摩丘陵)【山野草の索引(樹木)へ】
小葉の髄菜/ズイナ科/ズイナ属。北米原産の落葉性低木。日本には明治時代に渡来し、庭木や盆栽、生け花の花材として利用される。葉は互生し倒卵状長楕円形〜楕円形。枝先に総状花序を出し、小さな花を多数付ける。名前の由来:日本に自生しているズイナより葉が小さいことからこの名が付いた。花期:5~6月。(多摩丘陵)【山野草の索引(樹木)へ】
以前から赤い実を持つウメモドキ(梅擬)は知っていたが、クロウメモドキ(黒梅擬)の存在を知ったのは、つい最近のことである。黒い実は比較的容易に見つかるが、葉と同色の花を探すのには苦労した。(新型コロナウイルスの外出自粛により2か月ほど投稿が遅れた)黒梅擬/クロウメモドキ科/クロウメモドキ属。山地に生える落葉低木。雌雄異株。多数の枝を出し、短い枝はとげになる。葉は鋸歯を持ち広倒卵形ないし狭倒卵形で柄があり、対生または少しずれて付く。雄花には4本のおしべ、雌花には1本のめしべがある。秋に黒熟する果実は球状で内に1〜3個の小核がある。名前の由来:実が赤いウメモドキに似て、実が黒いことからこの名が付いた。花期:4~5月。(高尾山)【山野草の索引(樹木)へ】
3年前にイチジクの仲間のイタビカズラ(崖石榴)を載せたが、今年の秋にオオイタビ(大崖石榴)に出会った。かなり熟したと思い現地にでかけると、蔓に付いている実が少なくなり、根元を見ると紫色の実がたくさん落ちていた。実を割ると雄花序であることが確認できた。雌花序の果嚢は甘く食べられるが雄果嚢は食べられないとのことである。
(右は熟して落ちたオオイタビの実、葉の裏は葉脈が浮き出ている)
大崖石榴/クワ科/イチジク属。千葉県以西から沖縄の林縁に生える常緑つる性木本。雌雄別株。茎から出る気根で固着しながら木や岩に這い登る。葉は互生し楕円形または広楕円形で先端は鈍く、基部は円形で全縁。葉腋に花嚢を1個付け、花は花嚢の内側に付き、花が見あたらないまま果実が熟す。花後に花嚢は果嚢(果実)となる。名前の由来:イタビカズラに似て大型であることからこの名が付いた。花期:5~7月。(高尾山)【山野草の索引(樹木)へ】
ウメの木に橙赤色の種子がたくさん覗いている蔓性の樹木を見つけた。いつも通っているところで、今まで気が付かなかった。蔓柾/ニシキギ科/ニシキギ属。林内に生える常緑つる性木本。気根を出して、地表を這うか他のものによじ登る。葉は対生ときに輪生や互生する。葉腋に集散花序は径0.5cmほどの淡い緑色4弁花。果実は蒴果で割れると橙赤色の仮種皮を持つ種子が現れる。名前の由来:蔓性でマサキ(柾)に似ていることからこの名が付いた。花期:6~7月。(高尾山)【山野草の索引(樹木)へ】
この季節にモミなどの針葉樹の下を通ると、マツグミ(松茱萸)の細長い赤い花が落ちてることがある。 ヤドリギ(宿木)は落葉樹に寄生するので落葉樹の葉が落ちると目立つが、マツグミは高い常緑樹に寄生するので、下からではなかなか見つからない。松茱萸/オオバヤドリギ科/マツグミ属針葉樹に半寄生性の常緑低木。マツ、モミ、ツガなどの針葉樹に寄生。葉は樹皮は薄く剥け滑らかで茶褐色。葉は倒披針形で全縁で対生。枝の脇に短い集散花序を出し、数個の花をつける。花は筒状で赤く先端は4裂し反り返る。果実は液果で翌年の春に赤く熟し、白色の種子を1個生じる。名前の由来:マツに寄生し果実がグミに似ていることからこの名が付いた。花期:7~8月(高尾山)【山野草の索引(樹木)へ】
高尾山にある神社の参道近くに、サカキ(榊)があると友人から教わった。東日本ではヒサカキ(姫榊)が多いので、よく通るところであるが今まで気が付かなかった。よく見ると葉に鋸歯がなく、花も白くてはるかに大きい。榊/ツバキ科/サカキ属。山地に生えるツバキ科の常緑小高木。別名ホンサカキ、マサカキ。葉は長楕円形の濃緑色で光沢をもち、縁に鋸歯がない。葉腋に径約1cmの黄白色5弁花を1~3個つける。名前の由来:「神と人間の境界にある木→境の木」、「常に葉が緑で栄える→栄える木」などの諸説がある。花期:6~7月。(高尾山)【山野草の索引(樹木)へ】
新潟ではよく見たツクバネ(衝羽根)であるが、東京ではなかなか見る機会がない。昨年ツクバネの果実を見たが、今年は雄花と雌花に出会うことができた。衝羽根/ビャクダン科/ツクバネ属。
山地の林下や林縁に生える半寄生の落葉低木。雌雄異株。
葉は長卵形または卵状披針形で対生する。枝先に小さな花を付け、果実は堅果で基部に葉状の長い苞が4枚ある。スギ、ヒノキ、モミ、アセビ、ヒノキなどに寄生する。
名前の由来:羽根突きの羽に似ていることからこの名が付いた。
花期:5~6月。
(山梨県)
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山地の林下や林縁に生える半寄生の落葉低木。雌雄異株。
葉は長卵形または卵状披針形で対生する。枝先に小さな花を付け、果実は堅果で基部に葉状の長い苞が4枚ある。スギ、ヒノキ、モミ、アセビ、ヒノキなどに寄生する。
名前の由来:羽根突きの羽に似ていることからこの名が付いた。
花期:5~6月。
(山梨県)
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高尾の名前が付いた植物はかなりあるが、多摩が付いた植物はタマノカンアオイ(多摩の寒葵)しか知らない。
先日、小山内裏(おやまだいり)公園でタマノホシザクラ(多摩の星桜)に出合った。多摩の星桜/バラ科/サクラ属。
多摩丘陵で発見され、2004年4月に新種と認定された桜。マメザクラとエドヒガンの雑種。
名前の由来:多摩丘陵で発見され、萼片が星形に見えることからこの名が付いた。
花期:3~4月。
(多摩丘陵)
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先日、小山内裏(おやまだいり)公園でタマノホシザクラ(多摩の星桜)に出合った。多摩の星桜/バラ科/サクラ属。
多摩丘陵で発見され、2004年4月に新種と認定された桜。マメザクラとエドヒガンの雑種。
名前の由来:多摩丘陵で発見され、萼片が星形に見えることからこの名が付いた。
花期:3~4月。
(多摩丘陵)
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