高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

トキリマメ

2009-09-20 00:19:38 | 山野草
きのうの信徳さんのヤブタバコ(藪煙草)のコメントに、タバコの葉を見たことがないとあった。戦後は水が引けない畑には、主食の米の代わりにサツマイモ(薩摩芋)を作ることが多かった。
やがて少し先の農業を勉強した農家では、サツマイモから転作してタバコをつくるようになった。ヒマワリと同じくらいの大きさの幹から、30cm位の葉を1枚1枚切り取って、縄に葉柄に通して吊り下げ、鳴子のようにして乾燥させた。田圃に並んだハサ木と同じように、こんな田舎の光景を思い出す。

さて話は変わって、赤い鞘が割れて中から黒い豆がのぞいたトキリマメ(吐切豆)の実は、2年も前に撮っているが、花には縁がなかったようである。やっと出会えて撮っても、黄色の花になかなかピントが合わない。
このままだと数年先になる恐れがあり、今回思い切って登場させることにした。
花や実がそっくりなタンキリマメ(痰切豆)があるが、下段の画像のように、小葉が卵形で先端が細く尖ることで見分けることができる。

 
(トキリマメは小葉が卵形で先端が尖るがタンキリマメは尖らない)

吐切豆/マメ科/タンキリマメ属。
山野の林縁に生えるマメ科の蔓性多年草。別名オオバタンキリマメ(大葉痰切豆)。
葉は3小葉からなり、小葉は卵形で薄く先端が細く尖る。夏に葉腋より短い花序を出し、多数の蝶形の黄色い花を付ける。豆果は扁平な楕円形で熟すと赤熟して裂開し、黒い光沢のある2個の種子が現れる。
花期6~9月。
(高尾山)
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ヤブタバコ

2009-09-19 07:08:53 | 山野草

ヤブタバコ(藪煙草)は高尾山を歩けば何処でも見れる越年草だが、このブログではまだ取り上げてなかった。ガンクビソウ(雁首草)と花の形が似ているので、すでに載せたものと勘違いしたようである。
越年草は根生葉で冬を越すものが多いが、ヤブタバコの根生葉は花期には枯れてなくなる。この根生葉や下部に付く葉が、タバコ(煙草)の葉に似ていることから、タバコと命名したのであろうが、枝に直角に付く花もキセルの雁首に似ているから、これも理由の一つであろう。
高尾ではかなり大きく放射状に広がったヤブタバコを見かけるが、自宅で育てたら大変なことになりそうである。

 
(枝は放射状に大きく広がる)

藪煙草/キク科/ヤブタバコ属。
藪地や林縁などに生える越年草。
上部の枝は放射状に横に長く分枝する。下部の葉は、広楕円形から長楕円形で、薄くて両面とも短毛が生え、上部の葉は長楕円形で、上に行くほど小さくなる。枝の葉腋に先の細くなった筒状花を1個づつ下向きに付ける。
名前の由来:やぶ地に生え根生葉や下部に付く葉が、タバコの葉に似ているのでこの名が付いた。
花期:9~10月。
(高尾山)
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コクサギの果実

2009-09-18 09:50:12 | 山野草
日影川沿いの林道脇に生えている木に、春先に淡い黄色の花が咲いていた。いまは面白い形をした果実が、たくさんなっている。いつも一緒に高尾を歩く友人が、名前を調べるために1個持ち帰った。
コクサギ(小臭木)らしいとメールがあり、しかも種子が爆発(少し大げさか)したと知らせてきた。
ネットによれば、果実は黄色になるとはじけて、黒い種を遠くに飛ばすようである。
種子を飛ばす植物では、ゲンノショウコ(現の証拠)ツリフネソウ(釣舟草)も面白いが、それにも劣らない方法で種子を飛ばす、植物の知恵に興味が沸く。
クサギ(臭木)より小さいことからコクサギであるが、クサギがクマツヅラ科なのに、こちらはミカン科で異なる。この植物は葉がダニ類を寄せ付けないなど、古くからの利用価値もいろいろあるようだ。

 
(右は5月のコクサギの開花)

小臭木/ミカン科/コクサギ属。
山野の林下や谷間などに生える落葉低木。雌雄異株。
葉は楕円形から倒卵形で光沢があり柔らかく、葉縁は全縁で互生する。春先に黄緑色の小花をつけ、花後の果実は4つまたは3つにわかれる。果実が完全に乾燥すると破裂し、中から黒い種子が飛び出す。
名前の由来:臭気があり、クサギより小さいことからこの名が付いた。
花期:4~5月。
(裏高尾)
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高尾の森の刺客

2009-09-17 10:27:06 | 四季

昨日は長く続いた自民党政権が終止符をうち、民主党政権が誕生した歴史的な一日になった。

さて先日、高尾山を歩いていたが、自然界でも生き残ることの厳しさを見た。咲き始めたオトコエシ(男郎花)の花から花へ、
優雅に飛び回るミドリヒョウモン(緑豹紋)を追っていた時のできごとである。
花が一瞬揺れ、蝶が飛びたったので、何事が起こったのか蝶がいたところを見ると、何と大きなカマキリがいるではないか。先ほどまではカマキリが潜んでいたのを、全く気付かなかったが、後で画像を確認すると大変なことが起こっていた。
ミドリヒョウモンも危険を察したのか、その場から遠くに飛び立ち、ふたたび戻ってくることはなかった。三角頭のカマキリが頭だけかくして(尻かくさず)潜んでいたり、そろりそろりと近づき、一瞬にして襲い掛かるところなど、高尾で生きることの厳しさを見た。


(花から花へ優雅に遊ぶミドリヒョウモン)

 
(刺客は頭をかくして)     (そして狙いを定める)

 
(そろりそろり刺客が接近) (呼吸を整えタイミングを待つ)

 
(ついに本性剥き出し)    (そして悔しがる刺客)

(高尾山)
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ナンバンギセルの群生

2009-09-16 00:54:42 | 四季

昭和記念公園にナンバンギセル(南蛮煙管)の群生が出現したと、以前テレビで放映していたが、一昨日立川に用事ができたので、これ幸いと立ち寄った。ナンバンギセルは草木園の一角にあり、園でも立札を立てて案内をしていた。
じつは2週間程前に、友達から群生の画像を入手していたのだが、今回訪れた時は、ほぼ花の終わりに近い状態であった。


(友人okbさんが撮った2週間前のナンバンギセル)

 
(9月14日、終わりが近いナンバンギセル)

(国立昭和記念公園)
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マタタビの果実

2009-09-15 09:26:10 | 樹木

高尾山でマタタビ(又旅、木天蓼)の木の下を通ったら、たくさんの果実が落ちていた。でも全てがゴツゴツした「かぼちゃ型」で、果実に虫が産卵してできた虫えい果である。
正常な果実の形は「ドングリ型」であるが、高尾の近辺で探してもなかなか見つからない。
昔から虫えい果は、木天寥(もくてんりょう)と呼ばれ漢方で利用されてきた。マタタビの名前の由来に、疲れた旅人が、マタタビの果実を食べたところ、再び旅を続けることができ、「又旅」と付けられたという説もあるので、マタタビを食べてみたいが、この虫えい果だけは遠慮したい。


(やっと見つけたドングリ型の正常な果実)

 
(木にあるのも、道に落ちてるのもカボチャ型の虫えい果)

 
2009.9.14、南高尾のマタタビの画像追加)

又旅、木天蓼/マタタビ科/マタタビ属。
山地に生える落葉つる性植物。
葉は有柄の卵形から楕円形で互生し、蔓の先端部の葉は花期に葉緑素が抜けて白化する。花は白色の5弁花で雄花の咲く雄株と、雌花および両性花の咲く雌株がある。
果実は長さが約3cmの長楕円形で先が尖り、秋に黄緑色に熟す。
名前の由来:疲れた時に甘い果実を食すると「再び旅ができる」などの説がある。
花期:6~7月。
(高尾山)
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オオニシキソウ

2009-09-14 07:04:39 | 山野草

いつも行くKカントリークラブの、ティグランド脇の傾斜地に生えていたのが、オオニシキソウ(大錦草)である。この斜面は春から数回草狩りが行われているので、かなりの 繁殖力を持った植物なのであろう。
見るのは初めてで、名前がなかなかわからなかった。この仲間にはコニシキソウ(小錦草)、ニシキソウ(錦草)などがあるが、大きいことからオオニシキソウである。
茎の先端に花が付くのは普通のことだが、茎の分かれ目から一輪だけ花が付くところが面白い。


(ゴルフ場の斜面で)

大錦草/トウダイグサ科/ニシキソウ属。多年草。
北アメリカ原産の帰化植物で各地に生えている1年草。
葉は長楕円形で縁に鋸歯があり対生する。枝先や枝の分かれ目に小さな花が付く。花びらのように見えるのは発達した腺体の付属体で、白または赤みをおびる。
名前の由来:同属のコニシキソウにくらべてより大型なのでこの名が付けられた。
花期6~10月。
(KカントリーC)
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ツルハナナス

2009-09-13 00:40:17 | 樹木
民家の垣根越しに、ナス(茄子)に似た白と薄紫の花をたくさん付けた蔓性植物をよく見る。
園芸店では「ヤマホロシ(山保呂志)」の名で売っているが、草本のヤマホロシと違いこれはツルハナナス(蔓花茄子)である。花期も長く、花色は時間の経過とともに薄紫から白に変化する。
山野草のヤマホロシは花冠が開くと後ろに反り返り、赤い実がなることでも異なる。

 
右は9月22日に八王子城の近くで見た白の種類)

南米原産のナス科の蔓性常緑低木。別名ヤマホロシ(山保呂志)。
枝はよく分岐し、葉は楕円形である。星形の花を付け、花色は薄紫から白に変化する。ナス属植物によく見られるトゲはなく、実もできないが挿し木で繁殖は可能である。
名前の由来:蔓性の植物でナスに似た花をたくさん付けるからこの名が付いた。
花期:6~9月。
(多摩丘陵)
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ミツバフウロ

2009-09-12 00:32:37 | 山野草
高尾山には、白色と赤紫色のゲンノショウコ(現の証拠)が生えているのは知っているが、ゲンノショウコに見られる毛が、ほとんど付いてない種類があるようである。
今まで見落していたようで、今回はじっくり見て回ったら、確かに存在する。
このミツバフウロ(三葉風露)は、ゲンノショウコのように大地を這わないで、どちらかと言えば立ち上がる傾向がある植物で、茎や蕾に毛がないことで見分けられた。

 
(左は毛がないが、右のゲンノショウコには毛が多い)

三葉風露/フウロソウ科/フウロソウ属。
山地の林下に生える多年草。別名フシダカフウロ(節高風露)。
葉は長柄があり3~5裂し、裂片は菱形で先端は尖る。縁には粗い鋸歯があり、花は淡紅紫色で濃い筋が入る。
名前の由来:フウロソウの仲間で、葉が3つに分かれることからこの名が付いた。
花期:8~10月。
(高尾山)
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カラスノゴマ

2009-09-11 06:26:54 | 山野草
この季節には毎年歩いている裏高尾の道脇の草原に、大きな黄色い花を見つけた。花の大きさと色からクサノオウ(草の黄)かと思ったが、良く見るとクサノオウの4弁花ではなく、5弁の初めて見る植物であった。
名前が出てくるまでに少々苦労し、やっと図書館の本で名が判明したが、これはシナノキ科の1年草で、カラスノゴマ(烏の胡麻)である。
犬や烏の名前が頭に付く植物と同様に、役に立たないことからこの名が付いている。

 
(右の画像下の果実はこん棒状になる)

烏の胡麻/シナノキ科/カラスノゴマ属。
道端や畑などに生える1年草。
葉は卵形で縁に鋸歯があり、茎にまばらに互生する。葉に隠れるように葉腋から黄色の5弁花を付ける。果実はこん棒状で熟すと3裂し、多数の種をだす。
名前の由来:種はゴマのようで、姿もはっきりしないことからこの名が付いた。
花期8~9月。
(高尾山)
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