やがて少し先の農業を勉強した農家では、サツマイモから転作してタバコをつくるようになった。ヒマワリと同じくらいの大きさの幹から、30cm位の葉を1枚1枚切り取って、縄に葉柄に通して吊り下げ、鳴子のようにして乾燥させた。田圃に並んだハサ木と同じように、こんな田舎の光景を思い出す。
さて話は変わって、赤い鞘が割れて中から黒い豆がのぞいたトキリマメ(吐切豆)の実は、2年も前に撮っているが、花には縁がなかったようである。やっと出会えて撮っても、黄色の花になかなかピントが合わない。
このままだと数年先になる恐れがあり、今回思い切って登場させることにした。
花や実がそっくりなタンキリマメ(痰切豆)があるが、下段の画像のように、小葉が卵形で先端が細く尖ることで見分けることができる。
(トキリマメは小葉が卵形で先端が尖るがタンキリマメは尖らない)
山野の林縁に生えるマメ科の蔓性多年草。別名オオバタンキリマメ(大葉痰切豆)。
葉は3小葉からなり、小葉は卵形で薄く先端が細く尖る。夏に葉腋より短い花序を出し、多数の蝶形の黄色い花を付ける。豆果は扁平な楕円形で熟すと赤熟して裂開し、黒い光沢のある2個の種子が現れる。
花期6~9月。
(高尾山)
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