高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

タニウツギ

2008-05-31 09:39:47 | 樹木
関越トンネルを抜けて新潟県側に入ると、この季節には側道に沿って淡いピンク色のタニウツギ(谷空木)が目に入る。
ウツギの名前は使っているが、ウツギの仲間でなくスイカズラ科の植物で、日本海側に多く、高い山の残雪と新緑の中で郷愁を呼び起こす樹木である。
日本海側にはあまりにも多く人気はイマイチであるが、とても綺麗で好きな花の一つである。

 

谷空木/スイカズラ科/タニウツギ属。
本州の日本海側の山地帯に多い落葉低木。
葉は単葉で対生し、葉身は楕円形または長楕円形である。枝先や葉の脇から散房花序を出し、淡紅色または紅色の花を付ける。
名前の由来:谷沿いに多く生えていて、ウツギの花に似ていることからこの名が付いた。
花期:5~6月。
(関越道塩沢SA付近)
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オオハンゲ

2008-05-30 09:14:28 | 山野草
昨日のカラスビシャク(烏柄杓)に続き、今回はオオハンゲ(大半夏)を取り上げる。
東京都薬用植物園の林の中に、ウラシマソウ(浦島草)のような釣り糸状の付属体を持った植物がたくさん咲いていた。
細長い仏炎苞を見た時は、カラスビシャクと思ったが葉がかなり違う。葉はムサシアブミ(武蔵鐙)に似ているが、3枚の葉が中央部でつながっている。

先日、八王子で山野草の展示会がありでかけたが、そこでもこのオオハンゲ(大半夏)に出合った。
分布は本州でも岐阜以西そして四国や九州で今まで見る機会もなく、似ているカラスビシャクと勘違いするのも無理はない。

 

大半夏/サトイモ科/ハンゲ属。
山地の常緑樹林下などに生える多年草。
3枚に見える葉は3深裂しているが、中心が合着して単葉である。仏炎苞は長さ約10㎝で、付属体は糸状で長く20~25㎝。
名前の由来:仲間のカラスビシャク(烏柄杓)はハンゲ(半夏)と呼ばれ、ハンゲより葉が大きいことからこの名が付いた。ハンゲはカラスビシャクの球根を乾燥した漢方薬をいう。
花期5~8月。
(東京都薬用植物園)
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カラスビシャク

2008-05-29 10:46:28 | 山野草
関越道の谷川SAの道路脇にある草の中で、カラスビシャク(烏柄杓)を見つけた。
昔は畑の中でよく見かけたが、最近は見ることもなく数十年ぶりである。
先日、東京都薬用植物園で、仏炎苞と付属体が似ている植物が生えていたが、こちらはオオハンゲ(大半夏)で、葉の形により見分けることができる。
カラスビシャクが3枚の小葉が切れ込んでいるのに対し、オオハンゲは切込みが浅く、1枚の葉になっている。
カラスビシャクはハンゲ(半夏)の別名を持っているが、オオハンゲはこれよりも草姿が大きい。明日はオオハンゲを予定している。


烏柄杓/サトイモ科/ハンゲ属。
山地の道端や畑地に生える多年草。別名ハンゲ(半夏)。
葉は長い葉柄を持ち、先端に3枚の小葉を着ける。仏炎苞から長い付属体が伸びるところはウラシマソウ(浦島草)に似ているが、仏炎苞は緑色で小さい。
球茎を夏に掘り出し乾燥させたモノを「半夏」と呼び、漢方薬として使われる。
名前の由来:仏炎苞がヒシャク(柄杓)に似ているが、形が小さいことからカラスの名前が付いた。
花期:5~8月。
(関越道の谷川SA)
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ヒメサユリ

2008-05-28 10:48:54 | 山野草
長岡市の悠久山で戊辰戦争の招魂祭ででかけたが、今回は予定よりも長く家を空けた。
長岡市では、来年から始まるNHKの大河ドラマ「天地人」の直江兼続の幟が立ち始めている。生誕地の六日町、上杉家の上越市や米沢市も盛り上がっているようだが、その中でも長岡市は、栃尾が上杉謙信が青年の頃に過ごした土地であり、直江兼続は地元の与板城主である。

市の観光案内所に行くと、この季節に咲き始めるヒメサユリ(姫早百合)のピンク色の可憐な花を表紙にしたパンフレットに出会う。ヒメサユリは新潟県など限られたところにしか見られず、その中でも中越から只見に抜ける八十里越の周辺は、ヒメサユリの一大群生地である。
今回は生息地には出かけられなかったが、東京都薬用植物園の入口にあった花で群生地を思い浮かべることにした。 

姫早百合/ユリ科/ユリ属。
日本特産のユリで、山形、福島、新潟の県境付近の山や草地に生える多年草。別名オトメユリ、サツキユリ。
葉は笹の葉形で互生し、茎の頂部にピンク色の花を横向きに付ける。
名前の由来:よく似たササユリ(笹百合)より小さく、他のユリよりも早く咲くのでこの名が付いた。
花期:6~8月。
(東京都薬用植物園)
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センダイハギ

2008-05-22 00:07:36 | 山野草
黄色の蝶形の花が下のほうから咲いていく。
北海道の海岸に多く生えるようであるが、何時ごろからわが家にあるのかは分からない。
今年もよく目立つ鮮やかな黄色の蝶形花を沢山咲かせた。
(明日から26日まで旅に出ています。旅先ではどんな花が待っているか、楽しみにしています)



先代萩/マメ科/センダイハギ属。
葉は有柄の3出複葉葉で、茎の先に長さ約2cmの黄色の蝶形花を多数つける。
海辺の日当たりのよいところに生える多年草。
名前の由来:歌舞伎「伽羅先代萩」に関係があるとも言われるが、船台の周りに咲くことからの説が強い。
花期:5~7月。
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ウグイスカグラ

2008-05-21 06:39:24 | 樹木
スイカズラ(吸蔓)の仲間で、ウグイスのなく頃に咲くのでウグイスカズラ(鶯蔓)と思っていたが、正しくはウグイスカグラ(鶯神楽)と知ったのは近年のことである。
春先に咲く赤紫色をしたロート(漏斗)状の花は可愛いし、花の後にはすぐに果実が赤く熟し、こちらもグミの赤い実を見るように可愛い。
果実は食べると甘いと言うが、鉢植えの盆栽仕立の木なので、沢山なることがなくもっぱら見て楽しむことにしている。 


(ウグイスカグラの熟した果実)

 
(右はウグイスカグラの花)

鶯神楽/スイカズラ科/スイカズラ属。
山地に生える落葉低木。
葉は楕円形で向かい合って付き、やや曲がった漏斗形の花を咲かせる。果実は1cmほどの楕円形で5月末頃には熟す。
名前の由来:ウグイスの鳴く時期に咲く、ウグイスが飛び跳ねながら花や実をついばむとかウグイスの隠れ家とかの諸説がある。
花期:4~5月。
(寅太の庭)
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イワカラクサ

2008-05-20 07:04:01 | 山野草
数年前からわが家の庭でたくさんの花を咲かせていたが、名前がわからなかった植物の一つである。
東京都薬用植物園の鉢の中で、イワカラクサ(岩唐草)の名前を見つけた。
可愛いらしい花の姿と名前から日本産とも、またカラクサなら外来種にも取れるような名前であるが、ヨーロッパの高山帯のピレネーなどが原産地と知った。
随分待たせたが、きょうから名札を付け、晴れてわが家の一員になってもらうつもりである。
(光線の関係で、後ろの2枚の画像が少し違った色になってしまった)

 

岩唐草/ゴマノハグサ科/エリヌス属。
ピレネー山脈やヨーロッパアルプスの高山帯の岩場に生える多年草。草丈10㎝位で花の径は約1cm。花色は白、ピンク、紫色など。
花期:4~6月。
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イワチドリ

2008-05-19 05:55:31 | 山野草
今年、最大の実験はイワチドリ(岩千鳥)のダンボール栽培である。
イワチドリの実生による栽培は、従来はほぼ不可能であった。
ところが用土の中にダンボールを入れると、不思議にも芽がでることを発見した人がいる。
まだ実験途上で大きなことは言えないが、確かに芽がでてきて2~3mmになってきた。
今後どのように成長するかは未知の世界であるが、来年は岩場に千鳥が群れ飛ぶような光景が見られるかも知れない。

  
(右はダンボール栽培の実験中で、発芽が見えますか?)

岩千鳥/ラン科/ヒナラン属。
渓流沿いの岩の隙間に生えるラン科の多年草。葉は狭卵形か長楕円形で長さ約5cm、先端に紅紫色の小さな花が数個付ける。
名前の由来:岩場に生える千鳥に似た花なのでこの名が付いた。
花期:5~6月。
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大麻・けし撲滅運動

2008-05-18 09:19:38 | 四季

ケシや大麻は栽培はもちろん持っているだけでも犯罪になります。
東京都では5月1日から7月31日までを、不正大麻・けし撲滅運動にしている。
東京都薬用植物園では各種の催し物を開催し、撲滅への活動を行っている。

私たちの周りにはケシ科の植物もたくさん生えている。下の画像のようなケシに出会ったら葉を良く見て、植えてはいけないケシの場合は、各警察署などに届けていただきたい。
最近の身近な例でも、大学生が押入れで大麻を栽培したり、下妻市ではフェステバルの会場から数十万本のケシが発見された。
このように麻薬の原料は、私たちのすぐ近くに存在する。
ケシの最終回は、薬用植物園の特別公開日に、至近距離から友人が撮った牙を隠した綺麗な花と葉の拡大写真を載せておく。
(一眼レフの画像は素晴らしい)


  

  

  

  

  
(葉や茎が無毛、葉が茎を包む、縁の切れ込みが浅い)

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オニゲシ

2008-05-17 06:36:57 | 山野草
1本のケシの栽培でも問題になるのに、茨城県下妻市では凄いことが起こった。小貝川(こかいがわ)ふれあい公園の「フラワーフェスティバル」会場のポピー畑に、植えてはならない種類に入るアツミゲシ(渥美芥子:渥美半島で見つかったことにより命名)が、数十万本も発見されたと言うのである。巡回中の警官が見つけ、2日間で引き抜き焼却処分にしたというが、麻薬を取り締まるべき市がケシを植えたことになるのには驚いた。
その後、「フラワーフェスティバル」はどうなったのか。市のホームページでは、「5月24日(土)~25日(日) に東京ドーム1個分(5ha)の花畑で5百万本のポピーが見れる」と来場を呼びかけている。
全国にアツミゲシが報道されて1週間、無神経というかなかなか懲りないようである。
薬用植物園の温室の入口にヒマラヤの青いケシが展示されていた。見るのは初めてだが、どこか神秘的でもある。
(窓枠があるのにはご容赦を)

 
(植えても良いオニゲシ)  (植えてはいけないアツミゲシ)

 
(ヒマラヤの青いケシ)


鬼芥子/ケシ科/ケシ属。
西南アジアなどを原産地とするケシ科の多年草。別名オリエンタル・ポピー。
葉や茎に粗い毛があり、赤い花を咲かせる。
名前の由来:茎葉に毛がびっしり生えていることを鬼の体に例えてこの名が付いた。
花期5~7月。
(東京都薬用植物園)
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