高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

マユハケオモト

2009-10-31 01:05:31 | 山野草
月に1回の山野草の学習会に、園芸家の先生が今まで見たことのない花を持ってきた。刷毛の形をした花と思ったが、案の定名前はマユハケオモト(眉刷毛万年青)である。
オモト(万年青)はラン科であるが、こちらはヒガンバナ科の植物である。まだそれほど流通してないようで、花が1輪付いた鉢植えで数千円以上で、先生が手に入れたのは2万円に近い品種とのことである(まだ高値の花ですねぇ、手がでません) 。

眉刷毛万年青/ヒガンバナ科/ハエマンサス属。
南アフリカが原産のヒガンバナ科の常緑多年草。別名ハエマンサス。
鱗茎から厚みのある長楕円形の葉を3~4枚付け、花茎は葉の隙間から斜めにでる。先端に葱坊主のような白い花を咲かせ、先端が黄色いのは雄し べである。
名前の由来:花の形が眉毛についた白粉を落とす化粧道具の刷毛に似ていることからこの名が付いた。
花期:9~11月。
(山野草教室)
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ツワブキとチョウ

2009-10-30 08:31:56 | 四季
秋晴れの良い日に、裏高尾から小仏城山を目指し、街道を歩いていた。
山で咲いている花が少なくなったのか、昆虫類も高尾から降りてきたようで、民家の庭にかなり目立つようになった。
例によってアサギマダラ(浅葱斑)と戯れるのだが、きょうの遊び場所はツワブキ(石蕗)である。遊んでいるのが楽しそうに見えたのか、黒にオレンジ色が鮮やかに浮き立つ蝶がやってきた。日本各地で見られるアカタテハ(赤立羽)で、飛び方が速くカメラに捉え難い蝶とされている。今回はサービス満点で、アサギマダラと同じようにツワブキの花の舞台を回転しながらポーズをとる。この日だけはアカタテハが主役であった。
蝶と遊ぶのは、サラシナショウマ(晒菜升麻)で遊んでから20日ぶりである。


(黒にオレンジが鮮やかなアカタテハ)

 
(先客はアサギマダラだが、主役交代でアカタテハ)

(裏高尾)
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マユミの実

2009-10-29 08:46:55 | 旬な花
「牧野一族展」を続けると、山野草のブログが歴史のグログにかわってしまうので、気の向いたときに牧野一族展は挿入することにする。

先日、都立野山北・六道山公園に出かけた。この時期には花はほとんど咲いてなく、見られるのは各種の樹木の実である。
その中で、道端にある約3mほどの高さの木に、マユミの実が無数につき、向こう側が見えないほどであった。ピンク色の外皮から、真っ赤な実がのぞき始めたので、あと1週間もすれば、素晴らしい眺めになると思う。

昨日のグミに似た樹木は、コメントから名前が判明した。最初はアキグミ(秋茱萸)かと思っていたのだが、花期は春のために除外した。またナワシログミ(苗代茱萸)は苗代の言葉から、初めから想定外であった。ところがコメントではナワシログミは秋に開花し、葉は少し違うとのことである。
ここから出てきた答えは、ツルグミ(蔓茱萸)である。蔓性でテイカカズラ(定家葛)と絡み合っていた。ツルグミは春に赤く熟すが、美味しくないらしい。

 
(目を見張るマユミの実)

(都立野山北・六道山公園)
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牧野一族展(その2)

2009-10-28 00:14:27 | 歴史

【牧野城と牧野家墓地の樹木】
今から6百年くらい前の応永年間(1400年頃)に、阿波から熊野を経由して、田口一族の祖先は、牧野村に移り住み、牧野姓を名のり、最初に築いたのが牧野城である。その後、瀬木城、吉田城、一色城などを築き、やがて牛久保城に住んだ一族が、今につながる牧野一族である。
牧野城は平城で、土塁の高さは3mほどで、土塁の高い所に祠(ほこら)がある。名前がわからないアキグミ(秋茱萸)に似た木が生い茂り、テイカカズラ(定家葛)が巻きついていた。 (コメントからツルグミにたどりつく)
周りは住宅や畑の中の平城が、廃城になって5~6百年になるが、よく残されていたものである。


(この木にテイカカズラが巻き付いていた)

 
(牧野城跡の土塁)

 
(牧野城の説明と土塁の上に建つ祠)

牧野城の近くに一族の墓がある。東三河は温暖な気候なので、カキ(柿)、イチジク(無花果)など果物の栽培が盛んで、墓の入口にもイチジクの木があった。
古い大きな墓石を見ると、天文22年癸丑とある。これは1553年に没した牧野能成の墓石と判明した。この年は川中島の戦いの第1次合戦で、7年後の1560年が、桶狭間の戦いで、牧野一族も一時は今川に属していた。

 
(牧野一族の墓地と入口のイチジク)

 
(最も古い墓石で左は天文22年癸丑)

(豊川市牧野町)
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牧野一族展(その1)

2009-10-27 00:28:51 | 歴史

【熊野神社、牛久保小学校とカシワ】
豊川市の桜ミュージアムで開催されている「牧野一族展」を、関東地区の長岡出身の仲間と見学してきた。あわせて牧野家に係わる史跡を回ったのでので、数回に渡り取り上げることにする。
牧野一族は越後長岡藩、越後三根山藩、信州小諸藩、丹後田辺藩、常陸笠間藩の牧野家の5家があり、本家は長岡とされている。源平合戦のころは阿波の豪族で、源義経を勝利に導いたが、このことで兄の頼朝の怒りをかい、一族は一時衰退した。戦国時代に三河の牧野町に移り住み、この地で牧野姓を名乗り再び躍進し、拠点を牛久保に移した。

一族は三ツ葉柏を家紋にしているが、カシワ(柏)は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄」という縁起を持っている。牧野家縁りの場所ではカシワが植えてある所が多く、中でも江戸時代中期に長岡藩主で老中の、牧野忠精(ただきよ)が植えた熊野神社のカシワは、巨木で立派に育っている。
長年に渡りこの巨木から新しい子孫を残し、長岡に里帰りさせたいと試みているが、やっと幼木が熊野神社の拝殿で育ち始めているところである。
牧野氏が牛久保を離れて450年にもなるが、豊川の人々が牧野氏を慕い、また家臣を含めた一族がふるさとを想う気持ちの強さは他に類を見ない。今回も熱烈な歓迎を受けた。


(熊野神社の神前で育つ2代目カシワ、長岡へ里帰りできるか)

 
(牧野一族展入口と大名5家と同じ数の煎餅を並べる)

 
(熊野神社入口の牧野忠精公寄進の灯篭)

 
(約250年前に忠精公手植えのカシワ)

牛久保小学校の校章は、三ツ葉柏と「牛」の文字をデザイン化している。招き入れられた校長室の壁には、「参州牛久保の壁書」と「常在戦場」の額が掲げてあった。校門の横には大きな大理石で、牛久保の壁書の一文があった。

 
(三ツ葉柏の校章と牛久保で生まれた壁書)

(豊川市、牛久保町)
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タニソバ

2009-10-26 21:06:00 | 山野草

 

谷蕎麦/タデ科/イヌタデ属。
山地のやや湿った場所に生える一年草。
葉は互生し葉身は卵形~ひし形で基部は楔形。葉柄には茎の付着点まで広い翼があり、しばしば赤褐色になる。花はミゾソバに似ているが、やや小さい総状花序を形成する。
名前の由来:谷筋などの湿ったところに生えるためこの名が付いた。
花期:7~10月。
(高尾山)
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トガリシオデ

2009-10-24 19:41:01 | 山野草
高尾山で最初に発見され発表された植物の一つで、シオデの実の先が尖っている。


(果実の先が尖るトガリシオデ)

 


(夏に咲くトガリシオデの雌花)

尖り牛尾菜/ユリ科/シオデ属。
山地に生える蔓性の多年草。雌雄異株。
葉は卵状楕円形で互生し、葉脈から出た蔓で他のものにからみつく。葉の脇から長い花茎を出し、淡黄緑色の花を球状に付ける。
果実は黒色の液果で、多数集まって球状となる。
名前の由来:シオデの実が球形なのに対し、先が尖っているのでこの名が付いた。
花期:7~8月。
(高尾山)
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青いバラそれともトリカブト?

2009-10-23 00:50:16 | 四季

庭の片隅に青い花が咲いていた。色は一昨日の青いバラの感じがするが、発売は11月の3日で、まだ生えてくるはずがない。葉をじっくり見るとやはりヤマトリカブト(山鳥兜)のようである。花弁の数を数えると9枚で、数輪咲いた後で、すでに周りには緑の種ができている。来年は1厘だけでなく、じっくり観察して、新種トリカブトの発見をしたいものである。


(葉はトリカブト)

(寅太の庭)

明日から数日間、家を離れるのでブログはお休みします。

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ハンカチノキの実

2009-10-22 10:32:35 | 樹木
この実だけ見せられたら、どの樹木のものかちょっとわからない。秋にはハンカチノキには、こんな実がなる。手品でハンカチからよく出てくるのは小鳩であるが、ハンカチノキから出てくるのは赤茶色のゴルフボール大の実である。
また食べられますかと質問がきそうなので、わかりませんと答えておこう。でも子供の集まる公園で、そのまま放置してあるのだから、実を全て取り去ってしまうシキミ(樒)のような毒ではないと思う。



(相模原市立麻溝公園)
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ソウシシヨウニンジン

2009-10-21 19:11:39 | 山野草
サントリーの青いバラは以前から話題になっていたが、11月3日から発売すると発表があった。花には各種の色があり、青い花では驚かないが、バラには青い色素を作る遺伝子がなく、今までは不可能とされていた。サントリーではパンジーの青色遺伝子を使い、30億円の開発費をかけ市販(1本2~3千円)にごきつけたとのことである。

以前から高尾山では時々、トチバニンジン(栃葉人参)の赤い実に出会う。この種子の下側にイタズラしたような、黒い斑点が付く種子があることは知っていた。これがソウシシヨウニンジン(想思子様人参)で、東京薬科大学の植物園で見つけた。
想思子(ソウシシ)とは、マメ科のトウアズキ(唐小豆)の種子のことである。

 
(赤に目玉のような黒の模様)   (サントリーの青いバラ)


(トチバニンジンには黒の模様がない)

想思子様人参/ウコギ科/トチバニンジン属。
山地の林内に生える多年草。
葉の形はトチノキの葉に似た掌状複葉で、5~7枚の小葉があり、小葉の形は卵形から披針形で葉縁には鋸歯がある。花は散形花序で淡緑色の5弁花を多数付ける。花後には赤い種子を多数結び、 先のほうに目玉のような黒い斑点がある。
名前の由来:想思子というのは、 マメ科のトウアズキの種子のことで、これに種子が似ていることからこの名が付いた。
花期6~8月。
(東京薬科大学)
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