Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

『災害救助予備隊』という意見-ドイツと日本は同列に語れず

2013年06月17日 | 社会(歴史・都市計画含む)

以前、

『消防団の減少-企業の貢献、徴兵制かわりの貢献』

http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/d/20110526

を書きました。

ここでは、CSRの研究、推進をしている知人との話を軸に書いていましたが、今こんな声が現実にでてきているのですね。

現状の問題を考えると、こうした意見がでてくるのはおかしくないかもしれませんが、もともと徴兵制度があったドイツなどと違い、日本においでは『諸刃の刃』でしょう。

Wedge Infinity2013617日)

徴兵制とは違う!

災害救助隊で若者雇用

By 磯山友幸氏

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2875

-ドイツでは徴兵制を止め、義務教育を修了した男女に1年のボランティアを義務付けた。日本で徴兵制などというとタブー視されがちだが、東日本大震災のような災害時に自衛隊やボランティアが大きな力となったのは事実だ。「災害救助予備隊」を設置して募るという意見もあり、議論すべき課題だ。-

7月の参議院議員選挙で自民党が圧勝すれば、憲法改正に向けた動きが具体化することになる。賛否いずれにせよ、憲法と真正面から向き合って議論することが必要になるが、問題はタブーが多すぎることだろう。日本では問題が大きければ大きいほど、議論自体を封じてしまう傾向がある。以前この欄で取り上げた移民問題などが典型だ。

 憲法改正論議でのタブーの1つは徴兵制ではないか。議論しないが故に、諸外国の情勢変化にも鈍感で、左右両派に分かれた神学論争に陥りかねない。日本では紹介される機会が少ないが、ここ数年で徴兵制を大きく変えた一例がドイツだ。

 同じ敗戦国のドイツは1957年から徴兵制を敷いてきた。満18歳以上の男子に9カ月間の兵役を課していた。それを201171日をもって「停止」したのである。危機に直面した際には復活できるよう法律は残したが、事実上の徴兵制廃止だ。廃止の理由として国の財政負担軽減が強調されがちだが、実際にはそれだけではない。

 第1に「戦争」の形が変わったこと。大人数の歩兵が向かい合って総力戦を展開する伝統的な戦争はもはや想定されなくなった。ソ連の崩壊による冷戦終結がドイツの防衛体制を大きく変えたのは言うまでもない。代わって増えたのが、海外での「テロとの戦い」だ。

テロとの戦いとなると十分な訓練を受けたプロの兵士が必要になる。熟練した軍人でなければ簡単に命を落としてしまうのだ。高度化する軍務に従事できる兵士は、プロである職業軍人や意識の高い志願者でなければ集まらなくなっているという現実があるのだ。

 徴兵制停止まで、約245000人の軍人のうち56000人が徴兵だったが、停止後は志願制に切り替えた。今後は徐々に軍人の総数を185000人にまで削減、そのうち15000人を志願兵で賄う計画だという。

 ドイツが徴兵制度の停止を決めたもう1つの理由は、徴兵を忌避する若者が増えていたこと。ドイツでは信仰や信念から徴兵を拒否する「良心的兵役拒否」が認められていた。軍務に就かない代わりに社会福祉施設などで働くことが義務付けられていたのだ。この非軍事役務に就いていた男子は09年で9万人。つまり兵役従事者を大きく上回っていたわけだ。

徴兵制を停止したことで、社会福祉施設などに余波が及ぶ懸念が出たのは言うまでもない。非軍事役務も停止されることになったからだ。放っておけば各施設でのボランティアが不足する。そこでドイツでは「連邦ボランティア役務制度」を新しく導入。義務教育を修了した男女に原則1年のボランティアを義務付けた。

 平和国家のイメージが強いスイスにも徴兵制があるがその内容は大きく変わってきている。「国民皆兵」という建前で、男子は20歳から36歳までの間、合計260日の兵役に就く義務がある。そんなスイスでも、良心的兵役拒否が認められている。やはり軍事的役務の代わりに介護や医療現場でのボランティアに就くのが中心だ。

(中略)

「災害救助予備隊を創設してはどうか」。民主党政権時代に設けられた「雇用戦略対話」で、若年雇用戦略について議論に加わった藤原和博・東京学芸大学客員教授は、そんな提案をしている。いつ起きるか分からない災害に備えて若者の力を結集しておこうという発想だ。

30歳未満の希望者を12年間、国が「雇用」、最低限の給与も支払う。「若年失業者を吸収できるうえ、共同生活をさせることで若者を鍛えることができる」と藤原氏は言う。250万円で20万人を雇用しても5000億円の年間予算で済む。今でも雇用安定給付金として4000億円前後が使われている。

 この予備隊を自衛隊の下に置くとなると「徴兵制につながる」「予備役ではないか」といった批判を浴びかねないだろう。だとすれば、『海猿』で若者の人気を得た海上保安庁や、『252 生存者あり』でイメージを上げた消防庁などとの連携もあり得る。

 日本には伝統的に「町火消し」や「消防団」など、民間組織を作って有事に備える仕組みがあった。これがコミュニティの崩壊と共に、国の機関やプロだけに有事対応を任せるようになった。国民すなわち自分たちの生命と財産を守るためにはどんな官民の組織が必要か。憲法改正論議と合わせて考えてみてはどうだろう。

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