Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

日本とマーケティング、MADE IN OCCUPIED JAPAN

2013年06月30日 | 社会(歴史・都市計画含む)

先日、アメリカのティムさんから、

Since you know I enjoy looking at the differences between Japan andWestern culture I thought the following article was interesting.

Given that it is in "Advertising Age" I thought it was not going to be very insightful.  I was surprised, but the writer, while Western, has worked in Japan for 30 years.

Japan Inc.'s Ultimate Challenge: Marketing | Guest Columnists

-Advertising Age

http://adage.com/article/guest-columnists/japan-s-ultimate-challenge-marketing/242775/

"During the Edo period (1603-1868) the Tokugawa government created a social order called shinokosho or the four divisions of society.

Samurai were at the top of society because they set a high moral example. Farming peasants came second because they produced the most important commodity, food. Third were artisans and craftsmen.

Merchants were at the bottom of the social order because they generated wealth without producing any goods. The classes were arranged by what Confucian philosophers described as moral purity.

In modern Japanese companies, marketing staff are the merchant class, engineers are the samurai, and all other company functions are the equivalent of farmers and craftsmen."

(※記事のリンクは7回までは登録無料で開けますが、それ以降は購読登録が必要。)

というメールが。

記事の筆者やティムさんは、「日本には『士農工商』の精神が残っているからか、『商』-マーケティングが弱い」というようなことを言っていました。

私はティムさんに、『士農工商』が建前であったという側面があることを伝えながらも、「日本のマーケティングに弱点があるという点については認める」と返事をしました。

そして、大学で教える知人にこの記事のリンクを送ったところ、その知人は、

「記事の指摘は説得的です。ただし、日本のこのようなマーケティング音痴は昔からと言うのはどうでしょうか?」

と。

「たとえば主に電気製品のことですが、日本は戦後すぐは安い金額の製品で海外市場に進出し、高度成長期は先進国の技術を学び、ときに真似(相手からすれば”盗んで“)ながら高品質の製品を生み出し『日本ブランド』を確立。

高度成長期を除けば、日本が「マーケティングより製品勝負」としてきた傾向はあったのではないか、と私は考えてしまうのですが、どうでしょう?

(結果、消費者のニーズに合ったものを売るではなく、売る側が消費者の欲しいものを作り出す。それが結局必要以上にコンパクト化されたオーディオ機器や、ハイスペックすぎる製品を作り、ガラパゴス減少を作り出してしまった要因の一つ。)

なんて話をしていたりしましたが、この知人は、

「日本は、技術に信頼を抱いていたことは確かだが、それでも日本は『バイヤーへの尊敬』があったわけで、だからマーケティングをおろそかにしてはこなかった」

という返事を。

まあ、企業や業界、一括りにはできないし、『マーケティング』という言葉の意味も曖昧なのですが、「本気で売ろうとするなら、マーケティングを重視していかないといけない」というのは、今の時代は余計、皆感じていることでしょう。

さて、ついでと言っては何ですが、面白いコラム(というか、紹介文)を。

ニューズウィーク (2013629)

「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン」って?

http://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2013/06/post-266.php

「海を渡ったオキュパイド・ジャパン」という、ちょっと興味深い展覧会が開かれている(於:六本木ヒルズ森タワー49階/アカデミーヒルズ入口の展示スペース)。

 オキュパイド・ジャパン(Occupied Japan)とは、第2次大戦後の「占領下日本」のこと。民間貿易が再開された1947年から、サンフランシスコ講和条約が発効した52年まで、日本からの輸出品には「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の刻印を付けるようGHQ(連合国最高司令官総司令部)から命じられていた。

 北米を中心に輸出された品々は、陶器やおもちゃ、布製品、カメラなどさまざま。「OCCUPIED JAPAN」の文字が付いた5年間だけの期間限定アイテム(「OJ」と呼ばれる)は希少価値を持ち、コレクターたちによる収集の対象になっている。

 今回の展覧会はカリフォルニア州在住のコレクター、田中荘子さんの収集品1万点の中から代表的なものが選ばれている。浅学の私は今回の展覧会について知人から聞いて、初めて「OJ」を知った。展示ケースに並んでいるのは手作り感あふれ、愛らしい品ばかりで、特に陶器やおもちゃはとても温かみを感じる。

多くの人が食べる物にも困るような時代でも、戦時統制が解けて、綺麗なもの、華美なもの、欧米風のものと、なんでも自由に作れることに作り手たちは喜びを感じていたと思う。日本の外貨獲得にも貢献したし、輸出拡大とともに経済成長していく足掛かりにもなったことだろう。

 アメリカのコレクターの全国組織「OJクラブ」の会長も務める田中さんは、「戦後の日本人が苦しい生活の中でもこんなに素敵な品々を作っていたことを、今の人たちに知ってもらいたい」と話す。来年は陶器で有名な愛知県・名古屋や瀬戸、岐阜県・美濃での巡回展も予定しているそうだ。

 7月21日まで開催しているので(無料)、興味のある方は足を運んでみてほしい。

――編集部・大橋希

日本製品が「安かろう。悪かろう」といわれていた戦後すぐのとき、このような製品も海外向けの主力製品になっていたのですね。

ニューズウィークのリンク内でも写真がご覧いただけますが、こちらにも占領下日本の製品の写真があります。

http://www.putto24.com/occupied.html

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