80年代半ばにニューヨークに行ったとき、金ぴかのドナルド・トランプのトランプ・タワーに行きました。
ドナルド・トランプは時々映画雑誌のスクリーン誌のセレブパーティやゴシップ欄にも載ってたことがありましたし、まあ新名所ということで立ち寄ってきたのですが、このビル、外部の派手さのわりには内部はロビー以外は地味(洗練されていない)という印象。結局ショッピングフロアに飾ってあった「ミニチュア自由の女神像」の前で写真を撮るだけで早々に帰りました。(この年は自由の女神200周年記念か何かだったと思います。)
そしてあれから約30年、トランプ氏が、これほど下品な人物だったと知ることになろうとは。
まさに「お金と品性が一致しないよい例」です。
しかし、そんな彼ですが彼を支持する人達が少なくない事実。
日本、そして世界各国のメディアもあまり取り上げませんが、彼はまともなことも言っているのですよね。(モンサントに対しても否定的なことを言っています。)
以下は、昨年のBBCから、彼の主張リストを。
(まともな部分と、面白いと思う部分の説明書きだけ、略さないで張り付けました。)
BBC(2015年12月8日)
ドナルド・トランプが信じる22の事
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35036172
1.米同時多発テロを、アラブ系アメリカ人は拍手喝采して称えた
(略)
2. アメリカ内のモスク(イスラム教寺院)を監視すべき
(略)
3. 過激派勢力イスラム国(IS)との戦いでアメリカは水責めなど「強力な尋問方法」を使うべき
(略)
4. ISを「とことん爆撃しまくる」
(略)
5. 税制を簡素化――トランプ氏は年収2万5000ドル(約310万円)未満の人には所得税を免除する方針。対象者は、「I win」(勝った)とだけ書いてある書類1枚を提出すればそれが税務申告の代わりになるようにするという。法人税率は15%に引き下げ、多国籍企業が海外に滞留した所得は税率10%で国内に還流させることができるようにする。
6. ヘッジファンド関係者は現行の米税制下で「やりたい放題だ」――ヘッジファンド関係者や超富裕層の払う税金が少なすぎると考えるトランプ氏は、その点において民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員のような人たちと同意見だ。しかしトランプ陣営が公表した税制改革案を点検したアナリストたちは、ヘッジファンド関係者はむしろ中産階級と同様に減税されると指摘する。
7. アメリカとメキシコの間に「ものすごく大きな壁」を建てる
(略)
8. アメリカ内に住む不法移民1100万人を強制退去させる
(略)
9. ウラジーミル・プーチン露大統領とは「かなり仲良くなれる」――CNNによるインタビューでトランプ氏は、プーチン氏とオバマ米大統領はお互いのことが嫌いすぎて交渉が成立しないが、「自分なら多分かなり仲良くなれる。そうすれば、今のような色々な問題は起きないはずだ」と話した。
10. 銃乱射事件を防ぐには、精神医療に投資すべき――こう言うトランプ氏は銃規制強化は解決につながらないと考えている。銃保有権に関する政策表明でトランプ氏は、銃器を隠し持つ免許を自分も持っていると明らかにし、「善良で正直な市民がどういう銃器を持っていいか悪いか、政府がとやかく言うことではない」と表明。銃購入時の身元調査の範囲拡大にも反対している。
11. より公平な米中貿易の実現のため、中国に是正を要求すべき点がいくつかある――もし大統領に当選したら、中国の人民元切り下げを止めさせ、環境基準や労働基準を改善させるとトランプ氏は言う。さらに、アメリカの知的財産保護やハッキングに対する態度が緩すぎると批判している。
12. 「黒人の命も大事」運動は「面倒」
(略)
13. 現在の失業率データは間違っている――トランプ氏はアメリカの失業率は20%だと繰り返している。42%だと主張したこともある。一方で政府の労働統計局は5.1%(9月)と発表しているが、トランプ氏は本当の数値とは思えないと力説する。
14. 総資産額は100億ドル(約1兆2300億円)
(略)
15. 退役軍人の医療制度は一大刷新が必要――トランプ氏は退役軍人省の首脳部を総入れ替えしたいと主張する。退役軍人の病院での待ち時間が、何度仕組みを改善しようとしても長くなる一方だからというのが理由だ。診察を待つ間に何千人もの退役軍人が死んでいくと言うトランプ氏は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や鬱などの「見えない傷」の治療に力を入れると表明。増える女性退役軍人の医療充実のため、女性医療を専門とする医師の数も増やす方針という。
16. オバマケアは「大失敗」――より多くの国民に医療保険を提供する「医療費負担適正化法」の撤廃を支持するが、「保険は全員必要」とも考えている。報道担当はフォーブス誌に対し、「権限を国に戻しつつ、自由市場原理で動く医療保険計画」を提案すると話した。
17. 気候変動はただの「天気だ」――トランプ氏は「きれいな空気」と「きれいな水」の維持は重視するが、気候変動科学は「うそっぱち」」と一蹴。環境保護のために企業を規制すると世界市場での競争力を奪ってしまうと考えている。CNNとのインタビューでは「国内の企業を危険にさらすべきでない。あまりに費用がかかりすぎるし、本当にうまくいくのか誰にも分からない」と話した。
18. サダム・フセインやムアンマル・カダフィが権力者でいた方が世界にとっては良かった――トランプ氏はCNNに、リビアとイラクは2人の独裁者の存命中より今の方が「はるかにひどい」状況だと話した。フセイン元大統領は「ひどい奴」だったと認めつつ、テロリスト掃討は上手だったと評価している。
19. アメリカ亡命を求めるシリア移民は強制送還する
20. キム・デイビスは転職すべき――同性カップルへの結婚許可証発行を拒否し、服役した米ケンタッキー州ローワン郡職員のキム・デイビスさんは、保守派にとって擁護すべきシンボルとなったが、トランプ氏は「自分はキリスト教と宗教を強く、強く信じる者だが、この件は、彼女にとって適職じゃなかったということだ」と述べた。
21. ムスリムはアメリカに入国させるべきでない
(略)
22. 「本当にいい奴」――近著「Cripped America」(手負いのアメリカ)でトランプ氏は、「自分は本当にいい奴なんだ。本当に。自分はいい奴だというのが自慢なんだが、同時に自分は情熱的だし、この国をまた偉大な国にすると固く決心している」と書いている。ニュースサイト「Gawker」は、本の中でトランプ氏は一環して自分を「いい奴」と呼んでいると指摘。トランプ氏自身、米NBCテレビの人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演した際、冒頭で同じように自己紹介した。
22番目の「自分は本当にいい奴」って、前に田母神氏も似たようなことを言っていましたね。