Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

「原発といえば核兵器」という発想があったイタリア人

2011年07月17日 | 原発・核・311

7月4日の上小30山さんのブログ『NHKETV特集」を見た』

http://js30.at.webry.info/201107/article_4.html

に、「原子力の平和利用は、当時のアメリカが、冷戦が強まる中、核兵器の反対運動が高まった日本や世界の世論を封じるために、考えた作戦で、大新聞による影響力が重要と考えたアメリカ、それに乗った読売新聞の正力松太郎や政治家の中曽根康弘、経済界の主だった人々によって、この事件の頃、導入されていった。」という番組でのコメントの要約が紹介されていました。

                                                 

私は残念ながらこのNHKの特集は観ていなかったのですが、上記を読んで、「この見解は日本の原発促進の一つのきっかけでしょうが(アメリカン大学のピーター・カズニック氏の論文参照)、番組で犯人を挙げるだけでは、消化不良で終わってしまう。」と思いました。

                                                          

さて、そうであっても、地震大国日本が54基も原発を持つようになったことの分析は、必要-

「今回、再度脱原発を決めたイタリアは日本と同じく地震国であり、資源は海外からの輸入に頼る国。それでも、原発が日本のように増えなかったのはなぜか。」

そう考えている時に、フィレンツェ大学の、イタリアの原発の歴史のレポートをも見つけました。(英文)

The “go-and-stop” of the Italian civil nuclear programs, among improvisations, amvisions, and conspiracies

http://www.fisicamente.net/SCI_SOC/index-1861.htm

地名や政治家の名前等、なじみがないことが多くて苦労もしますが、ざっと目を通してみると、イタリアと日本の事情の違いが分ります。

政財界の思惑が渦巻くところはイタリアも日本と同じですが、民間電気事業社の警戒、石油関連業界の原発への抵抗、それに加えてマフィアのからみもあるところなどは、大分違うと思います。

また、イタリアの原発開発を反対してきた人たちは、安全面や環境問題として問題視するだけでなく、原子力発電と核兵器と結びつけて考える人たちが多かったようですが※、日本の一般人ではこの思考回路を持っている人が少なかった(少ない)、ということ。

「日本は戦争はしない。何かあったらアメリカが守ってくれるから、核開発も平和利用以外はするわけない。」と、日本人のほとんどはイタリア人と違って原発やら核については、「何も心配しないで、政府にお任せ(無関心)」という部分があったのではないかと思います。原子力の平和利用(核=善)洗脳の効果なのか・・。

その辺が、実は大きな分岐点だったのかもしれません。

(※1983年の米国の『ザ・デイ・アフター』というTV映画

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%BC

も、イタリアでは反原発に一役買ったようだということも書いてありますが、日本ではありえないでしょう。

コメント
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