古いメールを探しているときに見つけ、触りを読んでいるうちに最後まで読み返してしまったメールがありました。
これは2006年8月のもので、小泉元首相が靖国参拝をしたときのことやマスコミへの批判を、外国人の知人に宛てて私が書いたものです。
現在の日本-「当事者」となったことで、国民もマスメディアも、このメールを書いた時点から意識は大分変わりました。
(もちろん、外交については別とします。以下のメールの貼り付け文を読んで、不快な気分になる方も多いことでしょう。)
しかし、「政治家」については、こんな時でも「自己利益の為に“乱”(現在の場合は“乱世”ではなく“混乱”)を好んで利用する輩」は残念ながらいるようです。
D様
江戸時代の町医者、安藤昌益が「上に立つ君子の賢愚による乱世と平和、吉凶・善悪のあるのが世の中だ。」と考え、「乱が悪いことと排除し、一方の平和・吉・善のみを説くから、人はそれを求め、それは乱の元になる。」と言いました。
「人間は愚かな生き物であり、自分の属するもの(国、民族、宗教・・)のみを大切にしようと思うから、乱世、平和は繰り返すことは仕方がないものだ」と安藤昌益は言いたかったのでしょうか。
最近の”エセ君子達”は、それに加えて「自己利益の為に"乱”を好んで利用する輩」、「(自分より力がないと思う相手に対して)威嚇、けん制することを良とする輩」が増えたお陰で、安藤昌益は言葉を変えなければならないようです、「乱を利用し、一方の平和・吉・善のみを説くから乱は終わらない。」とでも。
新聞を広げては溜息をつくしかできない私達にできることはせいぜい、「おごれるものは久しからず」(平家物語)という言葉を唱えるしかありません。
「レバノン」の取扱は最近でこそ変わってきていたけれど、日本のメディアでは当初不当に思えるくらい少なかったです。
「北朝鮮の実験ミサイル発射に始まり、イスラエルのレバノン侵攻や、昭和天皇のメモ発見、自民党の総裁選への鳴動など、7月はいろいろなことが起きた。
とてもじゃないけれど、一つには絞れない。ただし北朝鮮のミサイル発射から間もないうちに勃発したレバノン攻撃について、メディア全般が伝える量は健全ではなかったと僕は感じている。もちろん遠くの自分の町よりは自分の町のほうが関心は高い。顔も知らない他人よりは自分の親戚のほうが親身になれる。
それは当たり前。でもその当たり前さが、最近は臆面もなく進みすぎているように感じてしまうのだ。」
と書いた人がいました。
レバノン攻撃記事の少なさを「イスラエルの陰謀」としたジャーナリストもいましたが、日本においては「対岸の記事で、書いてもあまり関心をもたれない」と思われていたから、少なかったのだと私も思います。
身近のことしか興味を持たず、長い目でものを見ようとしないのは日本に限ったことではないでしょうが、それでも駐在員や留学生として長期外国に住んだことのある友人などは、日本のマスコミのあり方と、外国(西欧のみですが)のそれとの違いを語ってくれたことがありました。
小泉首相が靖国参拝をしたことに対して、周りにも肯定派が案外多く、その人達の多くが「日本は戦争の被害者」という意識のみが先行し、中国やアジアでしたことの知識もなければ、戦後中国が「戦争を引き起こしたのは一部の軍国主義者で日本国民は被害者」とする二分論で国民を教育してきたことなどもちろん知らないし、興味ももちませんでした。参拝肯定者の中には、「軍国主義者であろうと、死んだら仏様だからそんなの関係ない」という人もいましたが。
先日亡くなった元日本興行銀行の頭取で、安倍晋三の叔父である、故西村正雄氏(今月1日死去)が、東京新聞のインタビューで、「タカ派的なことを言って喜んでいる最近の若い政治家は、戦争を知らないから、平和でボケている」と言い、戦争を繰り返さない為に歴史に学ぶことの重要性を熱く語っていました。心ある人でした。(もし記事に興味がおありなら送ります。)
こういう叔父さんから晋三氏が学ぶことはなかったのでしょうか。
ふざけながらですが、息子が私にむかって「お母さんは中国、韓国びいき。(サッカー、オリンピック等で)日本を応援しない非国民。」と言いました。
私は「日本が好きだから、周りの国と仲良くして欲しいと思っていて言っていること。憂国者はりっぱな愛国者。やり方が違うだけ。」と言いました。息子はふざけて言ったとはいえ、半分本心も入っていたのではないかと思いました。
晋三氏も、この叔父さんを「非国民」と思っていたのでしょうか。そこまで愚かでなければと願います。
先日、北方領土付近で日本漁船が撃たれ、一人が死亡し、他は拘留されています。
北方領土返還の議論は、こういう事件を元にしての進展はないでしょうね。(相手が韓国や中国だったらどんなに世論も加熱したことか。)
暑さで文章にまとまりがありませんでした。失礼しました。
ゆかり