東京国立博物館で先週の火曜日に始まった運慶展を見物に上野にでかけました。 上野駅の公園口を出て、横断歩道を渡ると、目に止まったのは、上野動物園が無料開放中だという表示でした。
今年3月20日、上野にでかけたときも、上野動物園は、たまたま無料開放日だったんですが(記事はこちら)、
年に3回、開園記念日(3月20日)、みどりの日(5月4日)、そして都民の日(10月1日)だけ無料開放だというのに、年に2度も、上野にやってきたら、たまたま無料開放日だなんて、できすぎですな。祝日の「みどりの日」は別として、開園記念日と都民の日が両方とも週末とは、今年は7年に一度の特別な年だったということ。(3月20日が土曜日だと10月1日は日曜日ですから)
この看板を見た私、前々から上野動物園であるものを買いたいと考えていたものですから、これ幸い と運慶展を後回しにして、上野動物園に入園しました。
天気の良い日曜日でしたし、しかも無料と来れば、混まないわけはないわけで、かなりの人出でした。
動物たちをじっくりと観察するには人が多すぎましたので、私は、父親になったリーリーに遠くからお祝いすると、
足早に園内をザザザッと見物して、そして、目的の買い物をして動物園を出ました。
それにしても、赤ちゃんパンダが公開されたら、とんでもない混み方になりそうです…
ところで、私が買ったのは、、、
ハシビロコウのハンドタオルです。
ハシビロコウのハンドタオルは、前回上野動物園に来た時に購入し、以来、愛用していたのですが(ハシビロコウファンです、私…)、旅行中に紛失してしまい、悔しい思いをしていたのですよ。
そして、15:30頃、トーハクに到着して、きょうばかりは本館には目もくれず、「運慶展」の会場、平成館へ…。
冒頭から、いやぁ~~、イイ
運慶 20代の頃の作品という大日如来坐像(円政寺)のなんと良いことか
後に、鎌倉時代を代表する、いや、日本を代表する大仏師となった運慶の際だつ個性は薄いのだけれど、像全体の均整の取れたプロポーションといい、醸し出す威厳と平静の両立ぶりといい、そして、なんといっても、その若々しさ…。
見事です…
ところでこの展覧会には「冠」がついていまして、公式なタイトルは、
興福寺中金堂再建記念特別展 運慶
です。
運慶(工房)の作品といえば、東大寺・南大門の巨大な金剛力士像を連想する人が多いでしょう。
でも、この金剛力士像(さすがにこの展覧会には出陳されておりませぬ)だけでなく、奈良公園周辺には、運慶(工房)制作の名品が空前絶後の規模で集中しています。
とりわけ、私が毎年一度は訪れている興福寺の仏像たちの素晴らしさときたら、ハンパありません
興福寺のお堂や国宝館でお目にかかったことのある仏像が大挙して展示されていました。
まずは、この展覧会のハイライトともいうべき、興福寺北円堂の仏像配置を再現してみたというコーナー。
北円堂御本尊の弥勒如来坐像などはお出ましになられなかった(写真のみ)のですが、現在南円堂で御本尊・不空羂索観音菩薩坐像をお守りする四天王像(もともとは南円堂ではなく、別のお堂にいらっしゃったそうで、元の場所として北円堂説があるそうな)が、無著・世親菩薩像と共に並ぶ様は、トーハク自慢のライティングの妙も加わって、素晴らしいったらありませんでした
これらの仏像たちにお目にかかったのは、2013年5月に、興福寺の北円堂と南円堂で拝見して以来のことです。
この時の記事から再掲しますと、まず、南円堂の四天王像については、
私、常々、「鎌倉期は日本のルネサンスだ」と思っているんですが、この四天王立像もまたいかにも鎌倉期特有のリアルさとダイナミズムをふんだんに発散していました。
今回、仏様たちを拝観しながら、ツイート的なメモ をとってきましたので、それを載せましょう。
多聞天:左手に宝塔を掲げて「ウォ~」
増長天:右手を腰に「ドヤ」
広目天:左手を腰の前に「ウン」
持国天:刀をチェック
そして、無著・世親菩薩像を含む北円堂の仏像たちについては、
弥勒如来:顔が大っきい
世親菩薩:たけし似
四天王:フィクション
法苑林菩薩:鳥谷似
と、かなり畏れ多いメモをとってしまった私でした
それはともかく、「肖像彫刻の最高峰」の一つ(二つ)とも称される無著・世親菩薩像は、北円堂で拝見したときに感じたと同様、やはりとてつもなく心に響いてくる作品だったのですが(間近に見るとかなりデカい)、南円堂の四天王像が、凄かった…
とりわけ、多聞天の迫力たるや…
今、図録で見ても、凄まじい迫力で、東大寺・南大門の金剛力士像を上回るものがあるかもしれません
ちなみに、運慶展の図録は3,000円と、ちょっとお高めなんですが、構成や写真がお見事で、値段相応だと思います。
そうそう、興福寺からは、私が大好きでたまらない「天燈鬼・龍燈鬼」(こちらの記事をご参照方)もお出ましされていました。
これまで、何度も興福寺国宝館で拝見してきた「天燈鬼・龍燈鬼」でしたが、きょうは初めて、像の後ろ側からも拝見できました(運慶展では、ほとんどの仏像を背後からも拝見できます)。
そして、目からウロコが落ちたのは、龍燈鬼の下半身のムキムキぶり
後ろから見ると、龍燈鬼のふくらはぎ、太もも、そして、お尻のムキムキっつうか、プリップリが凄くて、鍛錬してるなぁ~、龍燈鬼 って感じでした。
この、龍燈鬼、展覧会グッズとして、フィギュア(高さ約:12cm、お値段:5,000円+tax)が販売されていまして、「天燈鬼・龍燈鬼」ファンを自負する私としては、かなり食指が動いたのですが、一所懸命に衝動を抑えて、買うのを断念しました。
なにせ、お高いもので…
と、この辺で終わりにしたいのですが、書き足りない気分たっぷりですので、後編につづきます。
つづき:2017/10/02 運慶展は堂々たる展覧会でした (後編)
グーグル検索で無料で読めます。少し難解ですが日本史のミラクルワールドに繋がります。何故これ程の仏像が収蔵されているのかが分かります。