「2023年の美術館・博物館めぐりの振り返り [前編]」で紹介した私の TOP 3につづく、次点は以下のとおりです。
次点も観た順番に紹介しますと、まずは、
私が片岡球子の回顧展を観るのは、2015年4月の「生誕110年 片岡球子展」@東京近代美術館(MOMAT) 以来2度目です。MOMATでの片岡球子展は、他の展覧会(大阪万博1970 デザイン・プロジェクト)と常設展も併せて観たこともあって、片岡作品のパワーに圧倒されて、楽しかった以上に疲れた印象でした。
この「面構~」展では、「面構」シリーズ全44点中42点(残る2点は、外務省が所有して在外公館(パリの日本大使館?)にあるという「面構 師歌川豊広・弟子安藤広重 師歌川豊春・弟子初代歌川豊国」と韮崎大村美術館が所有する「面構 浮世絵師烏亭焉馬と二代團十郎」)とそれに先立つ人物像を観ているうちに、逆にパワーをもらえた感じ。
ただ、片岡さん描く喜多川歌麿の「面構」が、いかにも大旦那風で、私のイメージと違っていて、「ん? 」となりました
この展覧会は、2月の福岡へのMISIA遠征のときに立ち寄った福岡市美術館でたまたま開催されていたもので、まったくもって拾い物でした
詳しくは旅行記をご参照ください。
鑑真和上坐像が東北にやって来る というので、ずいぶん前から楽しみにしていた展覧会で、ほぼ鑑真和上にお目にかかることだけを目的に、仙台(博物館は多賀城市にある)まで日帰り遠征してきました。
博物館の最寄り駅はJR東北本線の国府多賀城駅なのですが、何を勘違いしたのかJR仙石線に乗ってしまい、多賀城駅から延々と歩いた 痛恨の思いを味わってしまいました。何度も行った博物館なのに…
でも、鑑真和上坐像を至近かつ360°からしげしげと拝見でき、また、2015年1月に「みちのくの仏像」展 @東京国立博物館[見聞録] で拝見した仏さまたちのいくつかに再会できて、はるばる出かけた甲斐があったというものです
東福寺 @東京国立博物館
京都の東福寺には、数年前から行こう行こうと思いつつも、なかなか機会を見つけられなかったのですが、遂に今年1月のMISIA遠征の際、初めて訪れることができました。[訪問記]
シーズンオフで参拝客が少なくガラガラの伽藍を歩き回り、噂に違わぬ素晴らしさにホクホクしたのですが、なんだか建物だけを楽しんだ感じは拭えませんでした。
この約3か月後に、この感覚を払拭して、さらに補完してくれたのが、「東福寺」展でした。
ハイシーズン(紅葉期)の通天橋の再現はなんともビミョーな企画だったものの、
色彩豊かな五百羅漢図 (明兆、凄い)とか、凄まじい迫力の「遺偈(いげ/ゆいげ)」とか、見応え満点でした。
ジャムセッション 石橋財団コレクション×山口晃
ここへきてやむに止まれぬサンサシオン @アーティゾン美術館
大のお気に入りの山口画伯の展覧会でございます。
石橋財団コレクションとのジャムセッションっつうのは「う~む…」でしたが、それでも山口画伯の作品たちを久しぶりにたっぷりと拝見できてにんまりでした。
とりわけ、うちにもある「東京2020アートポスター」の「馬からやヲを射る」の原画を拝見できて盛り上がりました と、、、絵に合わせてマットに切り込みが入っている
歌川広重:東海道五拾三次の「原 朝之富士」「掛川 秋葉山遠望」も、枠からはみ出した富士山とか凧を見せるためにこんなマットで額装しているのを観たことがありますけれど、ポスターはどうなっているんだ?
こうなっていました
この遊びごころよ…
「次点」の最後は、今年の美術館・博物館めぐりの掉尾を飾ったこちら。
北東北(青森・岩手・秋田)の地方の村々で祀られてきた仏像の展覧会。
ただし、仏像とはいっても、国宝や重要文化財に指定されるような著名な仏師や造仏僧が手練手管を駆使して生みだした荘厳なものではなく、なんとも素朴というか、簡素というか、下手くそというか、そんな仏像たちが並ぶ、なんともハート・ウォーミングな展覧会でした。
展示されている仏さまたちの中に、相対的に洗練された仏さまがいる と思ったら円空仏だった なんてこともありましたし。
「鰯の頭も信心から」なんてことばに例えたら失礼極まりありませんけれど、信仰の原点を感じるような気がしました。
ずっとニコニコしながら観ていたところ、吹き出しそうになった仏さまが2組ありました。
まず、六観音立像 (岩手・宝積寺)。
左から3人目の馬頭観音は、シソンヌ次郎さんに似てませんか?
そして、尼藍婆・毘藍婆 (共に複製・岩手県立博物館、原像は花巻市・三熊野神社毘沙門堂)
これは「さいたまポーズ」の原型ではなかろうか
なお、場内は撮影禁止のため、上の写真はこちらのサイトから拝借しました。
お次は「もう少しで次点」です。
150年後の国宝展 @東京国立博物館
皇室の名宝と秋田 三の丸尚蔵館収蔵品展 @秋田県立近代美術館 [記事]
文字数制限が迫っているため、展覧会名のみで失礼いたします
[前編][後編]で終えるつもりでしたが、もうちょいと振り返りたいことがありますので、[番外編]につづきます。
つづき:2023/12/30 2023年の美術館・博物館めぐりの振り返り [番外編]
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