新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

トーハク見聞録の落ち穂拾い

2016-03-30 23:49:26 | 美術館・博物館・アート

「博物館・美術館の仕事は展示・保存するだけではないんだ」のつづき、というか、先週末の東京国立博物館(トーハク)のお話の「落ち穂拾い」です。

「博物館・美術館の仕事は展示・保存するだけではないんだ」完結編だったはずなのですが、トーハクは、何度行っても、目先が変わっていて、今回も、書いておきたい作品がいくつもありましたもので…

まずは、相変わらず刀剣女子で賑わっている刀剣コーナーで観たこちら。

ピッカピカ直刀で、新しい時代の作品かと思いきや、説明板によると、

直刀(号 水龍剣) 無銘 奈良時代・8世紀
奈良時代の直刀は、正倉院のものを除けばその数は少ない。この直刀は重(かさね)(刀身の厚さ)が篤く、保存の良いもので、正倉院に伝来し、一説に聖武天皇の御料とも伝えられる。明治になって加納夏雄による水龍文の金具の拵(こしらえ)が製作されたため、水龍剣の号がある。

だそうです。
なんと、元は正倉院の御物

加納夏雄による水龍文の金具の拵が製作された」と聞けば、思い出します。
去年の12月、「梨地水龍瑞雲文蒔絵宝剣(なしじすいりゅうずいうんもんまきえほうけん)を拝見しました
こちらの記事に載せた写真をもう一度載せておきましょう。

これほど見事なを誂えたというのは、水龍剣に対する明治天皇なんでしょうねぇ。

  

次も武具で、こちらの

説明板には、

紺糸威烏帽子形兜 江戸時代・18世紀
中央を尖らせた圭頭(けいがしら)の烏帽子形で作り、表面に荒い麻布を貼って金箔を押している。正面に真鍮の輪貫(わぬき)の前立を付ける。[以下略]

ということで、輪貫の前立」とありますが、烏帽子形の兜とくれば思い出すのは、、、、

加藤清正公ですな。
加藤家伝来の兜かとも思いましたが、説明板には、そんなそぶりもありません。

考えてみれば、加藤家は、清正の子の忠広の代に改易なったんでしたっけ…

でも、どう見ても、加藤清正を意識していると思うんですけど、どうでしょ?

それにしても、「荒い麻布」「金箔」の取り合わせ、凄い感覚だと思います。

私の感覚では、甲冑安土桃山時代~江戸時代初期外連味たっぷり楽しい一方、江戸時代中期~後期には「いかにも兜」的なものが多くて面白みに欠ける、というものだったのですが、この「紺糸威烏帽子形兜」には恐れ入りました。

   

最後は、ちょっと季節外れ雛飾りです。

この精緻華麗、豪華絢爛な調度…

説明板によると、

三つ葉葵紋蒔絵雛道具 江戸時代・19世紀
出雲松江藩松平家伝来、松平直亮氏寄贈

だそうです。

「出雲松江藩松平家」といえば、、、、そうです この松平氏

国宝・松本城天守完成させたと思ったら、松江に移封され、結局は国宝2城の城主という希有な存在となった松平直政公の系統です。

おっとっと、早く信州旅行記を書き終えねば と現実に引き戻されたところで、次からは「半年前の信州旅行記」再開します

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