2日続けて、日経の1面トップが、13版と14版とで違っていました。
13版(うちに配達されたもの)は「総選挙は8月30日」(だったはず)で、
14版(勤務先に配達されたもの)は「日産 中国で2割増産」。
2日続けるとは…。「2度あることは3度ある」なんて言葉もありますので、明日もか?
2日続けて、日経の1面トップが、13版と14版とで違っていました。
13版(うちに配達されたもの)は「総選挙は8月30日」(だったはず)で、
14版(勤務先に配達されたもの)は「日産 中国で2割増産」。
2日続けるとは…。「2度あることは3度ある」なんて言葉もありますので、明日もか?
昨日の朝、めざましテレビを流しながらせこせことブログを打っていたら、新聞各紙の1面の紹介をしていました。
「当然、東京都議会議員選挙の結果だろうな」、と耳だけTVを向けておりました。
ところが、「各紙が1面で都議選の結果を伝える中、日経だけが違います」ですと。
へぇ~、キリンとサントリーが経営統合へ向けて交渉中ですって?
こりゃビックリです。こんなビッグ・ニュース
をつかんだら、東京都議選で自民党が惨敗しようが、民主党が第一党になろうが、そんなのは後回しです。他紙がいくらでも報道してくれますし、日経の場合、他紙の読者に比べて他の新聞にも目を通す読者の比率が高いでしょうから。
で、確かにこの特ダネが1面を飾っていました、職場に届いた日経では…。
ところが、ある程度想像してはいましたが、私の家に配達された日経の1面は違っていました。
ご覧のとおり、1面は都議選の結果です。
どちらも、2009年7月13日(月)の日本経済新聞 朝刊の1面ですよ。
なぜに?
実は、同じ日付の日経ではありますが、「版」が違います。
私の家に配達された日経は13版、職場に配達された日経は14版(最終版)です。
新聞社は、印刷工場から遠く、輸送に時間のかかる地域向けから先に印刷して出荷します。そして、だんだん近い地域向けに印刷していきます。
しかも、印刷に間に合う限り、ギリギリまで最新の記事に差し替えていきます。
現在は、全国紙ならば、日本各地に印刷工場を持ったり、他紙の工場に印刷を委託したりして、なるべく新しいニュース、英語で表現すればlateなニュースを載せた新聞にしようとしていますが、昔は違いました。
私が住んでいたような田舎では、地元の地方紙はともかくも、全国紙やスポーツ紙には最新のニュースなんか載っていませんでした。
例えば、プロ野球のナイトゲームの結果も、
巨人 000 000 ■■■
阪神 301 500 ■■■
といった具合で、途中経過しか載っていませんでした。
それはさておき、最終版とその直前版との違いに話を戻しまして、、、
キリンとサントリーを巡る記事は、13版の〆切と最終版の〆切との合間に入手した特ダネだったのでしょうか?
真相は知る由もありませんが、常識的には、かなり前から特ダネを仕込んでいて、他社がついてこられなくなるまで隠していたのだと思います。
縮刷版に載るのは最終版だけですしね。
ということは、私の家に配達された版は、配達された時点で「古新聞」だったということ?
値段は同じなのに?
もっとも、コスト(遠いと輸送コストがかかる)と読者の効用(古いニュースを読まざるをえない)を秤にかければ、どっこいどっこいなのかもしれません。
こうした特ダネを仕入れて、最終版まで手もとにとどめておく時の編集部の雰囲気ってどんなものなんでしょうか。
他紙が先に記事化してしまうのではないか、と、ハラハラドキドキなんでしょう、きっと。
そして、各紙の最終版が出そろって、まさしく一紙独占の特ダネになった時は、最高の気分なんだろうな…。
もっとも、それが「トバシ記事」の畏れもあるわけですが…。
こうした「特ダネを読める/読めない」という不公平感は残るものの、私は、特ダネを追い求めて、他紙を出し抜くこうとすることは、ジャーナリズムのあるべき姿だと思っています。
記者クラブに集う各紙の記者が記者会見の様子を同じように書いたり、広報リリースをそのまま転記したかと思うような記事ばかりだったりじゃ、つまらない、いや、危ないです。
取材する側と取材される側との間に、場合によっては信頼関係が必要な場合もありますが、緊張感がなくなったら、ただの「ちょうちん記事」や「御用新聞」になってします。
そんな意味で、某大新聞の主筆の怪しい動きや、それを受けた某大新聞の論調は、かなり報道機関の道を外れているんじゃなかろうか。
どの新聞も、それぞれ固有の「色」がついています。
今起こっていることを知ろうとする時は、それを踏まえて、なるべく多くの新聞を読んで(web版を読んで)、考えて、自分なりの視点・見解を持つのがよろしいのではないかと思います。