『ラスト・ワルツ』(1978年)を見ました。
1976年のザ・バンド解散ライブの映画です。
大物ミュージシャンが次々とゲストとして登場し、最後はボブ・ディラン。
しかし、タイトル・クレジットではエリック・クラプトン、ニール・ダイアモンド、ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング・・・という順。
マディ・ウォーターズの貫禄には圧倒されたけど、私としてはニール・ヤングの「ヘルプレス」が一番。
『70年代アメリカン・シネマ103』にマーティン・スコセッシの言葉が載っていて、そこに
ぼくのいちばん好きなシーンのひとつは、「ヘルプレス」を歌うニール・ヤングが他の連中のマイクにつまずくところた。皆まるで街の通りの隅に立っている連中のように見える。あのニール・ヤングの辛そうな感情のあふれた目を見るたびに、ぼくは泣いてしまう。
とあって、うれしくなりました。(つまずくところは映画では見えないと思う)
筈見有弘氏は「ヤングの目はうつろで、彼の演奏に懸命に合わせそうとするザ・バンドの姿がほほえましい」と書いています。
筈見有弘氏は
エリック・クラプトンはブルースを極めた男だが、そんな彼が尊敬するギタリストは、ザ・バンドのロビー・ロバートスンなのだそうだ。クラプトンはロバートスンのほうをあやしい目で見ている。
と続けています。
エリック・クラプトンは1945年生まれ、ロビー・ロバートソンは1943年生まれで、ちょっと先輩。
なぜ解散するのかとマーティン・スコセッシに聞かれたロビー・ロバートソンは、「16年間一緒にやってきた。20年も続けるなんて考えられない」、そして、「素晴らしい奴らが音楽に死んでいった」と答えています。
しかし、ウィキペディアには、ロビー・ロバートソン以外のメンバーは解散を望んでいなかったとあります。
解散の時点でロビー・ロバートソンは33歳。
何かの終わりを象徴しているような映画でした。
みんな楽しそうに歌ってるけど、40年後にボブ・ディランがノーベル文学賞をもらうとは誰も頭に浮かびもしなかったでしょうね。
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