三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

世界こどもサミット

2018年07月11日 | 問題のある考え

安倍昭恵氏が発起人の「世界こどもサミット」にKAMIスタイルという新興宗教が深く関わっていると、「週刊文春」が報道しました。
http://bunshun.jp/articles/-/8039

「世界こどもサミット」のHPを見ますと、こんな説明がされています。 

世界こどもサミットとは?
こどもは地球の宝物、その可能性は無限大です。
こども達の中には、既に自分の生きる道や、行動指針、
生まれてきた意味などが、大人から教わらなくても理解している子がいます。(略)

http://wcs-tokyo.com/guideline/

「生まれてきた意味」とは何でしょうか。
15人のこどもスピーカーのうち、4人は胎内記憶や前世の記憶があるそうです。 

斎藤希望さん(さいとう のの)
内記憶を聞こうと3歳頃から5歳頃まで母が聞き出そうとトライしたが全く話す気配もなく、何のことかわからない感じだった。小2の時、突然胎内記憶を2時間くらい話し始めた。
羽生すみれさん 11歳 出身地 東京(はにゅう すみれ)
胎内記憶を持ち、生まれた時から「かみさま」「天使さん」「お腹の中の赤ちゃん」 「見えないけれど温かく見守ってくれる存在」と会話している。
小木曽健登さん 13歳 出身地 名古屋(こぎそ けんと)
幼少の頃、「僕がママを選んだんだよ、空からママを見ていてこの人がいいって思ってジャンプしたんだ~」と言ったり、産まれた直後NICUに居た時の記憶を話すなどしていた。映画「かみさまとのやくそく」を見たことで、前世の記憶を思い出す。
中塚彩葉さん 13歳 東京(なかつか いろは)
2才頃、母親からお腹の中にいた時の事を聞かれ、胎内記憶、生まれる前の事を話し始めた。どうやって親を選び生まれてきたか、生まれる前にどこにいて何を学んだか、何のために生まれて来たか、といった話を日常の中で自然に話していた。

『かみさまとのやくそく』の池川明氏と子供たちが、世界こどもサミットで胎内記憶や中間生について話し合いをしています。

私としたら、こんなことを話すような集まりはうさんくさいと思うのですが。

胎内記憶や前世の記憶を思い出すということは、スピリチュアルの考えの一つです。
生まれ変わりを繰り返しながら霊性を向上させるのが生まれてきた目的である。
向上するために、自分で課題を持ち、自分で両親や環境を選んで生まれてくる。
たとえば、障害を持ったり子供を亡くしたりすることは、そういうつらい経験をすることによって学び、自分自身を向上させるためである。

これはスピリチュアルの世界ではよく聞く話ですが、おかしな点はたくさんあります。
『かみさまとのやくそく』の上映運動をしている人と会うことがあったので、「親から虐待されて殺される子供もそういう親を選んで生まれてきたのか」と尋ねたら、「そんなことは考えたことがなかった」と言ってました。
身分差別でも同じで、自分で選んで生まれたわけですから、差別は社会の問題ではなく、自己責任ということになります。
さらには、虐待した親や差別する人に、いい経験をさせてもらったと感謝しないといけません。

実際、江原啓之氏は「自分は殺されたことにより、殺された心の痛みを理解できて、二度と人を殺さない魂になれる。だから、その人のおかげで自分はそれだけ向上できるんだから、そして自分のことでカルマを背負ってくださるから、その人を愛さなきゃいけない」なんてことを言っています。
https://blog.goo.ne.jp/a1214/e/a8d36437a4ed4ddcfbe21b66e0eed5c1
だったら、オウム真理教事件の被害者も麻原彰晃たちに感謝し、愛さなくてはいけません。
死刑囚も、死刑という得がたい経験をするために生まれてきたのか。
安倍昭恵氏や池川明氏たちはそこらをどのように考えているのでしょうか。

福島史織氏が自身のフェイスブックに、安倍昭恵氏は「神の存在に近い」と書いていることについて、知人が「オウム事件がなぜ起きてしまったのか分かっているのか、いや、分かっていないのだろうなと思う」と指摘してました。
私はそのことに気づかなくて、ああ、そうだったと思いました。

「神の存在に近い」ということ、これは単なるおべんちゃらかもしれませんが、もしも本当にそう思っているとしたら、生き神信仰みたいなもので、問題ありです。
つまり、麻原彰晃を最終解脱者として絶対視したオウム真理教の信者と変わりません。
自分を神に祀り上げようとしている人なんて信用しないほうがいいし、愛想で言ったのなら、これまたろくな人間ではないと、誰かが安倍昭恵氏に忠告すべきだと思います。

コメント
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