三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

ダーレン・リン・バウズマン『ソウ2』

2005年11月15日 | 映画


『ソウ』が面白かったので、続編である『ソウ2』に期待したが、後味が悪かった。
「よくも悪くもおぞましい“拷問映画”であった。」
(毎日新聞映画評)

『親切なクムジャさん』も拷問映画と言えるかもしれないが、犯人はそうされても仕方ない人間として描かれている。
しかし、『ソウ2』は違う。

『ソウ』には、生きる尊さを教えるんだという屁理屈が曲がりなりにもあった。
しかし『ソウ2』では、一軒家に閉じこめられた8人がどういう人間なのかが描写されていないため、彼らがじんわりといたぶられて殺される理由がわからない。
というより、そんな理由はない。
楽しみのためにじわじわと殺されていく。
そりゃ、ホラー映画というのは理由もなくどんどこ殺されていくわけだが、たいていは殺される人間に感情移入することはない。
あっさりと殺されるからだ。
だが、『ソウ2』の場合はねちこらとしている。
まさに拷問である。

犯人の住む建物に警官隊が突入するが、階段にしくんだ罠で一人が大けがをする。
だけど、他の警官は怪我人が大声をあげているのをほっといて、そのまま突入する。
怪我人はどうなるのかと、いらぬ心配をした。
登場人物一人一人の痛みを楽しむ映画と言えようか。

続編がどんどん作られそうな終わり方で、「13日の金曜日シリーズ」化しそうである、内容のほうも。

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