三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

ピーター・チャン『最愛の子』

2016年03月11日 | 映画

ピーター・チャン『最愛の子』は、誘拐された3歳の息子を探し続ける両親の話です。
ネットで調べると、中国では毎年20万人もの子供が誘拐されるとあるし、年間5000件の誘拐があるとも書かれています。
どっちの数字が正しいのでしょう。

子供が行方不明になった親の会があるそうです。
『最愛の子』では、親の会の交流会で、一人ずつ自分の体験や気持ちを語り、それに耳を傾けるシーンがあります。
子供を捜すために仕事を辞めた人。
精神異常とされて入院させられた人。
報奨金目当ての電話が何度もかかってきたが、「希望は飯みたいなもんだ。今は詐欺師の電話さえ恋しい」と話す人。

『最愛の子』にはいろんなエピソードが語られますが、きちんとリサーチしているでしょうから、子供が行方不明になった親たちが実際に経験したことばかりだと思います。

妻が妊娠したので出産許可証を申請すると、第一子の死亡届を出せと言われ、「子供は死んでない」と担当者に文句を言うシーンも事実でしょう。

ちょっと驚いたのが、「自分の不注意のせいで子供がさらわれたんだ」と泣き崩れる母親を励ますために、全員が手拍子を打ちながら、「がんばれ、がんばれ、がんばりましょう」コールをすること。

無理に励まさないのが自助グループの鉄則ですが、国民性の違いなのか、場合によってはこれもありなのか。

それと、母親役の女優さんがいずれも美人ぞろいということ。
映画の最後にモデルとなった人たちが出てきますが、養母はヴィッキー・チャオには似てませんでした。

コメント (15)
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