三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

少年死刑囚の写真

2015年07月13日 | 死刑

10年以上も前のことになりますが、犯罪被害者遺族として死刑廃止を訴え続けているレニー・クッシングさんと、アメリカの少年死刑囚の写真を撮影し続けている写真家トシ・カザマさんの講演を聞きに行ったことがあります。
きわめて重たい話でした。

それまで死刑についての本を何冊か読んでいて、予備知識はあったつもりでしたが、しかし実際に話を聞くと、何とも言えぬ重い気持ちになりました。

レニー・クッシングさんの父親は自宅に押し入った強盗に殺害されました。
被害者の救済と同時に死刑の廃止も求める「和解のための殺人被害者遺族の会」の代表をされています。

アメリカには18歳以下の死刑囚がいます。
トシ・カザマさんは彼らと会い、対話し、そして撮影します。
死刑囚のみならず、死刑囚の家族、被害者の遺族、そして刑務所や死刑を執行する部屋などをも写しています。
死刑囚といくら親しくなっても、いつか死刑が執行されて死ななくてはいけません。

中には、犯行現場にいただけなのに死刑になったり、明らかに無罪の少年もいます。
実際に犯罪を犯した人には、人を殺すまでに到る闇があります。
そうした話をいくら聞いても、カザマさんにはどうすることもできない。

カザマさんは重たいものを背負うだけです。
カザマさんが写した写真を見ながら、そうした話を聞く私たちも、そのいくらかを背負うことになる。
聞くということはしんどい行為です。

それから何年かして、レニー・クッシングさんをはじめとする「和解のための殺人被害者遺族の会」の方たちの講演会を聞く機会がありました。
英語で話して、日本語に通訳という講演ですから、靴の上から足をかくような感じです。

質疑応答で、死刑に反対ということとキリスト教の信仰と関係があるかという質問をしました。
「無宗教だ」と答えたのがローゼンバーグ夫妻の息子さんでした。
「自分はキリスト教を信じているが、それと死刑廃止とは関係ない」と答えた方もおられました。
加害者に対する憎しみや怨み、復讐心はないのか、あるとしたら、なぜ死刑に反対しているのかといったことを聞きたかったです。
もしも私が英語がぺらぺらで、みなさん方と一杯飲みながら話をする機会があり、そういった話ができたらと思いました。

コメント
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