日本語ペラペラのアメリカ人と話していて、英語より日本語のほうが難しいと言うので、高校のころ英語がまったくダメだった私は賛成できなかった。
そのアメリカ人は4歳の時に新聞のスポーツ欄を読んでいたという。
日本語は平仮名と漢字が混じっていて、両方を覚えないといけないから大変だと言われ、なるほどと思った。
そういえば、全盲の人が、点字だけでなく漢字の読みも覚えないといけないと言われたことがある。
漢字の読みにしてもいくつもあり、文章の流れでどう読むか判断するわけだが、たとえば「臭い臭い」を「くさいにおい」とは日本人でも読めないかもしれない。
「いつも学校に通っている道を通っている」は、最初の「通って」は「かよって」、後のは「とおって」。
辛い(つらい・からい)
覆った(おおった・くつがえった)
そっちの方(かた・ほう)
行った(いった・おこなった)
などは、読みによって意味が全然違ってくる。
抱く(だく・いだく)
描く(えがく・かく)
酷い(ひどい・むごい)
止める(とめる・やめる)
違わぬ(たがわぬ・ちがわぬ)
塗れた(まみれた・ぬれた)
注ぐ(そそぐ・つぐ)
堪える(たえる・こたえる・こらえる)
下に(したに・もとに)
出そう(でそう・だそう)
入れる(いれる・はいれる)
疑った(うたがった・うたぐった)
吐く(はく・つく)
大事(だいじ・おおごと)
今日(きょう・こんにち)
外面(がいめん・そとづら)
など、意味は似かよっているだけに、かえってどう読むのか頭を悩ます。
平仮名にしたら読み間違いがないかというと、そうでもない。
なくなる(無くなる・亡くなる)
とまる(泊まる・止まる・停まる)
かえす(返す・帰す・孵す)
かえる(帰る・変える・代える・買える)
きる(着る・斬る・切る・伐る)
つく(着く・付く・突く)
平仮名だと、「私ははいれなかった」のように読みづらくなることもある。
「お父さんはなくなっていませんね」は二つの読み方がある。
たしかに難しいものだと納得しました。