三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

原武史『大正天皇』

2005年08月21日 | 

大正天皇は病弱で無能、はっきり言うと、少し足りない人だと思っていた。
原武史『大正天皇』によると、子どものころは病気ばかりで、成人できるかすら危ぶまれる状態だった。
しかし、20歳前から元気になって、全国あちこちを行幸している。
思いついたことを気楽に質問し、形式張ったことが嫌いなところなど、威厳とか尊厳とかはあまりないようだが、気のいい人という感じである。
ところが天皇になると、再び病気がちになってしまう。
もしも大正天皇が元気で、もう20年も長生きし、気さくな天皇として振る舞っていたら、日本の歴史は変わっていたかもしれないと思った。

ベルツの日記に、伊藤博文が

皇太子に生まれるのは、全く不運なことだ。生まれるが早いか、到るところで礼式の鎖にしばられ、大きくなれば、側近者の吹く笛に踊らされなければならない。

と放言したと書いてあるそうだ。
私も伊藤博文に賛成である。

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