欧州銀行の株価が売られています。
背景はAT1(CoCo債)ショックです。スイスの連邦金融市場監督機構(FINMA)がクレディ・スイスAT1債約160億SF(約2.3兆円)の価値はゼロに切り下げられる。一方、クレディ・スイスの株主は計30億SFのUBS株を受け取ることになっていると発表されたためです。株が0ではないのになんで?とAT1債を保有している投資家は不信感を募らせています。
AT1債は一般的な債券とは異なり、バランスシート上では株式と同じ資本金に加算されます。劣後債なので利率は一般債よりも高く設定されています。BIS規制がらみで欧州銀行はAT1債を発行し、自己資本を厚くしてきた経緯があります。
先週の欧州市場では銀行株が大幅安。AT1債も売られました。特にドイツ銀行の株価は前日比8.5%下落しました。同行のAT1債も大きく売られ、7.5%CALL 2025年4月ドル建て永久劣後債は前日比12. 2ポイント下落。その他の銘柄も5ポイント以上売られています。
クレディ・スイスのAT1債が無価値になったことによる弊害です。投資家の多くはまさか無価値になるとは予想していなかったでしょう。
投資家は今後AT1債投資にはかなり慎重になるでしょう。AT1債の発行条件はより高いクーポンが求められるようになります。
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