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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

社会保障と税の一体改革

2011-12-04 23:20:04 | 年金

10月・11月と仕事と支部の事業で忙しくしており、毎日時間単位で動いたため落ち着いて何かをするということができない状況でしたが、今週末でやっと一息つけるかなという感じになりました。これから年末にかけて少し丁寧にこれまでの整理をして、新年の準備をしていきたいと思います。社会保障と税の一体改革のことが最近よくメディアで取り上げられており、内容が気になるところですね。自分の勉強もかねてまとめてみたいと思います。

厚生労働省の社会保障審議会年金部会が、社会保障と税の一体改革についてに関する論点整理案を提示しています。今後優先事項の詳細を詰め、来年の通常国会に関連法案を提出し、一体改革での実現を目指すとのことです。

●優先的に検討すべき事項として

①過去の特例措置で本来より2・5%高くなっている年金額の減額。具体的な解消方法を検討。…これについては先日の提案型政策仕分けで財務省が「特例水準で膨らんだ給付額の累計約7兆円は、意図せざるもらいすぎ」と説明していました。ちょっとその額の大きさに驚きました。結局本来の額は特例額に全く手が届かないまま8年が過ぎたことになります。特例水準を確保すれば老齢基礎年金の満額は788,900円、本来額に戻せば769,200円、基礎年金だけで行けばその差は年間19,700円です。1人1人にすれば月2,000円にもいかずそれほど大きな額ではないように感じるので即刻本来額にしてもよいような気がするのですが。

②共済年金の「職域部分」と呼ばれる給付の上乗せ部分を廃止。公務員が加入する共済年金は、厚生年金保険の制度に原則として一元化。・・・これは、平成19年に政府が提出し、その後廃案になった一元化の法案の内容をもとに検討が進められるようです。

③受給資格を得るための年金の加入期間については、短縮する場合、現在の25年から10年とする。…10年にしたらそれはそれで10年に満たない人が大勢出てくるのではないでしょうか?

④パートタイマーなどの短時間労働者に厚生年金保険の適用を拡大。・・・これは企業の負担が大きいためそう簡単には決まらないと思いますが。

⑤産休中の保険料免除。

⑥基礎年金の国庫負担割合を2分の1に維持。

⑦高所得者の基礎年金を最大2分の1減額。

⑧低所得者への加算は年収65万円未満の人の基礎年金に一律月額1万6000円を上乗等。…これについては委員から「加算は保険料免除者に限定すべきだ」との意見が相次いだため、対象者を再検討することになりました。

●継続的に検討すべき事項として

④年金の支給開始年齢。・・・「当面、引き上げは適当でないという意見の一方、諸外国の引き上げの動きや平均寿命の伸びなどから、中長期的には検討が必要という意見もあった」ということです。

⑤支給額の伸びを抑制するマクロ経済スライドの強化。・・・マクロ経済スライドは実行されたとしても効果が緩すぎると思いますので一度も使わないままですが廃止にしても良いような気がします。

詳しくは以下をご確認ください。↓

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wcv7-att/2r9852000001wcyx.pdf

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