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ある日突然捨てられる会社・ユニクロ・マック  最終回

ある日突然捨てられる会社ユニクロとマック

最終回

飽きられない経営とは何か

プリモリサーチジャパン代表の鈴木孝之(凶名)氏は、マックが目先の利益を追うために、品質の保持や人材育成を弱体化させたことも経営不振の一因だと指摘する。『マックは直営店を売却し、フランチャイズ店にシフトしていきました。

 これは短期的な表面上の収益を出すための対策にすぎません。売却すれば利益が出るのは当たり前ですが、売る店舗が無くなれば収益は悪化するそれまでは本社の人間が責任を持って人材を育成し、結束力を培っていましたが、フランチャイズ化はある種のリストラですので、マネジメント体制が弱くなっていくのは避けられせん」

盛者必衰の理(ことわり)。きっかけはユニクロの場合は値上げであり、マックの場合は鶏肉の賞味期限偽装だった。SNS全盛の現在、ちょっとした違和感がツイッターやフェイスブックなどで一気に拡散し、共感の輪を広げて行く。

その結果、企業への違和感が『飽き』として表面化し、消費者に捨てられる。だからと言って縮み上がって居ても、打開策は生まれない。ビジネスとは何か。

 その原点に戻る事こそが重要だ。前出の吉原氏は『使い古された言葉かもしれませんが』、と前置きをしたうえで、『感動』をキーワードに挙げた。

 「お客様に感動を与えて、いかに喜んでもらうか。経営とは感動を生む価値を創造し続ける営みと言っていい。それだけが『飽きられない経営』かも知れません。

 ただ、企業規模が拡大するにつれて経営者はそうした経営の原点を見失ってしまう。

マックも日本に上陸した当初は大きな感動を日本人に与えました。

所が収益率の向上を目指す余り、消費者に利幅の高い商品を買わせることが目的になってしまった。これでは消費者が離れるのも当然です」

ユニクロ、マックの失敗は他人事ではない。消費者を感動させることを放棄したとき、その会社は世間から簡単に捨てられるのである。 

終わり

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