湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

縄文のビーナスは安産祈願の道具・・・歴史の考察

2018-08-18 17:58:40 | Weblog
縄文土器を眺めていると
まず、真っ先に思い浮かぶのは

「これは一体、何に使ったモノだろう?」

という疑問です

有名な火炎土器ですら
いまだに、何に使ったモノか、分からないのです

こういう時、考古学者は

「呪術や祭祀に使われた」

と言うのです

”呪術や祭祀”って何ですか?
縄文人は迷信に支配された未開人で
わけのわからぬマジナイや祈祷をしていたと言いたいのでしょうか?
そのための道具が用途不明の縄文土器なのだと・・・

「呪術や祭祀に使われた」という言葉は
何に使ったか分からないという意味でしかありません
ただ「分からない」と言うのでは、格好がつかないので
小難しい言葉で誤魔化しているだけです

”呪術や祭祀”という言葉を聞くと
考古学者こそ”呪術や祭祀”に頼る人々だと、私は思います
分からないことを呪術や祭祀でなんとかしようとする未開人です

とはいえ、私もまた
縄文土器の使用法が分からない点では同じです

ただし
私は縄文人を知性の乏しい未開人とは考えていません
彼らは、自由な発想と洗練された美意識を持つ文明人です
だからこそ、1万年以上の時間を
同じ文化を継承発展させながら、生き抜くことが出来たのです

そこで、私なりに、縄文土器の使用法を考えてみました

”縄文のビーナス”

と呼ばれる土偶について、考えてみたのです

まず、この土偶は妊婦像です
もっとも常識的に考えれば”出産の祈願”
すなわち”安産の祈願”に用いられた道具ということになります
縄文時代にあっては
出産にともなう妊婦の危険は、現在以上だったはずだからです

さて、次に、その使用法です
私の考えるところでは
この土偶は、妊婦の腹にあて、安産の祈願をするものです
首から紐で吊り下げて、ネックレスのようにしたのかもしれません
縄文時代は座位で出産したといいますから
妊婦が座った状態で首から下げ、腹にあてたのでしょう

その証拠が土偶の背面です
ヘラで削ったように、湾曲した平面になっています
背面が、妊婦の腹にぴったりくるようにできているのです
腹にあてた時、邪魔にならないように、脚は極端に短くしてあるのです

”ハート形土偶”の背面も
”縄文のビーナス”と同じく、湾曲した平面ですから
同じ用途に使った道具であることを意味しています
ただし”ハート形土偶”の腹部は極端に細く
股は大きく丸く開いています

”縄文のビーナス”には
妊娠を祝う意味も込められていますが
”ハート形土偶”では
より直接的に、安産を祈願する形態となっているのです
産道が開き、無事出産できて
出産後に腹が細くなることが強調されているのです

妊婦の腹に、ネックレスのようにして土偶をあてる安産のマジナイは
初めは板状土偶で始まり
やがて”縄文のビーナス”や”縄文の女神”のような傑作が生まれ
その後、より安産祈願に特化した”ハート形土偶”なども現れ
縄文時代を通じて継承された習俗だったのです










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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-08-27 20:48:58
中々面白い考察ですね。
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