無意識日記
宇多田光 word:i_
 



オリコン上半期アルバムランキング。

1位 SixTONES
2位 SEVENTEEN
3位 宇多田ヒカル
4位 INI
5位 WEST.
https://www.oricon.co.jp/special/68052/

なんだそうな。『SCIENCE FICTION』が第3位。売れたねぇ。なお、

累積売上枚数:290,365枚
ダウンロード数:30,984ユニット
換算売上ポイント:371,463pts.

とのこと。枚数もダウンロードも総合も(他の順位はチャート毎に色々違う人たちに入れ替わってるのに)ことごとくどれも第3位。なんだかヒカルらしいなと思ってしまった。いろんな聴かれ方をしてる、つまり様々な世代やクラスタの人に接してもらってると。

これ、ベスト・アルバムとして売り出したのどうだったんだろうね?と今更ながらに思ってしまう。Re-RecordingとRemixとRemasterの威力を総合するとReproductionアルバムとして売り出すのもひとつの手だったかとも思うが、そういう売り文句だとそこまで極端な音の弄り方してないから期待外れって言われかねないし、バランスが難しいね。

これ、結局のところ、なんだかんだで「地味だけど前代未聞」な形態のアルバムなのかもしれない。邦楽について詳しくないからようわからんけど。

まぁともあれ、「宇多田のベスト?『First Love』とか聴けんの?」くらいのテンションで来てくれた人も満足できるし、オリジナル・バージョンを年がら年中聴いてる私のような人種も満足できてそうということで、これでよかったのかもしれないな。無理矢理不満を言うならば、ここまで力入れるんだったらもう新譜作ってもよかったじゃんって。それくらい気合い入ってたよねヒカル。

結果、『Single Collection Vol. 2』の時の感触に近いわな。旧曲を振り返りつつ新曲も楽しむ、ってのは。今回は新曲に加えて新録や新ミックスもだが。


で話をチャートに戻すと、CDが30万枚売れて、CDシリアルに割り当てられた枚数が6万枚くらいだったとすると倍率が最大5倍になってたのか。そうそう当たらんなぁそりゃ。2月応募分で当選出し過ぎたわね。まーその話はしたか。

となると、だ。これ相当ヒカルはツアーに来る人たちを「コンサート初心者」と思って接しないといけないかも。「いい?『Automatic』のサビではこう4回拳を突き上げてね…」とかって説明しなきゃいけない? うーん、スマートじゃないね。悪くはないけど。あたしは嫌いじゃないが。

コアなファンが何も有利にならなかったチケット抽選なので、ガチランダムでお客さんが来るってことね。何枚CDを買おうと倍率は上がらなかったし、CDシリアルの方が当選確率が低かった。半分以上が2月にタダのアプリをダウンロードした人なのよ、オーディエンス。「宇多田の名前は知ってるけれど」程度でもたくさんやってこれる。

唯一、今となっては、お高いチケット代が奏功してるかもしれない。来日アーティストとしては相場通りの金額とはいえ、物見遊山で出せる金額じゃない…よね? ある程度はそれで選別されてるかもしれない。

あとは、ヒカルの腕次第。コンサートの盛り上がりというのは、かなりの部分が観客の反応に依拠しているので、こういうファン層を相手にしてどうテンションを構築してくるかはみもの。そもそもライブの経験値が低いのに、何もしなくてもハイテンションになってくれるコアなファンを優遇せずに観客を構成したのだから、まぁ難易度は高いですよ。でも、それならそれで逆に、「コンサート初心者はまず宇多田を観ればいい。」みたいな評判が定着したらそれはそれで凄いことだよ。うん、楽しみなポイントだわここは。


ふむ、ほんに、今年の『SCIENCE FICTION』プロジェクト、フィジカルも楽しめるし、ライブも楽しめるし、チャートも楽しめる。ひっさびさの「全方位の宇多田ファン」が楽しめる座組になってるかも。これをきっかけにしてまた出戻りなファンが増えるかもね? ツアーの推移を、見守ろう。

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前回引用した三宅彰プロデューサーによる14歳のヒカルの発言、

『じゃあ今からダブル録りたいと思うんで、でダブルはちょっと軽く薄く歌うんで、ミックスで6:4で混ぜて貰えますか?』

の一言は、短いながらも様々な事を教えてくれる。この時点で既にレコーディングミックスの知識があったことがまずそうなんだけど、ヴォーカリストは「今からダブル録音するから軽め薄めに歌ってみて」と指示を出される事はあっても、自分でそれを思いついてやってみようとは言い出さない。つまり、ヒカルは14歳にしてプロデューサー(/ミキサー)としての自覚が既にあったということだ。実際にクレジットに反映されるのはもう少し先になるが。

その上で、自分で軽く薄く歌うと言っているのは、14歳にしてダブルでの歌い分けをどうすればいいかを知っていると共に、実際に歌い分けられる歌唱技術を既に持っていたという意味でもある。プロデューサーとしての目線と、ヴォーカリストとしての歌唱技術。何歳であってもこの両方を持ってる人は片方のみの人よりぐっと少ない。それが14歳で女子でしかもかわいいとなると、そりゃ他に居ないわな。

この、違った視点で物事をみることについては、ヒカルの最新インタビューでも触れてるわよね。「自分を客観的に観察することで初めて自分がわかる。」って。この客観性は、大人になる過程で育んだというよりかは、かなり元々ヒカルが性格的に携えていたものだったのだろう。まぁね、既に14歳の時点でCubic U のフルアルバム一枚制作してるんだし、それ以前にも、U3でレコーディング経験がある。そして本人も言うように、レコーディング・スタジオで宿題してたとかお家みたいな感覚もあった。


ああ、ダブルといえばSACRéを筆頭としてRe-Recordingでのメイン・ヴォーカルとバックコーラスのそれぞれの重ね方(重ねたり重ねなかったり)が見事なのだが、あれ?あたしのその話してなかったっけ?? 書いた気がするんだが見当たらないな。また次までに探しておきますか。もし見当たらなければ新しく書き下すまでだ。

今回のこの三宅さんのセリフで、宇多田ヒカルのバックコーラスの録音についての認識をやや修正する必要があるかもしれない。てっきり三宅さんの「もう一回」攻撃に代表されるように、周りからコーラスを分厚くしようと提案されてきたのかと思いきや、ヒカル自身が声を重ねる事に最初からノリノリだったのね。そんなノリノリな人でも真夜中にブチ切れて飛び出すほどテイクを重ねたって、三宅さんホント10代のヒカルに何回繰り返し歌わせてたんだよ…。

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