茉利さんが若き日に出演された映画『喜劇 女売り出します』
この映画は、森繁さんと市原悦子さんのストリッパー斡旋所と
周囲に起こる騒動を描いたシリーズですが
茉利さんが非常においしい所をかっさらっていく作品だと思いますので
未見の方にも非常に見ていただきたい作品の一つです。
(以下ネタバレあり)詳しく解説していきますと、
茉利さんの演じる朝子は東北の山形生まれの純朴な少女で
理由はちょっと忘れましたが、売春宿に売られています。
そんな朝子でしたが、ある日手助けもあって売春宿を抜け
真っ当な生活を歩むようになります。
売春宿を抜けた時点で、私は茉利さんの出番はもう終わりかな?と思っていたのですが
終盤、意外な展開を見せます。
と言うのは朝子が二人の女に惚れられ、
そのあおりで負傷した板前の菊男(うえだ峻さん)と
漁夫の利的に結ばれるからです。
朝子が菊男を看病するシーンを見ると、
朝子と菊男が結ばれるパターンじゃないかな?と感じられるものの
それまで二人の間に恋愛フラグは立っていなかった筈なので
唐突感は否めないものの、
個人的には(当時10代の)茉利さんがそう言う役を演じると言うのは、
結構嬉しい面もありました。
そして更に驚くのは、何と茉利さん演じる朝子が人に溢れた街中を
出前から意気揚々と戻るシーンに『完』の文字が被って終わると言うラストシーン。
色々と茉利さんが出演された映画を見てきましたが、
茉利さんのお姿がラストシーン、しかも『完』に被さっていると言う作品は
極めて稀な作品ではないかと思います。
この映画で個人的に茉利さんの印象に残ったシーンとしては
まず、売春宿で最初に登場するシーンが挙げられます。
ここでの純朴そうな感じは、茉利さんならではの雰囲気で
他にもラストの茉利さんが何度も演じている出前持ち姿や
米倉斉加年さんと逃亡するシーンで見られた、茉利さん特有の息遣いも印象的でした。
この朝子役は本当に茉利さんにうってつけの役所だったと思います。
(今回は以前、掲示板に掲載したレスを再編集したものを記事にしております)