大川橋蔵さんと言えば
テレビ時代劇で不滅の金字塔を打ち立てた『銭形平次』が代名詞ですが
『銭形』以前の橋蔵さんと言えば
もちろん、東映時代劇映画の看板スターでして
若さま侍シリーズ、新吾十番勝負シリーズ等々
勧善懲悪、痛快明朗な作品で活躍されたイメージがあります。
そんな橋蔵さん主演の映画で『この首一万石』と言う作品がありますが
これは、痛快明朗なイメージのある橋蔵さんの作品とは思えない作品で
橋蔵さんの役も筋立ても従来作品とは異なる重い雰囲気の作品でした。
ラストも大立ち回りこそありますが
これも従来の華麗な立ち回りとは異なり
悲壮感溢れた感じの立ち回りで、結局ラストは橋蔵さんが壮絶に討ち死にし
恋人役の江利チエミさんも死ぬと言う幕切れを迎えます。
当時の東映時代劇で結構作られていた
中村錦之助(萬屋錦之介)さんの『武士道残酷物語』に代表される
残酷時代劇だったのか、と後で調べて分かりましたが
橋蔵さんも従来の痛快明朗とは違った
残酷時代劇に出演されていた事は、寡聞にして知りませんでした。