つばめ江戸日記

岡本茉利さんや好きなアニメ、声優、時代劇等について好き勝手に思う事を書き連ねています。

今気付く格好良さと優しさ

2015年08月08日 | 声優列伝
日高のり子さんは皆様ご存知の通り、アイドルから声優に転じて
浅倉南を演じ、一躍人気声優となりました。
日高さんの声が当時の私には、非常に馴染み深かったのだと思いますが
南ちゃんを演じた直後位に、既に日高さんの名前やお顔も知っていて
当時、日高さんがやっていた『なっとく歴史館』とか『RCカーグランプリ』
日高さん目当てで見ていた位でした。
そう言う経緯がありますので
今でも日高さんの声が流れて来ると、何とも言えぬ懐かしさを感じます。
 
そんな日高さんの声に馴染んでいた私でしたが、以前も書いたように、
日高さんが初めて男の子役(名作劇場のピーターパン)を演じられた時は
日高さんのヒロイン声や、日高さんの素の声と言う先入観があったからか
「これがあの日高さん?」と
エンディングでキャストを見ても信じられませんでした。
 
後年、ピーターパンに関する日高さんのインタビューを読みますと

・ピーターパンは中性的なイメージがあるので、
女の子の多かった自分が少年役をやるならこれしかない!と考え、
ウエンディのオーディションを受けた後、
志願してピーターパンに挑戦しようとした

・使い慣れない声を使ったので、初回から声を潰し、
非常に厳しいかなと落ち込んでいたが
実際の放送を見て、周囲から褒めてもらった事が原動力になった

・”無邪気に思った行動、言動をする”ので格好良く演じるとダメ出しをされた

・「無い脳みそで考えるピーターパン」を演じるために色々と考えた
等々の逸話を語っていました。
 
インタビューで日高さんは、ピーターパンが
「”格好良く演じるとダメ出しをされた」とおっしゃっていましたが
前半に比べると、
後半のピーターパンはヒーロー的な面が強くなった気がしますので
結構格好良い面が強調された気は個人的にはしました。
 
それはそうと、そう言う日高さんの裏話を知ってから、
改めて『ピーターパン』を見直してみると、
元気な部分、ふざけた部分、シリアスな部分、心の優しい部分等々
色々な部分を持ったピーターパンの感情表現を
日高さんが見事にこなしている事に気付かされます。
 
格好良く決める所が本当に格好良く感じるのは言うまでもありませんが、
激しい部分(絶叫シーンとか)も
その場の感情に合った表現を披露していますし
優しい台詞回しのシーンも、普段の元気一杯さとのギャップから
妙に格好良く感じられました。
こうした色々な要素を押さえたピーターパンのキャラを
見事に日高さんはモノにしていたと個人的には感じました。
 
ピーターパン以降も、日高さんは色々な少年役を演じられましたが
最初の衝撃に加え、
ピーターパンと日高さんの声の間に一体感が感じられる気がしますので
日高さんの少年役で一番はピーターパンだ!と私は今でも思っています。