ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@札幌

2014年09月26日 | ◆一献一品出合い酒
さっぽろオータムフェスト「大通公園7丁目Bar」北海道ワイナリービレッジより、月浦ワイナリーのドルンフェルダー赤×HOKKAIDO酒肴マルシェより、サフォークの串焼。歩くに連れ盛り上がるイベントでのはしごなら、ビール&魚介から組み合わせを一新するのも楽し、このコンビが似合う。

道内グルメの屋台街から、杯が行き交う公園バーへ。一杯一皿でいただけるから、あれこれ試せて心が踊る。洞爺湖畔のワイナリーからは、深いルビーレッドのグラス。膨らむ果実香と抜ける渋み、未知なるワインの底力に刮目する。羊処の士別からは、希少な国産羊串を。柔らかい歯ごたえ、澄んだ香りとほとばしる肉汁に、独特の風味への認識を新たにする。赤と肉料理のフレンチベーシックなマリアージュ、青空の下でより輝きを増す一期一会。

長〜い公園を歩いて歩いて、北海道をまたにかけて食べて飲んで。丁目を進んでお腹も気持ちも豊かになっていくにつれ、チケットが残り少なくなってくるのがもどかしい、おいしい秋がいっぱい詰まった北の公園の終演近し。一献一品の小さな酒宴、そろそろ天下泰平なり。

一献一品出合い酒@札幌

2014年09月25日 | ◆一献一品出合い酒
さっぽろオータムフェスト出店の居酒屋「礼文島人」の、礼文ビール×利尻礼文島産殻付きウニ。食のイベントで道産のうまいものを食べ歩くスタートなら、最北の離島の最強ローカル魚介に最果て地ビールの、このコンビが似合う。

大通公園の秋は味覚の秋、ぶらり散歩で見かけた礼文の屋台で、高級海産物を気軽なアテにスタンディングでいってみよう。丸のまま焼いた磯香ばしさがプンプンのうちに、殻をペキリとオープン。トゲトゲな外殻にどこかモダンアートな内側と、無骨無気味なのに鮮やかオレンジの身が魅惑的だ。ツルリ、スルリ、トロリ、モタリとやれば、もう御意見無用の贅沢感。ミディアムボディの島ビールが、その旨さを島波の縦揺れでスイングさせていく。舐めて煽ればスパッと北へ、食宴に感謝乾杯の一期一会。

五丁目から始まる会場は、丁目ごとに趣向も旨さも盛りだくさん。ここはまだまだ入口間もない六丁目、歩むに連れて北都の秋がどんどん深まる、食いしん坊飲兵衛の気ままにお好みクロニクル。一献一品の小さな酒宴、駆けつけ天下泰平なり。

一献一品出合い酒@札幌

2014年09月24日 | ◆一献一品出合い酒
二条市場隣接ののれん横丁にある「酒と肴と炉端とマルコ」にて、二世古純米原酒あきあがり×仙鳳趾産生ガキ。創生川イーストで話題の落ち着いたゾーンで飲むなら、市場の建屋にある横丁で市場直送の魚介を楽しめる、このコンビが似合う。

ネオン輝くテレビ塔のそば、ちょっと町外れな札幌の台所。間口の狭い炉端の店で、北海のお魚三昧の宴が始まりだ。ニセコの酒はぬる燗で、ほの温かさに厚みがズシリ。かの山の堂々たる威容を思わせる、飲み口豊かなあきあがりだ。厚岸湾岸のカキどころからは、ツヤツヤぷっくり丸いのが登場。ミルキーな甘さ一点押しのまろやかさに、磯物潮物の貝なのをつい、忘れてしまう。酒も魚も道産のうまいものがみな集まる、北の集積市場の真骨頂たる一期一会。

十勝の平原から道内一の大都市へ、明るさと賑わいに気持ちがまだ追いつけぬ夜。歓楽街すすきののど真ん中に身を投じるより、物静かで隠れ屋風な川端の一画が、穏やかに盃が進むような北の夜のひとときか。一献一品の小さな酒宴、静々と天下泰平なり。

一献一品出合い酒@帯広

2014年09月23日 | ◆一献一品出合い酒
帯広駅構内で買った、麦とホップばんえい競馬ラベル×鮭皮チップ。十勝川と帯広市街をぐるっと巡ったなら、遡上の営みに敬意を評しての肴にパワフルなご当地ラベルの、このコンビが似合う。

力漲るばん馬の走りに、生命あふれるサケの泳ぎ。目の当たりにした息吹に興奮冷めやらず、宿で反芻の一献だ。がっちり肩幅の馬ラベルは、親しみあるいつもの軽さ。迫力の走りとは対称的な軽快なのど越しに、スイスイと進みゆく。サケの一番うまいところの乾きアテは、さっくりトロリと皮目のあの味わい。脂とコラーゲンたっぷりの食べ応えに、沖獲りもののエネルギーを感じる。十勝の雄大なスケールに、ホテル飲みで思いを馳せる一期一会。

広い北海道の旅路も半ば、この地で過ごす最後の夜。目にした自然、出会った人、味わった味覚。どれとも別れがたいながらも、先へと進み登り行こうと、彼らにいざなわれる十勝ラストナイトのひと時か。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。