ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

静岡第一ホテル@静岡

2019年07月09日 | 宿&銭湯・立ち寄り湯
旅程は2泊3日だったが、帰るのが面倒になりもう一泊。駅歩5分でポイント使い3400円でこの広さ、ベッドも余裕なら、多少古くても充分及第点だ。先着順で夕食に富士山カレーがサービスの日だったらしいが、見逃して残念。

朝起きたら旅程中で一番の晴天、これが昨日なら日本平の「夢テラス」から富士山を見たかったのだが…。では帰ります。

旅で出会ったローカルごはん…静岡 『おがわ』の、静岡おでん

2019年07月09日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
ご当地グルメがお客を呼ぶコンテンツとして浸透してきたおかげで、ターミナルの駅ナカや駅まわり、繁華街の地元御用達の店でも、手軽に味わえるようになってきた。名店や老舗をわざわざ訪ねたり、行列に並ぶ時間がない旅程ではありがたい一方、 それらのクオリティが微妙なこともある。せっかく土地の味に触れる機会を設けたものの、「この程度の味か…」と捉えられたら、かえって逆効果になる恐れも。地域のPRにはこのバランスが、なかなか難しいところといえる。

静岡名物のおでんも、駅ビルのご当地料理屋や呉服町界隈の居酒屋で普通に出しているが、青葉横丁のおでん屋街とか市街の駄菓子屋系の店が、地元の人が普段使いする本場である。これまで前者で手軽に食べたことはあるものの、後者のような地域密着の店では味わったことはない。そのため評価を測りかねていたので、静岡浅間神社の散策後、門前の商店街に構える「おがわ」を覗いてみた。創業は昭和23年、おでんのほか弁当や惣菜も扱っており、店構えはちびまる子ちゃんに出てくるような庶民的雰囲気にあふれている。

まだ15時過ぎなのに、おでんをアテに一杯やっている親父さんたちで座敷は満席状態だ。店頭のショーケースの裏におでんの鍋が据えられていて、どれも褐色のいい色に仕上がっている。テイクアウトもできるので、酔客の注文に大わらわなお姉さんに、5本ほど適当に見繕ってもらう。鍋からひょいひょいとおでん串が抜かれ、トレイに並べたら上からダシ粉と青海苔をたっぷりかけまわし「はい、480円です」。駅へ戻るバスの車中、包みからカツオの香りがあふれ、どうにも注目を引いてしまう。

ホテルに着いたら包みを開いて、おでんの宴の開宴だ。焼津から取り寄せたという黒はんぺんはさつま揚げぐらい分厚く、粘りも歯ごたえもしっかり。モチモチとかむごとに青魚の旨味があふれ、魚を食べている感がある。スジは口の中でハラリとほぐれ、かむごとに繊維の一本一本からザクザクと味がにじみ出る。ギリギリ固くないベストな煮加減のジャガイモは北海道産で、じっとり染みたつゆとデンプンの甘さが、見事な出合いものの味となっている。これは今まで食べた静岡おでんと、どれもタネの完成度からして違う。

そしてだしの下味、かけまわす添え物ともに、実にいい仕事がされている。タネに色相応に染み込んだ、牛すじからだしをとったつゆと、ダシ粉のカツオと青海苔が相乗。濃縮されたインパクトが数重にもかぶさり、これぞ日本人が大好きな味だ。駄菓子屋系のおでんの実力を思い知り、これまでの静岡おでん評が気持ちよくひっくり返った思いがする。

同じく参道で買った銘菓の「葵煎餅」も開け、ともにアテにしつつ杯を重ねる。思えば浅間通りの商店街、チェーン系とかよその街で見るような店を、一軒も見かけなかった。最初のコンタクトは駅ナカ駅近の店で、その実力を知るならストーリーをたどりながら地域密着な店で。実は再訪して街をしっかり歩く誘いになっているとしたら、こんなたてつけも悪くないと思えてくる、静岡のローカルおでんである。

豚そば一番星の豚そば@静岡

2019年07月09日 | 旅で出会った食メモ
浅間通りの商店街で昼ごはんを食べたく、鳥居の近くまで戻ったところで、匂いに誘われてこの店の店内へ。匂いといっても店名の通り、強烈な豚の香りが空腹にグイグイ刺さってくる。2日かけて炊き上げた濃厚豚骨醤油スープがウリとあり、店名の「豚そば」を頼むと太めの麺と天一を思わせるドロドロのスープが、かなりのインパクト。豚肉と生卵のトッピングは、どこか徳島ラーメン風でもある。

そしてひとすすりすると見た目の通り、コクがものすごいスープが麺にがっちりからみ、これは食べ応えがある。トッピングの豚焼肉はスタミナ系のタレで炒めてあり、さらに辛い肉味噌も控えるなど、濃厚スタミナ系要素の三連発がパワフルだ。ご飯とスープ、トッピングの相性もよく、無料の半ライスがあっという間になくなってしまう。丼飯と一緒にグイグイ食べたい、おかず系のラーメンである。

お腹が落ち着いたところで、門前の気になるお店でテイクアウトも買って帰りましょう。

静岡てくてくさんぽ6

2019年07月09日 | てくてくさんぽ・取材紀行
浅間通りの商店街を抜けた正面には、赤い鳥居と立ち並ぶ幟が目に入ってくる。これが静岡浅間神社…と思ったら、境内社のひとつである大歳御祖神社だった。静岡浅間神社は本社のほか、商売繁盛のこの神社、学業成就の玉鉾神社、無病息災の少彦名神社、勝運の八千戈神社、衣食住の麓山神社の、5つの社が境内に点在している。まずは静岡浅間神社へ参拝しようと、敷地を右から回り込み楼門から境内へと入る。

静岡浅間神社は、徳川三代将軍家光が日光東照宮とともに大造営を施した社である。朱塗りで多彩な彫刻をあしらった絢爛なたたずまいは、「東海の日光」を標榜するだけの凄さだ。舞殿の背後にそびえる大拝殿は、日光東照宮と同じ権現造かと思ったら、「浅間造」という特殊な重層楼閣造という。神社建築というよりは城郭建築を思わせ、先ほど見た駿府城天守台にそのままのっていても似合うような、どっしりと重厚感がある。

ほかの5社の造作も、日光山内の神社仏閣を思わせる。塗り替えて極彩色になった少彦名神社は、正面の虎からはじまる十二支の干支が、東照宮の霊獣のように見える。八千矛神社の妻部にあしらわれた金の鳳凰も、家光廟大猷院の華やかさを彷彿させる。麓山神社は長い石段の上にあるため、今日はスルーにて。

面白いことに、境内にはオススメ写真スポットの案内や、建物に見られる「いのめ」というハートマーク探しなど、女子の参拝者への配慮が行き届いている。昨今のパワスポブームに対応してだろうが、神社は古くからこういう時流に合わせたフットワークの良さが、流石だと思う。

帰りは浅間通りを引き返しながら、気になるお店を覗いていきましょう。

静岡てくてくさんぽ5

2019年07月09日 | てくてくさんぽ・取材紀行
駿府城から御幸通りへ出てやや行くと、大きな朱の鳥居が立つ小路が、右斜め先へとのびていく。浅間通りは「静岡浅間神社参道」との別名通り、先にあるこの社の門前街である。

屋根のある歩道沿いに並ぶのは、まあローカルな店舗ばかり。鳥居の脇はいきなり洋品の量販店で、謎雑貨を歩道に並べて売る古物店「明文堂」、焼き上がり時間には行列のどら焼き店「河内屋」、門前銘菓の紋入りせんべい「葵煎餅」、定休日にはお金をシャッターの郵便受けに入れるシステムの「あべの古書店」、ちびまる子ちゃんに出てきそうな駄菓子屋系静岡おでん屋の「おがわ」、さらに総菜屋に蕎麦屋に味噌糀屋に醤油屋など、気になる店を挙げていったらきりがない。

こういう門前街、チェーンの飲食店をはじめ、どこでも見かける激辛せんべい屋とかパワーストーンとか1000円均一屋とかが入りがちだが、ここには一軒もないのが実にすばらしい。これは神社よりも、インパクトが強そうだ。