ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

名鉄犬山ホテル@犬山

2018年05月16日 | 宿&銭湯・立ち寄り湯
このたびの宿は犬山城の麓・有楽苑に隣接する「名鉄犬山ホテル」。長良川に面しており、目の前で鵜飼や花火大会が見られる好立地。部屋もレストランもリバービューで、明るく広々した印象だ。犬山温泉白帝の湯は、あたりがなめらかで肌がツルツルになる美肌の湯。飛騨川上流部の下呂温泉と、泉質が近いそうである。

宴席でいただいた地酒は、犬山「東洋自慢」が甘さと渋みが折り重なるワイルドさ、常滑の「国盛」はスッキリとキレが良い。夏の鵜飼の時期に再訪して、アユとともに杯を傾けたいものだ。

犬山てくてくさんぽ3

2018年05月16日 | てくてくさんぽ・取材紀行
犬山さんぽ、明治村で人気のレトロ交通は、SLと京都市電のほかにもある。静態保存の「名電1号型」は、京都に次いで名古屋で運行を始めた、歴史のある路面電車。札幌に移籍したこともあり、いわば里帰り展示である。

もうひとつは皇室専用特別鉄道車両「御料車」で、昭憲皇太后が利用した5号車と、明治天皇の6号車が、旧鉄道局新橋工場の建物の中に保存されている。漆塗りに金箔の装飾を施した、車体の外観からして見事。5号車は御座所の玉座に一条家の紋をあしらった藤、天井に雁や桜の日本画が描かれ、釘隠しにも菊の彫金など細部に手が入る。6号車は侍従室の天井に織物建具には木の象嵌が、御座所の玉座に金銀糸の刺繍に七宝の装飾、扉は螺鈿細工で装飾される。ともに「走る宮殿」の別称通りの、気品の漂う造作である。

明治村は範囲が広く、展示物の時期やテーマが多岐にわたるので、何かしらの切り口を持って回るのがいいかもしれない。

犬山てくてくさんぽ2

2018年05月16日 | てくてくさんぽ・取材紀行
犬山さんぽ、世界の国めぐりの後は時代を超えた旅、ということで、博物館明治村にやってきた。昭和40年の開村当時は14棟からスタートした移築物は、現在64棟・重文11のラインナップに。同時期の京都市電やSLも利用しながら広域の歴史建築を巡る、野外展示施設である。

この日は5つのエリアのうち、1〜2丁目をガイドさんの案内で見学した。1丁目は牛鍋の大井肉店、教会堂に竹を用いた聖ヨハネ協会と眺め、人気の西郷従道邸は内部もじっくり見学。西郷隆盛の弟・従道が目黒に建てた邸宅で、フランス人が設計しているため、備品の多くはメイドインフランス。ダイニングの「家長の間」の家具は、赤坂離宮迎賓館と宮中からのものだそうである。兄の隆盛を呼ぶ予定で建てたが、西南戦争で没し叶わなかった背景がある。隣接する千駄木の借家は、森鴎外が「舞姫」、夏目漱石が「吾輩は猫である」を書いた場所として人気が高い。

2丁目は「レンガ通り」と呼ばれる、明治村のメインストリート。ドラマのロケによく使われ、朝ドラ「ごちそうさん」「花子とアン」「坂の上の雲」の撮影が行われ、最近は「わろてんか」「半分、青い」にも出ているそうだ。一番人気の東松家は、油問屋から金融に商売替えして成功した、名古屋の豪商。平家を二階三階に増築した、珍しいつくりだ。土間で店と住居を仕切った中井酒造、みずほの起源である安田銀行、養豚場にされるところを移築した札幌電話交換局など、つくりや経緯のストーリーも興味深い。

じっくり巡れば丸一日ながら、ガイドさんのおかげもあり小一時間での時間の旅が楽しめた。その時代らしさを常駐の方が演出することで、さらなるストーリーを紡げる余地がある。インフラが本物なだけに、幅広い発信力が期待できそうである。

リトルワールドのワールドランチ@犬山

2018年05月16日 | 旅で出会った食メモ
犬山さんぽ、リトルワールドでのランチはワールドワイド。ドイツ代表は粗挽きとボイルのソーセージコンビに、酸味の効いたザワークラウト。イタリアからはベネチアのゴンドラをイメージしたという、船型のソレントピザ。アフリカからは高タンパク低カロリーのワニとダチョウの串焼き。スイーツは韓国で人気の植木鉢プリン。

特に印象に残った串焼きは、食材のイメージの割にはとても淡白・上品で、鳥のササミのようなワニと牛の赤毛種のようなダチョウが対照的。プリンは土に模したチョコチップと砂利をイメージしたミントチョコが凝っており、ミニ鉢はお土産にも。

出されたドリンクも秀逸というかとんがっていて、本格派ドイツ仕込みのノンアルビール、スタミナドリンクみたいなケミカルカラーのインカコーラ、極め付けは匂いそのまんまのドリアンサイダー。これぐらい攻め込んできてこそ、ワールドグルメだ。

犬山てくてくさんぽ1

2018年05月16日 | てくてくさんぽ・取材紀行
岐阜を訪れた翌日は、愛知県犬山市を訪れることに。まず訪れた「リトルワールド」は、世界の国の民家を集めた野外博物館。23カ国・32の建物が並び、今年で開園35年というからワールドテーマパークの老舗中の老舗だ。建物は沖縄県石垣島の家、山形県月山山麓の家、北海道アイヌの家が日本のもののほかは、いずれも海外のもの。移築のものはバラして部材を運び、現地の方が組みあげるという。復元もその国の人に来てもらい、工法や壁面画などそのまま再現。あくまで「博物館」のため、再現度の緻密さはかなりのものである。

2.5キロの周回道路の道中、車窓から見えた特徴的なものは、パティオのあるペルーの農園主の家、台湾の赤煉瓦の農家、茅葺の韓国の農家、アメリカ北部インディアンのテントなど。バリの貴族の家ではスコール体験ができ、トルコのイスラム学院では講義室が復元されるなど、建物を用いた展示も工夫を凝らしてある。立ち寄ったヨーロッパエリアは、ドイツ・フランス・イタリアの民家が集まる人気のゾーン。筆さばきの早いフレスコ画が天井に施された教会、赤い波瓦と壁面の十字架のコロンバージュが独特なアルザスの農家、世界遺産にもなったアルベロベッロの家が、国を超えピンポイントに集まっている。

最後に見た本館展示室が、民俗学的展示がなかなかすごい。第4室・5室の生活儀式や精神文化のコーナーでは、祖先の祀りや死者の弔い、呪術といった「ケ」を色濃く出しており、ややおどろおどろしいムード。きれいなものだけではない民俗文化が、かえって新鮮でインパクトがある。

園では各国のイベントも招聘しており、この日はロシアのサーカスが修学旅行生に盛り上がっていた。世界の国という横のつながりに、硬軟取り混ぜた文化の発信。老舗ゆえの奥深さを感じた、ワールドテーマパークである。