ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

日々是好食…千変万化な卵の料理

2013年09月19日 | ◆日々是好食
卵好きのハートをがっちり捉える要因は、その多彩な食感にある。トロトロのをズルリとやれば、黄身が破れモワッとくる生卵。ふっくらふわふわで優しくほの甘い玉子焼き。ツルツル、ホクホク食べ応えあるゆで卵。目玉焼きは焼き上がりの固さが、時として議論の対象になるほど。身近かつ千変万化な味と姿が、愛好者の多い理由なのだろう。

それだけのバリエーションは、卵が他の食材以上に火加減がデリケートに影響するのを物語る。特に白身と黄身で、熱による固まり度合いが異なるのが、調理が難しく腕の見せどころ。白身の固さを気にするあまり、ガツガツ、ボソボソになった玉子焼きや、半熟を意識しすぎて黄身がドロリと流れ出るオムレツなど、失敗例に覚えがある方もいるのでは。

カルボナーラはベーコンと一緒に、卵とクリームを合わせたソースをからめただけの、シンプルなスパゲティ。それだけに、ソースのなめらかさが身上だ。白身はボソボソ固まらず、黄身はパスタとネットリ一体になるぐらい。ベーコンの塩味がソースの甘みを程良く引きたて、ウットリする食感に。うまい熱加減で仕上がれば、固め派も半熟派も焼き派もゆで派も文句無しの、魅惑的な卵料理である。