ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

旅で出会ったローカルごはんbyFb…出雲大社『おくに』の、割子そば

2012年10月07日 | ◆旅で出会ったローカルごはん

 出雲大社はさすが縁結びの社、ウィークデイながら女子の姿が目立つこと。大注連縄の社殿で一心に祈ったり、社務所のおみくじに一喜一憂したりと、境内が実に華々しい。同様に目立つのがカップルや年配夫婦の姿で、「お礼の参拝の方も多いですよ」との案内人の言葉も分かる気が。ご縁を求めるパワーと、ご縁が成就したオーラで、境内はエネルギーにあふれかえっている。

 そしてエネルギーを放散したらお腹が空くのか、神楽殿を後にした参拝客は一様に、門前のそば屋街へ流れていく。今日は自分は祈願はしていないが、お昼は同様に出雲そばで腹ごしらえ。「そば処おくに」の暖簾をくぐり、天ぷらのセットにすると、丸い3段の器に分けてそばが盛られて出された。

 小盛りで分けているのは、女子向けに食べやすくしてるのか、カップルで仲良く分けるためか。さすがにそんな所以ではなく、昔ながらの「割子そば」という、3つで一人前のスタイル。つゆに浸すのではなく、かけ回すのも出雲流だ。山間部の寒暖の差が厳しい地でとれるそばは、歯ごたえがシャキッと切れ味良く、かみしめるごとにふっくらと甘みがある。

 器に残ったつゆは、次の段に移しながら食べるのも流儀。ネギとモミジおろしの薬味も爽快で、サラサラと食べ進みサッパリと3段平らげた。思えば初めて当地に来たのは高校の頃で、その時何かしら祈願した後で、割子そばをたぐった記憶がある。現在、その祈願が成就してるような気がする?のは、御縁の神様のおかげより、ズルズル長〜いお付き合いを、てな感じのそばのご利益かも?