先日訪れた羽合温泉は、アルカリの泉質から「美人の湯」の愛称がつく。鳥取砂丘特産の砂丘らっきょうの中には、その白い見た目から「美人らっきょう」とのブランドがある。一説では、日本五大美人の地に挙げられており、鳥取は何かと美人に縁が強いらしい。
その羽合温泉の湯上がりに、軽食コーナーで「鳥取牛骨ラーメン」の文字に惹かれた。日本では珍しい牛骨スープは境港や米子が発祥で、安価で入手しやすい牛骨を用いたのがルーツとある。たっぷりのコラーゲン入りというから、入浴後に食べればお肌が絶好調になること請け合いかも。
この日は食べられなかったものの、銀座一丁目に「香味徳」が出店していて、帰京後に訪れてみた。県内に100軒ほど、倉吉市街にも数十軒が牛骨ラーメンを出す中、ここは倉吉で創業60年の老舗。その牛骨ラーメンを食べるつもりだったが、暑さもあって魚介牛骨つけ麺を注文した。
牛骨からとったスープは、脂分が少なめで澄んでおり、これに薄口醤油とスパイスを合わせた、さっぱり味が身上。スープは牛骨のみストレートのほか、豚骨などとのダブルスープの店もあり、このつけ麺も香り高い魚介ダシがアクセントになっている。普通の牛骨ラーメンは細めの縮れ玉子麺だが、つけ麺はやや太麺。魚介と醤油のパンチが太さにちょうどよく、暑さに負けず食が進むのもありがたい。
ところで本場では、牛骨ラーメンとミニ丼をセットで出す店が多いらしい。この店もチャーシュー丼や明太丼のセットがあり、卓上のキムチがご飯にピッタリ。自家製の本格派だけに香りは強く、コラーゲン摂取の美肌効果が吐息でチャラにならないよう、美人の方?は取り過ぎにご注意を…。