暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

諦めと受け入れ

2007-12-05 | -2007:わりとマシなもの
緩やかな下降曲線を描く
細胞の再生速度
諦めて受け入れた回数は
乗数をもたず昇り行く

他人を犠牲にできる強さがあれば
こうして途方に暮れることもなかった
間違っている 合っている
そんなことでさえ決められない

学んだ 私は
切り捨てることを
他人に害は与えられないなら
それなら切り捨てればいい 私を

エゴだと言われることを
何よりもおそれている

やはり自覚というものは
いつだって自分がするのだと

他への犠牲を懸念して
醜く変化したこの四肢を見るがいい
これは私の罪だ
どうあっても私の咎でしかない

何かを諦めた時
得るものと失うものと
どちらがどれだけ多いだろう
私は何かを得て何かを失った
それだけなら誰にでもある
逃避を得て命を失い
時間を得て努力を失い
献身を得て私を失い
信頼を得て自尊を失う
天秤は一生をかけても
私の目の前には現れない

そうして限界を近付ける
何事も有限なのだから

たとえ天秤が平らだとしても
失うものの器は減っていく
水がかさを減すように
泉でなければ涸れ行くように

緩やかに首を絞められる
それは誰でもない

磨り減らした時間は
取り戻すことなどできない
(と諦めている)
奪われる前に逃げ出したい
それもまた不可能な話だ
(と諦めている)

献身を正当化して
死体の上で笑うお前たちになりたい

いつの間にか許容量を超え
いずれ塵となるだろう
その時は恨むのだろうか、誰を
あるいは喜ぶのだろうか、何を
私は脆弱ゆえにすべてを諦めた
望みなど最初から持ってはならない
そのような人間もいる
気を揉む必要はない、最初から
問われるとしたなら自分でしかないのだから

腕が痒い、
頬が痛い、
頭が煩い、
得るものは緩やかに
下降曲線を描いている

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