暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

流れ出るもの

2010-09-12 | 
怠惰の証は病というかたちになり私を覆いこんだ
歩みを踏んでいることの不確かさも
血を流したまま談笑する不確かさも
病巣がかたちを持つことですべてが許される
ほどけた愛は絡まりながら四肢を包み
呼び上げられる時のないまま私を庇護しているはずだ
惨めな罪悪感に心臓を浸しても
たぶんこころはしあわせな不幸に酔いしれて
そうして会うこともなくなったはずの旧い友と囲いをつくる
つくっている
滴り落ちた体液について
彼女たちは聞くことを知らない
私の病はどうあろうと病でしかなく
けなげな使命感に燃え尽きるのを
誰も彼もが心待ちにしているようだ
優しい蜘蛛の巣にみずから飛び込んだ私は
きっと誰よりも蜘蛛たらしめるだろう
身じろぐ必要もなく 慈愛の網にとらわれて
私はただ惜しみない愛情を享受する
誰一人として病の根絶は目指さない
そこに病が病たる役割を果たしたなら

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