暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

one like people

2008-07-03 | つめたい
乱立するビルの群れは
仕事をなくしたペンギンを食べる
肺にはびこるカビはもう
呼吸なんてさせてはくれない
今日もまた
抜けた羽毛は吹き溜まりで舞って
削げた毛穴から血が流れる
鑑賞用だからペンギンは
どこまでもショーにしかならない

すこしのエサを食べるだけで
明日を夢見るふりをしながら
自分で自分に鞭を振るう
喉がひゅうひゅう鳴っていても
みんなみんな同じなだけ
たとえ疑問に思ったところで
言ったらほとんど死んでしまう

魚はもういらないのか
水に入れずもがく飛べない鳥よ
食べられた胃袋の中でなお
寄生し寄生され生きるのは辛いだろう
灰のカビも塵埃も
殖えすぎれば傷がつく
まるで食肉工場へと向かう
言葉ない豚たちのようだな

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