ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

サラダ記念日とカラダ記念日

2012年07月06日 | 文学

 今日はサラダ記念日なんだそうで。
 もちろん、俵万智の、

 この味が いいねと君が 言ったから 七月六日はサラダ記念日

 という気色悪い歌から採ったものです。

 そんなこと言い出したら、毎日毎日なんかの記念日になってしまい、煩わしくて仕方ありません。
 女性の厭らしさが全面に出ていて、私の好むところではありません。
 
 今は未婚の母となって、子どもと石垣島で暮らしているとか。
 どこまでも見た目どおりの気色悪い女性ですねぇ。

 筒井康隆に、「カラダ記念日」というパロディーがあります。
 「薬菜飯店」という短編集に所収されています。

 「この刺青いいわ」 と女(スケ)が 言ったから 七月六日はカラダ記念日

 サラダ記念日
のまんまパクリですね。

 他にも

「組長を殺(や)るぞ」 だなんて カンチューハイ二本で 言ってしまっていいの

 ヤッちゃんと 我を呼ぶとき わが情婦(イロ)の その一瞬の おののきが好き

手紙には 恨みあふれて その恨み 密告(タレコミ)決めた その日の恨み

食べたいでも痩せたい というコピーあり 殺したい でもつかまりたくない

 
などなど、主にヤクザの視点から詠まれた歌が満載で笑えます。

 小林薫主演で映画化もされたそうです。
 残念ながら、まだ観ていません。

 口語短歌ブームを巻き起こした「サラダ記念日」
 私は当時国文科の学生で、和歌を研究する先生たちは、軒並み激しく反発していましたね。
 なぜ自由詩でやらず、わざわざ三十一文字を使うのだ、と。
 その影響か、私も口語短歌には強い違和感を覚えます。
 しかし、文学作品の技法というのも日々進化するもの。
 口語短歌というものもその文脈でとらえなければならないんでしょうね。

 少なくとも、「カラダ記念日」という優れたパロディー作品を生む契機になったのですから、それ一つをもってしても、立派な仕事だったと言わざるを得ません。

サラダ記念日 (河出文庫―BUNGEI Collection)
俵 万智
河出書房新社

カラダ記念日 [VHS]
小林薫,有森也実,南條玲子
ビクターエンタテインメント





薬菜飯店 (新潮文庫)
筒井 康隆
新潮社


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