ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

昭和維新

2014年02月26日 | 社会・政治

 今日は昭和11年に2.26事件が起きた日ですね。

 一部の青年将校が昭和維新の断行を唱え、下士官兵1,500名ちかくを率い、政府要人の暗殺、放送局などの占拠を行い、自分たちが支持する陸軍大将を首相にするよう求めた事件です。

 当初陸軍幹部は青年将校らに同情的だったと伝えられますが、昭和陛下が激怒。
 「朕自ら近衛師団を率い、賊軍の鎮圧にあたらむ」と強い意志を示したことから、陸軍幹部も彼らを賊軍として鎮圧することとなりました。

 彼らの理論的支柱で、後に処刑される国家社会主義者の北一輝は、一報を聞き、「宮城は占拠したのか、昭和天皇は捕えたのか」と聞き、それが行われなかったことを知り、クーデターの失敗を確信したそうです。

北一輝 (ちくま学芸文庫)
渡辺 京二
筑摩書房

 ロマンチストの青年将校たちは、行動を起こせば、昭和陛下の共感を得られると信じていたようですが、リアリストの北一輝は、昭和天皇を脅して操り人形にするか、場合によっては暗殺し、言いなりになる皇族を即位させて操ろうと考えていたようです。

国体論及び純正社会主義 (常葉文庫)
平山 洋
常葉書房

 裁判は一審のみ、弁護人無しという苛烈を極めるもので、青年将校たちはほどなく処刑されることになります。

 首謀者の一人は、獄中日記に「余は日夜、陛下に忠諌を申し上げている、八百万の神神を叱っているのゼ、この意気のままで死することにする。天皇陛下 何という御失政でござりますか」と、激烈に昭和陛下への恨みごとを述べています。

二・二六事件―獄中手記・遺書
河野 司
河出書房新社

 おのれの幼稚な頭では、昭和陛下をお怨み申し上げるくらいしか、できることは無かったのでしょう。

 また、三島由紀夫「英霊の聲」という小説に青年将校たちの霊を登場させ、「などてすめろぎは人となり給ひし」という言葉を、特攻隊の英霊らとともに、呪文のように繰り返させています。

英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫)
三島 由紀夫
河出書房新社

 戦後の天皇の人間宣言を批判したものでしょうが、そういうロマンティシズムに生きていたという時点で、昭和維新を行う資格は無かったと言えるでしょう。

 帝都を震撼させたこの事件、昭和史の汚点と言わざるを得ません。
 
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