2010年6月に大阪市内のマンションで3歳の長男と1歳の長女が死んでいるのが見つかった事件で、子どもをマンションに閉じ込めたまま外泊を繰り返し、死に至らしめたとして、実母の下村早苗容疑者を、検察は殺人罪を適用して無期懲役を求刑しました。
下村容疑者については、自身も実母からネグレクト(育児放棄)を受けていたとか、実父が離婚再婚を繰り返していたなど、同情すべき要素があると考えられてきましたが、厳しい求刑になりました。
下村容疑者は性風俗店に勤務し、派手に遊びまわるなど、子どもが邪魔になり、死ぬと分かっていてマンションに閉じ込めて放置した、というのが検察の見立てのようです。
↓ いかにも風俗嬢然とした下村容疑者です。
亡くなった子どもを想えば、下村容疑者には厳しい刑罰が科されるべきなのは当然ですが、虐待にしてもネグレクトにしても、連鎖することが指摘されます。
虐待を受けた子は親になると子を虐待することが多く、ネグレクトにしても同様だとか。
そうなると、親の因果が子に祟り、さらには孫にまで祟ってしまったわけで、じつに切ない事件です。
検察は殺意があったことは明白だと主張していますが、私は未必の故意は認められるかもしれませんが、故意とまでは言えないのではないかと思っています。
もちろん、未必の故意は刑事裁判では、ほぼ故意と同様に扱われるわけですから、未必の故意が認められる以上、殺人罪を適用しようとするのは、検察としては当然です。
難しい裁判ですが、私は無期懲役は重いように感じます。
ネグレクトを経験して育った未熟な母親に対しては、ある程度矯正の機会を与えるべきでしょう。
日本の無期懲役は終身刑ではないので、短い場合には15年くらいで釈放されますね。
それを以て矯正の機会を与えたと考えることもできますが、私は殺人罪ではなく、保護責任者遺棄致死罪、もしくは傷害致死罪が適当であろうと考えます。
保護責任者遺棄致死罪の場合は大体懲役7年程度、傷害致死罪の場合、概ね懲役10年程度が科される場合が多いようです。
殺人罪とは決定的に異なります。
亡くなった子どもの菩提を弔い、反省を促すには、厳罰よりも寛大な刑罰を科したらどうでしょうか。
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