ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

一人称単数

2024年08月16日 | 文学

 昨日から観測史上最大の大型台風が関東、特に千葉県と茨城県を襲うとの報道が繰り返し流されています。
 夏休みは昨日で終わり、今日から出勤の予定でしたが、安全な建物から出ずに外出を控えろ、とのことでしたので、大事を取って今日は急遽休暇を取ることにしました。
 リスクが高いことを承知で出勤するなんて馬鹿げていますから。

 で、小説を読みました。
 村上春樹の短編集「一人称単数」です。

 この人の書いたものはノンフィクション以外すべて読んでいると思っていたのですが、偶然本屋で見つけて、購入しました。

 村上作品は長編が出ると大騒ぎとなり、書店に長蛇の列が出来ることがほとんどですが、短編集の場合そういった現象が起きないため、見過ごしていたようです。

 この作者にしては珍しく、私小説的な作品が多かったように思います。

 もう70代を迎えることから来し方を振り返るような作品が書きたかったのかもしれません。
 それは筆の衰えと言うより、手慰みのような、独特の味わいがあります。
 長編を得意とする作家ですが、こういう物も良いと思います。

 短歌を詠む女性との一夜をつづった「石のまくらに」

 ビートルズのLPを抱えて高校を歩いていた少女の思い出。
 淡い恋の風情が漂う「With the Beatles」

 田舎の温泉宿で喋る猿との幻想的な夢物語を描いた「品川猿の告白」など。
 不思議と味わい深い掌編たちです。

 村上春樹も円熟の境地に達したのでしょうか。
 そうだとすると、味わいの中に、わずかばかりの寂しさがスパイスとなっているような気がします。

  読書とは関係無いですが、今日、台風にも関わらず、宅配便で80lの巨大リュックが届きました。

 私はキャリーバッグを使いません。
 駅なんかで邪魔だし他人様に迷惑をかけると思っているからです。
 今までは45lのリュックを使っていましたが、ノートパソコンを入れたり、書類を入れたり、帰りにお土産を入れたりするとギリギリなので、軽井沢旅行を最後に80lに代えることにしました。
 これなら余裕たっぷりです。
 45lも80lも本来登山用ですが、観光旅行や出張で使います。
 山用品は便利ですねぇ。


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